保育士の皆様。妊娠したという方やこれからそれを保育園に報告をしようという方。
色々と不安なども多いと思います。今回は、保育士の妊娠の園への伝え方などを解説します。保育園内で妊娠・出産の前例があるような場合には、その保育士に相談できると良いと思います。大切なことは、自分とお腹の子を守るために必要な報告や依頼を保育園に適切に行うということです。
勤務している園に対して妊娠報告をした経験があります
その経験が参考になればと思います
保育園への配慮は基本的に不要
大前提として、妊娠をする、出産をするということに関して、勤務している保育園への配慮は基本的に不要です。
当然のことですが、保育園に迷惑がかかるから子どもをつくるのを我慢しようとか、時期を遅らせようとかいう配慮は不要です。
もちろんそのようなことを示唆してくる保育園は論外です。人を雇用する資格はありません。
子どもは授かりものですし、労働者として保証されている権利でもあります。しっかりと妊娠したという事実を伝えて適切なサポートを受ける権利があります。
なかには、保育士の妊娠を制限するようなモラハラを行う保育園もあるようです。保育士が不足していて、保育士の妊娠を順番制にしたり、妊娠しないように圧力をかけたりなどです。
はっきり言って最低な保育園です。このような保育園は長く働く価値がないので、とっとと退職して他の保育園で働くのがおすすめです。
既に妊娠している場合も遠慮することなく、産休育休を取得してから退職しましよう。
妊娠や出産を理由に不当な扱いをすることは法律上禁止されている
妊娠を伝える前に、理解しておくべきことは雇用主である保育園が妊娠や出産を理由に不当な扱いをすることは法律上禁止されているということです。
例えば、妊娠を理由にパートになれ、退職しろ、次の契約は更新しないというようなことは違法になります。
なので、最低限の伝え方や負担経験の依頼の仕方だけを守りつつ、妊娠について伝えることが大切です。
法律をしっかり守る保育園であれば、安心して妊娠を報告して必要なサポートを受けてください。
なぜ妊娠を伝える必要があるか?
そもそも疑問に思う方もいると思うので、なぜ妊娠したことを職場に伝える必要があるかということを解説します。
業務上の負担軽減や周囲のサポートなどの考慮のため
本人にとっても、保育園にとっても一番大切なのは、業務上の負担軽減や周囲のサポートなどです。
後述もしていますが、妊娠中は検診時間の確保や通勤の緩和、休憩の園長や増加、残業・休日出勤の制限、業務転換などを依頼することが可能です。
同僚の保育士としても妊娠していることをしっかり知ることで、保育中に必要な様々なサポートをすることができます。
産休・育休中の代替保育士の確保のため
2つ目は、産休・育休中の代替保育士の確保のためです。
特に保育園で働く保育士の産休に関しては、人数が足りなくなった分はみんなで少しずつ負担しよう ということは基本的にはできません。
もともと余裕を持って保育士の人数を配置していれば、それも不可能ではないですが、ギリギリの人数で回している保育園では難しいです。
保育園の園児数に対して必要な保育士の配置人数は国で決まっているので、それを常時上回る必要があります。
なので、適切に妊娠と出産、育児休暇等の予定を伝えることで保育園が代替の保育士の確保がしやすくなります。
行事や担任業務の引き継ぎのため
担任業務などを行っていたり、行事の担当などになっている場合は、それを別の人に引き継ぐ必要もあります。
産休に入り、そのまま育休に入ると最大で一年間以上、保育園の勤務から離れることになるので、必要な引き継ぎ作業をそれまでに必ず終わらせる必要があります。
いつ頃妊娠について伝える必要があるか?
妊娠の報告は一般的には安定期(12周目以降)が良いとされています。ただ、安定期に入る前は、つわりの影響なども大きいので、それよりも早めの8週目くらいに報告することも多いです。
保育士の場合は、体を使う重労働がメインになるため、報告のタイミングはしっかり考えたほうが良いです。
あくまでも、保育園のためではなく、自分とお腹の子を守るために必要なタイミングで報告を行いましよう。
子どもとの接触や不慮の事故なども考えられるので、医師などとも相談して、適切な時期に報告ができるようにしましょう。
保育士の妊娠は誰に伝えればよいか?
親しい同僚の保育士に先に伝えたいという思いもあるかもしれませんが、まず最初は園長などの保育園のトップに直接伝えるのが良いです。
良くないのは、同僚経由で周りに漏れ伝わった時です。園長としても直接聞いたわけでもないのでサポートがしにくくなってしまいます。
園長としても保育園にとっても大事なことを人づてで聞いたとなればあまり印象もよくないかもしれません。
保育士の妊娠はどうやって伝えればよいか?
保育士の妊娠はどうやって伝えればよいかという点を解説します。
伝える内容は?
妊娠時の報告においては以下のような内容を保育園に正確に伝える必要があります。
- 現在の状況
- 出産予定の日付
- 検診などの予定
- 通勤や勤務での要望
- 出産後の勤務について
保育園側に、どのような措置をとってほしいのか、という点をしっかりと伝えることが大切です。
勤務時間中の検診について
保育園は、保育士の妊娠中は、健康診査を受けるための時間を確保する必要があります。
ちなみに有給になるか、無給になるかは保育園の規定によります。
保育園側が確保すべき時間は以下のようになっています。
- 妊娠23週まで・・・4週間に1回
- 妊娠24週〜35週まで・・・2週間に1回
- 妊娠36週以降出産まで・・・1週間に1回
妊娠中の通勤について
通勤に関しても、医師等の指導があり妊娠中の保育士が申し出れば、ラッシュアワーの混雑を避けて通勤できるように緩和の措置を取る必要があります。
通勤時のラッシュアワーの混雑などが想定される場合は、まずは医師等に相談してみましょう。
簡易業務の転換
妊娠している保育士にって負担の大きい作業や職場環境にある場合は、事業主は他の軽易な業務に転換させる必要があります。
保育士の場合も該当する作業はあると思うので、無理をしないで申し出ることが大切です。
残業、深夜、休日労働などの制限
妊婦は時間外労働、休日労働、深夜業の免除の請求が可能です。
保育士も遠慮せず申し出ることで、残業をなくすこと、休日出勤をなくしてもらことが可能です。
園児・子どもにはどう伝える?
保育士は子どもとの接触も多くなるので、勤務内容によっては子どもにも理解をしてもらう必要が出るかもしれません。
前述したとおり、散歩や外遊びなどの重労働からは離れさせてもらうということも大切です。
園長や身近な妊娠の経験のある保育士などに相談しながら、良い対応方法を見つけられると良いです。
もし伝える場合は年齢にもよりますが「お腹に赤ちゃんがいるから守ってね」という形で伝えると良いかもしれません。
園児の保護者には?
園児の保護者には特段急いで伝える必要ありません。
ただ、担任業務などをしている場合は、途中で担任が産休に入ることになるため、最終的には知らせる必要が出てきます。
タイミングや伝え方は園長などと相談して決めれば良いです。
妊娠を伝えたその後の流れは?
妊娠を伝えた後の伝えたその後の勤務の流れなどについて説明します。
産前産後休業について
産前産後休業は以下の期間で取得することができます。
- 出産予定日の6週間前
- 出産の翌日から8週間
が規定の産休(産前産後休業)になります。勤務している保育園のによってはより手厚い休業期間がある場合もありますが、法律上は上記が最低限与える必要がある期間になります。
産前産後休業は雇用形態(正職員、パート、派遣等)に関わらず、勤続年数などの条件もないため、誰でも取得が可能です。
逆に言うと、この期間までは基本的には保育園に勤務する必要があります。
また、出産後(産前産後休業後)は育児休暇が取得できる可能性があります。育児休暇にを取得するには 同一の事業主に引き続き1年以上雇用されている 必要があります。
育児休業は、原則、子が1歳に達するまでの間に取得が可能です。
保育士の産休や育児休暇に関しては、以下の記事でも詳細を解説しています。
産休、育休中の給料はどうなる?
産休、育休中の給料や手当については、以下の記事でも詳細を解説しています。
基本的には、今まで勤務していた時の給料よりやや少ない金額の手当などが保証されるので、安心してください。
産休、育休中に保育士宿舎借り上げ制度の利用している場合は?
保育士宿舎借り上げ制度を利用している場合に、産休、育休に入ったら、制度が利用できなくなるのでは?と不安に思う方もいるかもしれません。
産休、育休に家賃負担が新たに生じるとなるとなかなか厳しいということもあると思います。
結論から言うと産休、育休中も基本的には、制度の利用を継続できる場合が多いです。(自己負担がある場合は、毎月負担する必要があります。)
ただし、市区町村や保育園によっては利用が継続できない場合もあるので、事前に確認しておくのがおすすめです。
まとめ:保育士の妊娠の保育園への伝え方。いつ誰にどうやって伝える?
一般的な保育士の妊娠の保育園への伝え方や伝えるタイミングなどを紹介しました。
大切なことは、自分とお腹の子を守るために必要な報告や依頼を保育園に適切に行うということです。
それは業務の負担はもちろんですが、精神的な面でもです。伝え方や態度を間違ってしまい、同僚の保育士などに「妊娠を理由に楽をしている」なんて思われてしまっても、自分への負担が多くなってしまうかもしれません。
ただ、保育園によっては様々な文化などがあると思うので、一様に正解のやり方というのはないかもしれません。
保育園内で妊娠・出産の前例があるような場合には、その保育士に相談してみるのが良いと思います。