これから退職を考えている保育士の方、退職代行の利用を考えている方。
今回は、保育士が退職代行で辞めるという行為は無責任なのかということについて解説します。
複数回の退職、転職経験があります
その経験が参考になればと思います
退職代行とは?
退職代行は、会社に雇用される会社員の退職という行為を代行するサービスになります。特に、ブラックな会社に雇用されている会社員で、辞めにくい・辞めさせてもらいたいという方が利用する場合が多いです。期間の定めのない正社員やパートの会社員が、法律上は、会社を退職できないということはないので、退職代行サービスを利用することで、確実に退職をすることができます。
保育士の退職における無責任って何?
そもそも保育士の退職における無責任とはどのようなことなのでしょうか。
担任なのに年度途中で退職するのは無責任?
保育士の退職において、無責任だと言われるよくあるケースの一つが担任なのに年度途中で退職するという場合です。担任が年度途中で退職する場合は、担任が入れ替わるということになり、保育園にとっても、園児にとっても混乱が生じます。一時的に業務負荷が増えてしまうということはなかなか避けることが難しいです。
加えて、保育園に退職者が出たということは、新たな保育士を採用しなければいけませんが、年度途中での退職ということは新たな保育士の採用も難しいです。保育士が働きやすい、人間関係が良好なホワイトな保育園で働いている人は、特段の事情がない限り年度途中に退職するということはないためです。
結果的に、保育士が足りない状態のまま運営を続けることになり、さらに混乱や業務負荷の増加が続いてしまうということになります。
こうなってしまうのは、年度途中に退職した保育士が無責任なことなのでしょうか。
次の保育士の採用が決まっていないのに退職するのは無責任?
保育士の退職において、無責任だと言われるもう一つのケースは次の保育士の採用が決まっていないのに退職するという場合です。
これも先程と同じような理由ですが、保育園の運営は基本的に決まった人数の保育士が必要なので、誰かが退職すれば、また新しく保育士を雇う必要があります。そのため、次の保育士の採用が決まっていない状態で退職日になってしまうと、保育士の人数が足らなくなり、足りない人数のままで運営しなければいけなくなってしまいます。一時的に残業時間や休日出勤、本来休めるはずだった有給休暇などの利用を辞めて、他の保育士が対応しなければいけないということも起きてしまいます。
これについても、次の保育士の採用が決まっていないのに退職した保育士が悪く、無責任なのでしょうか。
保育士が退職代行で辞めるのは無責任?
保育士が退職代行を利用して退職するということになった場合に、無責任だと避難する園長や同僚などが出てくる場合があると思います。
まず、大前提として理解しておくべきことは、退職代行はあくまでも、退職という行為を代行しているということなので、退職代行を使ったからといって無責任な行為だ言われる筋合いはないということです。「退職」という行為自体は退職代行を使ったとしても、使わなかったとしても、同じことだからです。
そして、労働組合や有資格者を有する退職代行サービスは、法律なども踏まえた上で、雇用されている会社員が退職するということを代行しているので、なにか違法なことをしているわけではありません。
そういった意味でも、退職代行を利用した ということだけで 無責任だ、裏切りだと避難されるというのはおかしいことだと言えると思います。
退職した保育士のことを無責任というのは全部「自分」だけの視点
適切な手順を踏んで退職した保育士のことを無責任だと避難する人は、全員、自分だけの視点・目線しか持っていません。
保育園の園長からすれば、退職者が出ることで、
- 人手が足らなくなる
- また雇わなければ
という感情になります。
同僚の保育士も、
- なんで担任なのに退職するのか
- 代わりの仕事は誰がやるのか
という感情をいだきます。
そうすると退職した保育士に責任をなすりつけ、
- 退職代行を使うなんて裏切りだ
- 子どものことを考えていない迷惑な人だ
と糾弾することになります。
大抵の場合は、保育園が持ち帰りの仕事やサービス残業をさせていたり、休憩もろくに取らせないというような、労働基準法の違反をしていることは無視されます。
そもそも、保育園がきちんとした労働環境でそれなりの給料を支払っていれば、退職していなかったかもしれないという話からは目を背けてしまっています。
無責任なのは退職者が出た後に対処しない・できない保育園
保育園の園長や同僚から退職代行を利用して退職すると無責任だと言われてしまうケースについて紹介しました。個人的な意見としては、無責任なのは退職者が出た後に対処しない・できない保育園だと思います。
従業員を雇用する会社は、当たり前のことですが、雇用している従業員が退職するということは、想定しておかなればいけません。保育園の場合は、迅速な求人募集の手段を整えておいたり、一時的な派遣保育士などの雇用などの手段も考えておく必要があります。
もし、退職者が出てしまうと困ってしまうというような場合がであれば、保育園の労働環境を整えたり、給与待遇をあげたりして、そもそも退職者が出にくいような環境を作っておくべきです。
そのような対策をしないでおいて、退職者を無責任だと攻めるのはお門違いだと思います。
退職代行を利用したほうが、むしろ安全なケースもある
ここまで、自分だけの視点しか持っていない保育園の園長や同僚から退職代行を利用して退職すると無責任だと言われてしまうということについて説明しました。
ですが、保育園を退職する保育士は、むしろ退職代行を利用したほうが、安全なケースもあります。特に、即日退職をしたい、明日から出勤をしたくないという方は注意が必要です。
先程も書きましたが、退職代行は基本的に、労働組合や有資格者を有する退職代行サービスは、法律なども踏まえた上で、退職の手続きを進めていきます。法律に詳しくない保育士が、自己判断で明日から出勤しません、退職しますとするよりもよっぽど確実で安全といえる場合もあります。
まとめ:保育士が退職代行で辞めるのは無責任?
今回は、保育士が退職代行で辞めるという行為は無責任なのかということについて解説しました。
前提として理解しておくべきことは、退職代行はあくまでも、退職という行為を代行しているということなので、退職代行を使ったからといって無責任な行為だ言われる筋合いはないということです。「退職」という行為自体は退職代行を使ったとしても、使わなかったとしても、同じことだからです。
それでも、保育士が退職代行を利用して退職するということになった場合に、無責任だと避難する園長や同僚などが出てくる場合があると思います。個人的な意見としては、無責任なのは退職者が出た後に対処しない・できない保育園だと思います。
特に、即日退職をしたい、明日から出勤をしたくないという方は、むしろ退職代行を利用したほうが、安全なケースもあります。