他業種への転職を考える保育士の皆様。医療事務という選択肢が出ている人は多いと思います。
医療事務ってどういう仕事なのかという点や、医療事務につくためにはどのような経験が必要なのか、保育士との比較などを解説します。
その経験が参考になればと思います
医療事務ってどういう仕事?
医療事務は、医療機関の受付や会計などを行う事務員のことです。例えば、病院に行ったら最初に保険証などを提出すると思いますが、その受付の人は医療事務であることが多いです。
もちろん、医師や看護師の資格はないので、医療行為は一切行いませんが、病院を裏からサポートする役割のスタッフになります。
受付、会計というと単純そうに聞こえますが、実は医療事務は、受付会計以外にもレセプト業務、クラーク業務なども行います。これについては後ほど紹介します。
簡単そうに見えて実は意外と奥が深く、大変な仕事なのが医療事務という仕事になると思います。
受付・会計
医療事務と言ったら最初に思いつくのが受付や会計の仕事だと思います。保険証を預かり、患者に問診票などの記入をしてもらい医師と連携を行います。
患者様から電話を受けて予約業務を行ったり、予約の変更などを受け付けたりもします。所謂、電話対応になります。
また病院では、診察内容によって患者に請求する医療費というのが異なってきます。医療事務は医療費の計算なども行います。よく病院に行くと、「初診料」「投薬」などと「〇〇点」などが書かれている診療明細をもらいますよね。
あの計算を行っているのが医療事務という場合も多いです。また、加入してる保険や個人の状況(通常は3割負担ですが、1割負担の場合があったり等)によっても医療費の負担額というのは異なるの、それに応じて患者様への請求額を決定します。
レセプト業務
患者様に請求する医療費は全額負担ではなく、3割や1割など一部負担になっています。残りの医療費は国保や健康保険組合に対して請求することになります。
その際に、レセプトと呼ばれる診療報酬明細書を作成します。診療内容によって、診療報酬点数を算出してレセプトを作成します。
特に、医療事務において、専門知識が要求される業務になります。とはいっても計算方法や点数などは暗記するわけではなく、専用のソフトなどを使うことが多いです。
クラーク業務
クラーク業務はナースステーションなどで患者様の入院に関する手続きや、カルテの入力・整理などを行います。
比較的大きな病院で摂津されている業務で、まさに医師のサポート役と言える仕事になります。
医療事務の良いところ
職業としての医療事務の良い点は様々な知識が身につくことです。
- 接客
- 事務
- PCスキル
- お金に関する知識
- 電話対応
- 外部の保険機関とのやりとり
保育士だけをやっているとどうしても経験が偏ってしまいますが、医療事務は前述のように幅広いスキルが身につきます。保育士の仕事ではなかなか身につけることができない知識が多いですよね。
また、医療事務で働いて知識を身につけることができれば、どこの病院でも即戦力として働くことができるという安心感もあります。
これらの経験は、社会人として会社で働く上で共通的に活かすことができる知識になります。
そのため、医療事務をしっかりとこなすことができるということは他の会社に転職したとしても常識や知識不足で困ることは少ないでしょう。
なので、まずは保育士から未経験でも働くことができる医療事務に転職し、会社で働く基本的な知識を身に着け、その後に別の会社などにステップアップを図るという方も多いです。
未経験からでも転職できる?
結論から言うと、医療事務は未経験でも就業が可能です。保育士と違い、医療事務には国家資格のようなものは必要ないので、誰でも未経験から目指すことができます。
受付、会計、レセプト業務、クラーク業務と幅広い作業を担当しますが、いきなりすべてを担当するわけではなく、同僚のスタッフから学びながら働くことが可能です。そのため、未経験でも転職ができる可能性があります。
あると有利な経験や資格は?
前述したとおり、医療事務は無資格・未経験でも就職できる職業ではありますが、あると有利な経験や資格などを紹介します。
民間の医療事務に関する資格
保育士と違い、医療事務には国家資格のようなものはないので、誰でも目指すことができるということは説明しました。
医療事務には民間の資格も存在します。
- 医療事務技能審査試験
- 医療事務管理士技能認定試験
- 診療報酬請求事務能力認定試験
- 医療事務認定実務者
これらの資格があると、即戦力として働けることになります。ただし、実際にどのような民間資格の取得が推奨されるかは病院や業務内容にもよると思うので、まずは転職してから取得を目指すのが無難かもしれません。
人当たりのよさやハキハキとした喋り
医療事務は病院に入ったら最初と最後に患者さんと接する仕事になります。いわば、病院の顔とも言えるので、人当たりのよさやハキハキとした喋りは重要です。
病院の受付の人が暗かったりすると、病院自体の印象も悪くなることがあります。「受付の印象が悪かった」などと口コミ書かれてしまうかもしれません。
なので、病院側としても経験よりもそのような素養のある人物を優先して採用したいと考えることも多いです。
同様に、対人のマナーやコミュニケーションのスキルも重要です。患者様はもちろん、医療のスタッフとの連携も大切なので、コミュニケーションスキルは非常に大切です。
これに関しては、保育士として働いていた人にとっては割と有利なことかもしれません。
PCスキル
医療事務はPCでの入力作業も頻繁に行うので、PCスキルはあって困ることはありません。
高度なPCスキルは必要ありませんが、パソコンと聞いただけでアレルギーになるような状態だと厳しいかもしれません。
入職前の段階では、特定のソフト(ワード、エクセル)などが利用できる必要もありません。
医療事務の保育士の仕事との比較
ここからは医療事務の保育士の仕事との比較をしていきます。
給料
給料に関して言うと、保育士と比較しても決して高くはないです。平均年収が270万円程度と言われているので、保育士と比較してもやや低い水準になると思います。
そのため、保育士の低待遇が嫌で、高い給料を目指して医療事務を目指すというのはあまり現実的な選択肢ではないです。
また、医療事務の給料に関しては病院の経営状態などによっても大きく左右されることがあるようです。
どちらかというの保育士の仕事内容などに不満がある場合のほうが転職のメリットがあると言えます。
業務負担
保育士のように家に持ち帰ってできるような業務はほとんどないため、毎月の残業時間というのも少ないです。
また、保育士と違いそこまで体を多く使う仕事でもないので体力的な負担も少ないです。
ただし、前述の通りお金に関する計算をするという点や、患者様との対応をするという点で精神的な負担は保育士と比較しても多いかもしれません。
人間関係
人間関係に関しては、保育園によって様々であるのと同様に働く医療施設によって様々なので一概に良い悪いと言えることはないです。
ただ保育士は業務量が多く仕事の押し付け合いのような雰囲気になってしまうこともありますが、そのような雰囲気が嫌いな方は前向きに仕事ができる場合が多いかもしれません。
医療事務の大変な所
医療事務の大変な所を説明します。
患者様からのクレーム対応
いちばん大変なのは、患者様からのクレームの対応になると思います。病院の受付などにいると、クレーム対応も矢面にたって行う必要があります。
保育士の場合でも、保護者との間でのトラブルというのは耐えないですが、病院も同様にトラブルがあると思います。
保育士は、基本的には固定の保護者とのやりとりになりますが、病院は様々な人がたくさんくるという点でも違いがあります。
お金の計算などミスが許されない
医療費の請求などお金に関連する計算や記載はミスが許されない仕事になります。
保育士も人の命を預かっているので、ミスは許されませんが、それとはまた別の意味での大変さがあると思います。
書類などに関しても、保育士の多少の誤字脱字は許されるような書類とは違い、その点はかなり神経を使う仕事になると思います。
保育士はどのように医療事務に転職すれば良い?
保育士から医療事務への転職は、第二新卒や未経験者向けの転職エージェントへの登録がおすすめです。転職エージェントに登録すれば医療事務以外でも自分にあった選択肢を提案してくれることもあります。
医療事務の求人はハローワークなどに載っていることもありますが、転職エージェントも併用して利用したほうが良いです。より選択肢も広がり、合格率も上がります。おすすめの転職エージェントは以下のものになります。
- キャリアパーク就職エージェント | 既卒第二新卒、就活のプロがあなたを徹底サポート!
- 就職Shop | リクルートが運営 フリーター、既卒、第二新卒に強い就職支援
まとめ:保育士から医療事務への転職。保育士と比べると給与、待遇、負担は?
保育士から医療事務への転職の特徴は以下のようになります。
- 医療事務は未経験からでも目指せる
- 給料は保育士と比べても安いことが多い
- 業務負担は保育士と比べると少ないかもしれない
向き不向きに関しては保育士同様にあるとは思うので、安易に医療事務に転職するということはすすめられませんし、保育園同様に病院の違いによっても良し悪しが出るところだと思います。