保育園の保育理念とは?働く保育士は園の保育方針をチェックしよう!

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保育士の皆様。働く保育園を選ぶ上で「保育理念」について考えたことはありますか。保育理念を元にした、より具体的な内容を「保育方針」「保育目標」などと言ったりもします。

こんな疑問や悩み、不満、経験はありませんか?
  • 保育理念って何?
  • 保育方針って何?
  • 保育目標って何?
  • 自宅から近い
  • 残業が少ない
  • 休みが取りやすい

などの指標もとても大切ですが、働く保育園を選ぶ上では「保育理念」もとても大切な指標になると思います。

今回は、保育園が掲げる「保育理念」についてを解説します。保育理念をよく理解して、保育園に入職してからなんかこの保育園合わないなぁと思うことがないようにしたいですね。

この記事の信頼性
私は保育園、幼稚園、認定こども園で勤務した経験があります
その経験が参考になればと思います

「理念」って何?

経営理念や企業理念などのように会社組織で使われることが多いのが、この「理念」という言葉になります。

辞書的な意味としては「事業・計画などの根底にある根本的な考え方」となっています。もし、ある組織内で、統一された理念が浸透していれば、何か判断に迷った際は、この根本的な考え方に従って行動することで、同じ方向を目指して行動することができます。

これによって、個人の行動に迷いがなくなったり、組織として統一感を図ることができます。

保育園の掲げる「保育理念」とは?

「理念」の言葉としての定義は説明しましたが「保育理念」は一体どのような意味なのでしょうか。

「保育理念」とは、日本中に存在する各保育園が保育園を運営するにあたっての、根本的な考え方になります。 「保育方針」「保育目標」などと言ったりもします。

保育園は「保育理念」を掲げることで、保護者へのアピールや保育士の意思統一を図っています。

ちなみに、厚生労働省の保育所保育指針の解説によると、保育園の保育の目標は以下のように書かれています。

保育所は、それぞれに特色や保育方針があり、また、施設の規模や地域性などにより、その行う保育の在り様も様々に異なる。しかし、全ての保育所に共通する保育の目標は、保育所保育指針に示されているように、子どもの保育を通して、「子どもが現在を最も良く生き、望ましい未来をつくり出す力の基礎を培う」ことと、入所する子どもの保護者に対し、その援助に当たるということである。

※参照「子ども家庭庁 保育所保育指針解説」https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/eb316dce-fa78-48b4-90cc-da85228387c2/f4758db1/20231013-policies-hoiku-shishin-h30-bunkatsu-1_24.pdf

この保育の目標を達成するための、園の特色や保育方針を端的に表しているのが、「保育理念」と言えると思います。

会社で言えば、社訓や経営理念などに該当するもので、その保育園の特色を表現しています。

多くの保育園では子どもたちの成長をどう実現するかということを保育理念として定義しています。保育理念は、園長や理事長(入れ替わっている場合は昔の園長)などの方々が定めていることが多いです。

その保育園を利用する保護者も、保育園を選ぶ際に保育理念を参考にしていることもあります。働く保育士もその理念を参考にして働く保育園を選ぶ基準にすることがあります。

大手保育園の保育理念の例

ここでは、大手保育園の保育理念の例を紹介します。理念は調査日(2020/06/08)時点の物になります。

日本保育サービス

自ら伸びようとする力
こどもたちが自ら成長のきっかけをつかみ、ひとつひとつ「できる喜び」を実感することで、「生きる力」を獲得することを目指します。
後伸びする力
目先の結果や成長を期待したり、こどもたちに要求したりするのではなく、個々の特性を重んじ、長期的な視点から、保育を行います。
五感で感じる保育
四季や自然の力を体感させ、視覚・聴覚・味覚・触覚・嗅覚の五感で感じる保育の充実を目指します。

※参照「日本保育サービス 保育理念」https://www.nihonhoiku.co.jp/facilities/nursery-philosophy.html

ライクキッズ

ライク子ども理念
のびやかに育て 大地の芽
あたたかな環境の中で、一人ひとりの心に寄りそい、人や物・自然との豊かな出会いや体験を通して生きていく力を育てます。

グローバルキッズ

「豊かに生きる力を育てる」
一人ひとりの子どもが、
かけがえのない人生を豊かに歩んでいくために、
その人生のスタートである乳幼児期を
『愛おしい存在』として認められ、その『命』を守られ、
『心地よくいきいきと生きる』こと。
グローバルキッズは、これが最も重要であると考えています。

子どもの気持ちを尊重し、受け止め、認めることで、
子どもは『自己』を十分に発揮します。
そして周りの人への信頼感が育ち、
『自分は大切な存在』であることを感じ取っていきます。

子ども達が日々の生活をとおして、
『自分を大切にし』『人を大切にする』という
人として大切な力が育っていくよう、
丁寧に、広い視野と客観性を持って保育を行います。

※参照https://www.gkids.co.jp/hoiku/

例としてあげましたが、三者三様でそれぞれの保育園の考え方が出ていると思います。

このように各保育園では、理念として共通のものを掲げて運営しています。保育理念を見ることで、各保育園の考え方などが少し垣間見れると思います。

働く保育園を選ぶ際は保育理念をよくチェックしよう

保育士が、働く保育園を選ぶ際は保育理念をよくチェックすることが大切です。保育理念は保育士の日々の仕事にも大きく影響を与えることになります。

保育理念は良い悪いではなく、合う合わないが大切

保育園の保育理念は、大抵の場合、保育園のホームページ等をチェックすれば出て来ると思います。先程の大手保育園の保育理念の例も調べたら出てきたものです。

特に保育理念については、保育士にとって自分の「保育観」と合うかどうかということも大切です。

「保育観」は、保育士が働く上で大切にしている考え方だと思います。

保育理念は保育士が働く中で意識しなければいけないものです。保育観と保育理念が一致しないと、自分の考えに合わない保育をしなければいけなくなるかもしれません。

そうなってしまうと、日々の勤務が苦痛に感じてしまうこともあると思います。

保育理念が自分にあっている = 自分にとって良い保育園 とも限らない

前項で、保育理念については、保育士の「保育観」が合っていることが大切と書きましたが、

仮に保育士本人にとって保育理念が良いと感じたとしても、その保育園が良い保育園とは限りません。

保育理念を掲げている = それを実践できている とは限りません。

うまく保育の定員を満たすために保護者向けにたいそうな保育理念を掲げているだけで、現場では保育理念は軽視されている場合も多いです。

そのような保育理念を働く保育園の選ぶ際には参考にしたところで、全く意味がないものになってしまいます。

また、仮に保育理念を実践できていたとしても、その他の要素においても、合う保育園・合わない保育園というのがあります。

その他の要素というのは、例えば、人間関係(嫌な先輩や園長がいる)とか、勤務待遇面(給与が安い、サービス残業が多い)等の様々な要素のことです。

保育理念に共感できる、自分に合っているというだけで、働く保育園を選んでしまうと、別の要素が合わずにつまずいてしまうかもしれません。

見学時に現場の保育士に聞いてみよう

保育園を見学する際に、現場の保育士に保育理念について聞いてみることも有効な手段です。

現場の保育と話すチャンスがあれば、

  • 保育理念の〇〇ってどういう意味ですか?
  • 〇〇っていう理念があると思うんですけど、どういうことが保育中に行われていますか?

などのような形で、あくまでも興味があるということを伝えながら聞いてみると良いと思います。

保育理念が現場まで浸透していないただの看板であれば、まともな返答は帰ってこないかもしれません。

このような場合は、保育士と園長の意思疎通や、統制がうまく取れていない可能性があります。

もちろん、そうではなく、単純に個々がある程度自分の裁量で自由に保育を行っているということかもしれません。

いずれにしても、保育理念から様々な保育園の情報を得られると思います。

保護者の口コミを参考にしよう

見学や面接だけではなく、保育園の保護者の口コミを参考にするのも一つの手段としてあります。

良い口コミ、悪い口コミもあると思いますが、保育園の保育理念などと照らし合わせて、どのような保育を行っているのかということを利用者目線の情報を知ることができると思います。

それなりに大規模で歴史がある保育園でないと、口コミ数が多くないのがネックではありますが、とても参考になる情報だと思います。

保育士転職サイトに聞こう

最後に有効な自分自身にあった保育理念や働き方の保育園を探す方法は、保育士転職サイトに聞くということです。

転職サイトは様々な保育園の特色などを把握しています。実際に、担当者も園への面接に同行していることも多く、保育園の内部事情にも詳しいです。普通は働かないとわからないようなことも知っている場合があります。

転職サイトを利用して転職活動を行うことで、保育理念だけに関わらず、様々な要素で自分の希望にあった保育園を見つけやすくなります。

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まとめ:保育園の保育理念とは?働く保育士は園の保育方針をチェックしよう!

保育園が掲げる「保育理念」について、保育士の目線で考えた場合のまとめになります。「保育理念」とは、**日本中に存在する各保育園が保育園を運営するにあたっての、根本的な考え方です。

  • 「保育理念」は保育園が保育をする上で掲げる根本的な考え方
  • 保育士にとっては、保育理念は良い悪いではなく、合う合わないが大切
  • 保育理念が自分にあっている = 自分にとって良い保育園 とも限らない

保育士が働く保育園を選ぶ際には、この「保育理念」も参考にすることができます。ですが、保育園の保育理念はかなり大きく抽象的なものであることも多く、自分の保育観というのも、なかなか言葉に表せない部分も多いと思います。

保育理念だけではなく、保育士として働く上で自分が大切にしている条件をしっかりと持った上で、保護者の口コミや保育士の転職サイトを活用しつつ、自分にあった保育園を探すことが大切です。