保育園の保育士求人にある変形労働時間制とは?長所短所や働きやすさ・注意点!

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転職や就職を考えている保育士の皆様。保育園の保育士求人でたまにある「変形労働時間制」について知っていますか。保育園では、あまり多くはない印象ですが、たまに「変形労働時間制」を導入していることがあります。

こんな疑問や悩み、不満、経験はありませんか?
  • 保育士求人でたまに見かける変形労働時間制ってなに?
  • 変形労働時間制の長所短所や働きやすさ・注意点を知りたい

この変形労働時間制は少しやっかいでわかりにくい仕組みになっています。

そもそも「変形労働時間制」とはどういうものなのか、そして保育士が「変形労働時間制」の保育園で働く長所短所や働きやすさ・働きにくさなどについて解説しています。

この記事の信頼性
私は保育園、幼稚園、認定こども園で勤務した経験があります
複数の保育士転職サイトを利用して転職活動をした経験があります
その経験が参考になればと思います

そもそも変形労働時間制とは?

保育園に限らないですが、労働者を雇用する場合は、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけないことになっています。なので多くの保育園は1日8時間で週5日の勤務時間を設定していると思います。

ただし、変形労働時間制を利用する場合は以下のように運用することが可能になります。

変形労働時間制は、労使協定または就業規則等において定めることにより、一定期間を平均し、1週間当たりの労働時間が法定の労働時間を超えない範囲内において、特定の日又は週に法定労働時間を超えて労働させることができます。「変形労働時間制」には、(1)1ヶ月単位、(2)1年単位、(3)1週間単位のものがあります。

※厚生労働省「労働時間・休日」よりhttps://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/roudouzikan/index.html

つまり、ある日は10時間労働し、とある日は6時間労働するというような柔軟な時間設定が可能になります。

例えば、月末が特に忙しくなるような業種、季節ごとに繁忙期があり、忙しさが月ごとにことなるような業種で多く導入されていることがあります。

保育園はなぜ変形労働時間制を導入している?

保育園でもあまり多くはないですが、変形労働時間制を導入している園があります。保育園が変形労働時間制を導入している一番の理由は 残業代の抑制(人件費の抑制) のためです。

例えば、行事前などで保育士が準備で忙しい時期があるとします。そのような時期のある日にある保育士が10時間働いた(2時間の残業をした)とします。

変形労働時間制を導入している保育園の場合は、人員に余裕がある翌週に当該保育士の6時間勤務の日を設けることができます。こうすると、月間の労働時間は変わらないので、保育園の残業代の支払いの必要はありません。

一方、変形労働時間制を導入していない保育園は労働時間を変えることができないので、仮に翌週に人員に余裕があったとして当該保育士は8時間勤務する必要があります。つまり、2時間分の残業代を保育士に支払う必要があります。

細かい部分を省略して簡単に説明するとこのような形になります。変形労働時間制の場合は、繁忙状態に合わせて臨機応変に働く保育士の労働時間を設定できる可能性があり、それが残業代の抑制に繋がります。

行事前がとても忙しい場合や、一時保育などを行っている保育園は、日によって子どもの人数も異なってくると思うので、特に変形労働時間制を導入するメリットが出て来ると思います。

定額働かせ放題ではない

勘違いしては行けない点ですが、変形労働時間制を導入していても、月単位、もしくは、年単位で設定した労働時間を超えた場合はその部分に関しては残業代を支払う必要があります。変形労働時間制だからといって残業代が支払われないということはあってはならないことです。

変形労働時間制の保育園はこんな働き方になる?

先程も少し変形労働時間制で働く際の例を出しましたが、もう少し詳しく解説します。

  • 例:週6日間働く場合

月曜日:6時間労働
火曜日:6時間労働
水曜日:6時間労働
木曜日:6時間労働
金曜日:8時間労働
土曜日:8時間労働
日曜日:休み

合計:週40時間労働

  • 例:週4日間働く場合

月曜日:10時間労働
火曜日:10時間労働
水曜日:10時間労働
木曜日:10時間労働
金曜日:休み
土曜日:休み
日曜日:休み

合計:週40時間労働

変形労働時間制の保育園で働く場合は、このような働き方になる可能性もあります。その場合、上記はどちらの場合も同じ給与になるはずです。

これが毎週固定の場合もありますし、繁忙期などの状況によって、毎日様々な労働時間になる場合も考えられます。

どのような働き方になるのかは、保育園によっても、時期によっても異なってくると思うので、あくまでもこのような働き方になるかもという例になります。

実際に変形労働時間制の保育園に就業を希望する場合はどのような働き方が想定されるのかをしっかりと事前に確認しましょう。

変形労働時間制の保育園で働く保育士のメリット・働きやすさ

変形労働時間制の保育園で働く保育士にメリットや働きやすさはあるのでしょうか。

多様な働き方が可能になる

忙しい時にしっかりと働いて、暇な時は早く帰って休むということが可能になります。例えば、うまく変形労働時間制が活用できている保育園であれば、週末を3連休にして旅行に行くということが有給休暇を使わずに可能になります。

もしくは、一日8時間の勤務は長いなぁと思う方であれば、前項に上げた通り、一日あたりの労働時間を減らしつつ、出勤日を増やすことも可能です。

似ている時短勤務制度などがあると思いますが、それと違い、支給される給与に差がないのがメリットになります。

保育士の給与は良いかも?

もし本当に良い保育園であれば、残業代の支払いが抑制できる分、保育士の給与に反映されている可能性もあります。

だらだらと残業している人が残業代を稼いで得をするということが発生しにくくなるので、ある意味公平に保育園の人件費を行き渡らせることができるでしょう。

あくまでも可能性の話なので、変形労働時間制の保育園がすべて保育士の給料が高いというわけではないので気をつけてください。

変形労働時間制の保育園で働く保育士のデメリット・働きにくさ

逆に、変形労働時間制の保育園で働く保育士のデメリット・働きにくさについて紹介します。

働き方が不安定になる

月単位や年単位での労働時間の設定になるので、一日8時間週5日という安定した働き方にならないこともあります。

シフトが出ないとプライベートの予定が立てにくかったり、一日あたりの労働時間が長くなり、体調に支障をきたす可能性もあるかもしれません。

支給される残業代が減る

先に説明したように結果的に労働時間を調整できるため、残業時間が減ることに繋がります。厳密には、働いた時間分の給与はしっかり貰えるので、働いた時間に対して損をするというわけではないです。

ただし、もし仮に「変形労働時間制の保育園 + サービス残業をさせる」となってしまったら最悪の形になってしまうので注意しましよう。

変形労働時間制の保育園の求人はどのような点に注意すれば良い?

変形労働時間制の保育園の求人はどのような点に注意すれば良いのかを紹介します。

祝日の取り扱いに注意

変形労働時間制の保育園では、おそらく、月単位で法定労働時間以内の労働時間が設定されていると思います。月によって日付の日数が異なるので、例として以下のように就業規則に設定になると思います。

  • 28日: 160時間
  • 29日: 165時間
  • 30日: 171時間
  • 31日: 177時間

注意が必要な点は、日本には土日だけではなく、祝日があるという点です。例えば、2020年の5月を例に考えると、5月は31日まであるので、上記の設定だと177.1時間が労働時間になります。

2020年は5月に3日間の祝日があり、平日の日数は18日になります。平日毎日働いたとすると、

  • 18日 × 8時間 = 144時間

合計144時間の労働になります。変形労働時間制で上記の労働時間を規定している保育園の場合は、月の労働時間が足りないという状況になってしまいます。

なので保育園は、保育士を毎週土曜日にも出勤させるということが可能になります。その場合の労働時間は合計184時間になります。内訳は177時間通常勤務の7時間残業という形です。毎週土日に出勤しているのにほとんど残業代もつかないので、通常と比べてかなり損した形になってしまいますよね。

その保育園の就業規則において、日曜日・祝日・年末年始などを休日と定めていない場合は、このような働かせ方も可能になってしまいます。

実際に変形労働時間制の保育園に就業を希望する場合はどのような運用になっているのかをしっかりと事前に確認しましょう。

なぜその保育園が「変形労働時間制」を導入しているのかを理解する

面接や見学の際に、なぜ「変形労働時間制」を導入しているのか、保育園や働く保育士にはどのようなメリットがあるのかをストレートに聞いてみましょう。

その返答によって、保育士の働き方のことを考えているのか、人件費のことだけを考えている園なのかわかると思います。

制度の良し悪しよりも保育園自体の良し悪しが重要

保育士が働く保育園を選ぶ上で大切なのは、結局のところ、通常の労働時間制なのか変形労働時間制なのかということよりも、その保育園自体の良し悪し、そして、その保育士に合う合わないが大切です。

あまり制度自体にとらわれずに、保育園自体の法令遵守意識や人間関係、園の保育方針や園長の人柄など、個人が働く上で大切にしている部分をしっかりと見極めましょう。

【まとめ】保育園の保育士求人にある変形労働時間制とは?長所短所や働きやすさについて

私の個人的な意見になりますが、その保育園の内部に知り合いなどがいて、労働環境や人間環境が良いということがある程度わかっている場合などを除いて、

数多くある保育園の中からあえて「変形労働時間制」を採用している保育園を働く保育園に選ぶ必要はないと考えます。注意点で説明したとおり、「変形労働時間制」にはかなりややこしい部分も多く、制度をしっかり理解する必要があるためです。そして、その割にあまり働く保育士に対してメリットがある制度になっているとは思えないです。

面接や見学の際に、なぜ「変形労働時間制」を導入しているのか、保育園や働く保育士にはどのようなメリットがあるのかをストレートに聞いてみて、内容をしっかりと理解しましよう。

最終的には、保育園自体がブラックだったら意味がないので、あまり制度自体にとらわれずに、保育園自体の法令遵守意識や人間関係、園の保育方針や園長の人柄など、個人が働く上で大切にしている部分をしっかりと見極めて幡羅保育園を選ぶことが大切です。