残業させてくれない、残業禁止の保育園。弊害とは?対処法を紹介

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このような保育園に勤めている方もいらっしゃるかも知れません。今回は、残業させてくれない、残業禁止の保育園の弊害や対処法について紹介します。

この記事の信頼性
私は保育園、幼稚園、認定こども園で勤務した経験があります
残業禁止の園に勤務していた経験があります
その経験が参考になればと思います

残業させてくれない、残業禁止の保育園

  • 保育園が残業禁止
  • 保育園が残業させてくれない

内部的なルールとして、職員が残業することを原則的に禁止している保育園は意外と少なくないです。残業をしたくない保育士にとってはとても良い保育園に見えますよね。

保育園はなぜ「残業禁止」にする?

本題に入る前に、 保育園はなぜ「残業禁止」のルールを設定することがあるのでしょうか。その真意に迫ります。

保育園が保育士等の職員に対して、残業禁止のルールを設定していることがあるのは、保育園運営の人件費を増やさないため です。基本的には、これがメインの理由になるでしょう。

従業員である保育士が残業をすると、その時間分は、通常支払う月給とは別に割増で賃金を支払わなくてはいけません。保育園の予算が決まっている場合は、利益を削って賃金に回るということになります。もちろん、利益がなければ、赤字になってしまう可能性もあります。それを防ぐために、残業禁止をというルールを設定します。

残業禁止を謳う保育園のなかには、保育士の仕事の負担の軽減を理由に掲げている場合もありますが、それは順序が逆だと個人的には思っています。保育士の仕事や無駄な部分を効率化して仕事の負担を軽減した結果、残業をしなくても良くなるという順序が正しいと思います。

残業禁止の保育園の弊害や思わぬ落とし穴

「残業禁止」という保育園は、残業をしたくない保育士としては願ってもない環境だと思うかも知れません。しかし、実は残業禁止のルールの保育園には思わぬ落とし穴がある場合もあります。

その弊害とは以下の内容です。

  • 残業したくてもできないので、担当の仕事が終わらない
  • サービス残業等の労働時間に含まれない時間に仕事をせざるを得なくなる

これらについて以下から説明します。

残業したくてもできないので、担当の仕事が終わらない

「残業禁止」で残業ができないために、自分の担当している仕事が終わらないということが起きてしまいます。

特に保育士の仕事で、終わらないという状況に陥ってしまいがちなのが、「書類仕事」「行事の準備」などです。これらの仕事は、保育中に進めるのはなかなか難しいので、保育から離れて作業する必要がありますが、保育士の人数が十分ではないとなかなか時間を確保するのが難しいです。

結果的に、残業時間中に作業することが多いと思いますが、残業禁止の保育園なので、それができないということが起きてしまいます。

サービス残業等の労働時間に含まれない時間に仕事をせざるを得なくなる

「残業禁止」という状況が保育園のルールとして根付いていると、担当の仕事が終わらない場合に、その仕事を終らせる方法がありません。残業をしたら、もちろん、園長等に怒られる可能性もありますし、先輩や上司からも注意を受ける可能性があります。もちろん、保育士の人数が充足している保育園であれば、残業ではなく、例えば、翌日に保育に入らず、残っている仕事を終わらせてもらうということができるはずです。

仕事を変わってもらえれば良いですが、大抵の場合は、他の保育士も同様に仕事が終わっていないことが多いです。そうなると、仕事を終わらせるタイミングがなく労働時間に含まれない時間で対処するしかなくなってしまいます。

結果的に以下のようなサービス残業等をせざるを得ない状況になります。

  • サービス残業になる
  • 持ち帰りの仕事になる
  • 休憩中に仕事をする羽目になる

これらは、すべて給料が発生すべき違法残業ということになります。保育園側は保育士が勝手にやっているという主張になると思いますが、仕事の時間なので、違法残業と言えるでしょう。

保育園が残業したいのにさせてくれない場合の対処法

ここからは 保育園が残業したいのにさせてくれない場合の対処法などを紹介します。特に、仕事が終わっていないのに、残業させてもらえないという場合で、サービス残業等が発生してしまっているという場合の対処法になります。

残業をする

保育園が残業したいのにさせてくれない場合の対処法の一つ目は「残業する」ということです。意味わからないことかもしれませんが、もし、保育園が無理矢理であっても残業ができる状況であるのであれば、無理やり残業時間として、終わっていない仕事を終わらせるということです。例えば、残業は原則禁止でも保育園のタイムカードの仕組みなどによって、残業時間をつけることができる状況であればという話です。

園長等からの反感を買う可能性はありますが、 残業代が支払われる時間にきちんとカウントされるのであれば、保育園は残業代を支払う必要があるので、何かしらの対処をしてくれる可能性があります。 逆に、残業代が支払われないサービス残業として仕事をしてしまうと、保育園は人件費も増えずに知らぬ存ぜぬという立場を突き通せてしまいます。

仕事を取捨選択する

次の保育園が残業したいのにさせてくれない場合の対処法は、「仕事を取捨選択する」というものです。平たく言うと、 自分の担当の仕事を終わらせない ということです。保育園や園児の安全性に関わる仕事でなければ、仕事をする時間が取れないのであれば、仕事をしないまま放置するということです。

前項でも書いたように、仕事が終わらないからといって、残業代が支払われないサービス残業などの方法で対処してしまうと、自分だけが損してしまう形になります。そして、保育園は人件費も増えずに知らぬ存ぜぬという立場を突き通せてしまいます。

そうではなく、保育園にとって必要な仕事が終わっていないという状況であれば、保育園側も業務量の調整などをしてくれる可能性があります。

上司や園長に相談する

最後の保育園が残業したいのにさせてくれない場合の対処法は、「上司や園長に相談する」というものです。正直に、仕事量が多くて終わらないので残業をさせてほしいということをお願いするか、業務量を調整してもらえないか相談してみましょう。

もし、この段階で「他の保育士も持ち帰って仕事をしているからあなたもそうしなさい」というような回答しか得られないのであれば、正直、今後その保育園で長く働くということはおすすめできません。早めに転職活動をして別の保育園で働くというのが、最善になります。

先程から再々書いていますが、仕事が終わらないからといって、残業代が支払われないサービス残業などの方法で対処してしまうということが常態化していると、保育園は人件費も増えないので、状況を改善していくという意識が芽生えにくいです。結果的に、保育士が働きにくいという状況はずっと続いてしまうことになるためです。

残業禁止ではなく、保育士の負担軽減が目的の保育園に就業しよう

これから就業する保育園を探すという保育士の方は、残業禁止を目的としている保育園ではなく、保育士の負担軽減を目的としている保育園に就業するのがおすすめです。

冒頭でも少し書きましたが、残業禁止を謳う保育園のなかには、保育士の仕事の負担の軽減を理由に掲げている場合もあります。ですが、それは順序が逆だと個人的には思っています。保育士の仕事や無駄な部分を効率化して仕事の負担を軽減した結果、保育士が残業をしなくても良くなるという順序が正しいと思います。

ですが、それがなかなか難しくて、とりあえずルールとして残業禁止にしてしまっているという保育園は意外と多いと思います。保育園の業務を効率化するというのは、簡単ではなく、園長等がきちんと目的を持って動かないとなかなか実現することは難しいです。そうなると、ここまで書いたように、サービス残業等の労働時間に含まれない時間に仕事をせざるを得なくなるという状況が生まれやすいです。

そうではなく、保育士の負担を軽減するということが目的にして様々な試みをしている保育園に就業するのがおすすめです。

まとめ:残業させてくれない、残業禁止の保育園。弊害とは?対処法を紹介

今回は、残業させてくれない、残業禁止の保育園の弊害や対処法について紹介しました。残業禁止の保育園というのは、残業をしたくない保育士にとってはとても良い保育園に見えますが、実は思わぬ落とし穴がある場合もあります。

残業ができないことにより、

  • 残業したくてもできないので、担当の仕事が終わらない
  • サービス残業等の労働時間に含まれない時間に仕事をせざるを得なくなる

という状況になります。

もし、残業禁止により、サービス残業などを強いられてしまっている場合は、

  • 残業をする
  • 仕事を取捨選択する
  • 上司や園長に相談する

というのが対処法になります。もし、上司や園長に相談した結果、「他の保育士も持ち帰って仕事をしているからあなたもそうしなさい」というような回答しか得られないのであれば、正直、今後その保育園で長く働くということはおすすめできません。

そして、これから就業する保育園を探すという保育士の方は、残業禁止を目的としている保育園ではなく、保育士の負担軽減を目的としている保育園に就業するのがおすすめと言えるでしょう。