保育士の産休育休復帰は大変?いつまで育休取れる?スムーズな復職方法とは?

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産休、育休などを取得している保育士の皆様。復帰・復職について色々悩んでいる方もいらっしゃると思います。

こんな疑問や悩み、不満、経験はありませんか?
  • 保育士の産休育休後の復帰は大変?
  • スムーズに復職する方法が知りたい
  • 保育士の育休はいつまで取れる?

ちゃんと仕事と家庭を両立できるか、久しぶりの保育園の職場でうまくやっていけるのか、迷惑をかけてしまわないのかなどの不安があるかと思います。今回は、保育士の産休育休後の復帰の不安とその対処法、スムーズに復帰するための方法などを紹介します。また、保育士の育児休業はいつまで取れるのか、そして、その他の育休に関するよくある疑問についても紹介します。

この記事の信頼性
私は保育園、幼稚園、認定こども園で勤務した経験があります
産休、育休から保育園に復帰した経験があります
その経験が参考になればと思います

※参照・引用「厚生労働省・育児休業制度」https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000355360.pdf

保育士の産休育休後の復帰・復職に向けての基本情報

まずは、保育士の産休育休後の復帰・復職に向けての基本情報を紹介します。

産前産後休業と育児休業はいつまで?

産前産後休業は労働基準法によって定められていて、事業所に雇用されていて出産をする女性は誰でも取得が可能です。

  • 産前休業
    • 出産予定日の6週間前(多胎妊娠の場合は14週間前)
    • 本人からの請求
    • 起算日は原則として自然分娩の予定日となります。
  • 産後休業
    • 出産の翌日から8週間
    • 取得は強制
    • 産後6週間を経過し、医師の許可がおりた場合には就労可能
    • 現実の出産日から起算します。

育児休業は、子が1歳に達するまでの間に取得することができます。

さらに1歳以降も以下の事由に該当する場合は最大2歳まで育児休業の延長が可能です。

  • 保育所に入所を希望し、申込みをしているが、子が1歳に達する日後の期間について、当面その実施が行われない場合
  • 子の養育を行っている子の親である配偶者で、子が1歳に達する日後の期間について常態として当該子の養育を行う予定であったものが次のいずれかに該当した場合
    • 死亡したとき。
    • 負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により当該申出に係る子を養育することが困難な状態になったとき。
    • 婚姻の解消その他の事情により常態として当該申出に係る子の養育を行っている当該子の親である配偶者が子と同居しないこととなったとき。
    • 6週間(多胎妊娠の場合にあっては14週間)以内に出産する予定であるか又は産後8週間を経過しないとき。

産前産後休業と育児休業の期間は上記のように定められています。

保育士の復帰・復職の時期やタイミングは?

産前産後休業からの復帰復職は産後6週間を経過した後は、医師の許可がおりた場合には就労可能で、それ以外は出産の翌日から8週間後となります。

育児休業は最大で子が1歳(もしくは2歳)に達するまでの間で取得が可能ですが、復帰復職はその期間以内であれば、保育園と調整して任意のタイミングで復帰が可能です。

多くの人は、1歳を迎える前で、保育園に入園するなどの良きタイミングで復帰・復職をしています。

ただし、注意が必要な部分は、育休を取得の申請をする際に、育児休業の期間を決める必要がある場合があるという点です。

勤務している保育園にもよりますが、例えば、「育児休業の期間を長めに設定しておいて早めに復帰する」「育児休業を短めに設定しておいて後から延長する」ということができない場合があります。それについてはこの後の「保育士の育休はいつまで取れる?」で解説します。

保育士の育休はいつまで取れる?

育児休業は、産後57日目から子どもが1歳になる誕生日の前日までが取得することができます。

さらに1歳以降も以下の事由に該当する場合は最大2歳まで育児休業の延長が可能です。

  • 保育所に入所を希望し、申込みをしているが、子が1歳に達する日後の期間について、当面その実施が行われない場合
  • 子の養育を行っている子の親である配偶者で、子が1歳に達する日後の期間について常態として当該子の養育を行う予定であったものが次のいずれかに該当した場合
    • 死亡したとき。
    • 負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により当該申出に係る子を養育することが困難な状態になったとき。
    • 婚姻の解消その他の事情により常態として当該申出に係る子の養育を行っている当該子の親である配偶者が子と同居しないこととなったとき。
    • 6週間(多胎妊娠の場合にあっては14週間)以内に出産する予定であるか又は産後8週間を経過しないとき。

育児休業を取得する条件は?

育児休業は子を養育する労働者が法律に基づいて取得できる休業のことです。そのため、勤めている会社によってできる出来ないということではありません。また、男女の性別は問いません。

条件は、

  • 子が1歳6カ月に達する日までに、労働契約の期間が満了することが明らかでないこと

となります。

また、以下に該当し労使協定がある場合は育児休業を取得することができません。

  • 雇用された期間が1年未満
  • 1年以内に雇用関係が終了する
  • 週の所定労働日数が2日以下

つまり、期限の定めのない無期雇用の正社員や週3日以上働くパート保育士の方は、確実に育児休業を取得することができます。また、労使協定がなければ、週2日以下しか働かいないパートや契約期間が1年以内の保育士も対象となります。

雇われている会社・法人によっては1歳以降も育児休暇が取得できる場合も

勤務している保育園の会社や法人によっては、1歳以降も 育児休暇 を取得できる場合があります。これは、会社が独自に定めている休暇で、育児休業とは違うものです。そのため、会社独自の育児休暇を取得している間は、育児休業給付金を受け取ることはできません。

会社独自の育児休暇制度を利用して休暇を取得する場合の給料や手当などは、それぞれの会社によって規定されています。基本的には、手当てなどは支給されずに、無給での休暇になる会社が多いです。

保育士の自分の子の保活について

お子さんが早生まれ(1〜3月)の場合は、その年の4月に入所したい場合は、基本的に出産前に4月の入園申し込みをする必要があります。

出産後に申し込みをするという場合は、途中入園にするか、翌年の4月のタイミングで入所するということになります。この場合は、待機児童などが発生しているエリアにおいては、途中入園は枠がないことが多いです。また、1歳児クラスは前年度の0歳児クラスからの持ち上がりあるため、枠が少なくなってしまうことがあります。

お子さんが早生まれではない(4月〜12月)の場合は、翌年の4月のタイミングで保育園に入所することになります。ただし、お子さんが10月〜12月生まれという場合は、出産後だと、自治体の申し込み受付のタイミングによっては、4月の入園申し込みが終了している場合もあるので注意しましょう。

また、保育園で働く保育士の場合は、お子さん優先入所ができる自治体もあるので、高い優先順位で入所できる場合があります。

認可保育園の場合は、保育士が自分の子を自分が働く保育園に預けるという場合でも、他の保育園に申し込むのと同様に、自治体に入所申し込みをする必要があります。そして、入所についても、自治体が入所調整を行うので、必ず入所ができるとは限りません。

保育士の産休育休後の復帰は大変?保育士の産休育休後の復帰のよくある不安

保育士という職業に限ったことではありませんが、産休育休からの復帰はなかなか大変なイメージがありますよね。まずは、保育士の産休育休後の復帰のよくある不安を紹介します。

働いている保育園に迷惑をかけないか

保育士の産休育休後の復帰のよくある不安の一つが、働く保育園に迷惑をかけないかということだと思います。産休に入る前と比較した場合に、育児をしながらになるので、必ずしも同様のパフォーマンスを出せるとは限りません。その上、保育園側も自分にどのような期待をしているのかわからないです。そんな状況下なので、働いている保育園に迷惑をかけてしまわないかという不安が生じてしまうのは仕方がないことかもしれません。

昨今は、保育士不足でもあるので、復帰して保育園の働き手になること自体は少なくとも社会のためになると私は思います。

保育士の産休育休後の復帰は大変?保育園での仕事と育児の両立ができるか

その他にも産休育休後の復帰で不安になるのが、保育園での仕事と育児の両立ができるかということだと思います。働いていた保育園によってはサービス残業や休日出勤、持ち帰りの仕事などが発生しているケースもあって、そのような経験をしていると復帰はほとんど不可能なのかと思ってしまいますよね(もちろん、サービス残業や持ち帰りの仕事は違法残業になるのですが。。。)。

実際に両立ができるかは、その人の状況や保育園の仕事内容次第になるので、一概にできるできないと言うことはできません。育児があるからといって、自分だけ負担を減らしてくれというのも、他の同僚の手前なかなか難しいかもしれません。人間関係を良好に保っていくことも長く働くための条件になりますよね。

後述しますが、時短勤務の制度もあったりパートや非常勤への転換も不可能ではないはずなので、自分ができる範囲内で保育園の仕事復帰をしていくのが良いと思います。

保育士の復帰・復職の不安への対処法

保育士の復帰・復職の不安への対処法を説明します。

同僚に連絡を取る

産休や育休中に仲の良い同僚に連絡を取っておくことはとても大切です。自分がいない間の保育園の情報を追って把握することができるためです。保育園の現状を理解することで、復帰・復職の際のイメージが具体的になったり、自分の保育園での役割などを再認識することが出来ます。

先輩などに相談する

産休育休からの復帰の経験がある先輩などが身近にいるという場合は、自分が不安に思っていることを相談して見ると良いです。同じような経験をしているので、より具体的なアドバイスを得ることが出来ます。

園長に相談する

もし、復帰・復職に際して具体的な相談事項がある場合は、遠慮せずに保育園の責任者である園長に相談してみましょう。園長は可能な選択肢などを提案してくれます。

働き方の変更を検討する

どうしても正職員保育士としての仕事が難しいようであれば、雇用形態を変更するというのも選択肢の一つになります。時短勤務、パートや非常勤が選択肢に入ります。

時短勤務制度を利用する

時短勤務制度の正式名称は「短時間勤務制度」で「改正育児・介護休業法」によって定められています。「3歳に満たない子を育てていること」などが条件で、保育園によって異なりますが、概ね一日6時間の勤務で働くことが可能になります。もちろん、その分支払われる給与は少なくなるのが一般的です。短時間勤務制度を利用すれば、一日の労働時間を短くすることができるので、育児との両立をより可能にすることができます。

パートや非常勤への転換も視野に入れる

もう一つの働き方の変更の選択肢の一つは、パートや非常勤、派遣への転換も視野に入れるということです。勤めている保育園の状況にもよりますが、パートなどに雇用形態を変更しての就業ができる場合もあります。

まずは勤務時間が短く負担の少ないパートなどで復帰して徐々に感覚を取り戻していくというのも良いでしょう。育児が落ち着いてきたら正社員に復帰するということも可能です。様々な働き方が可能なのが保育士として働くメリットでもあるので、ご自身の状況を考慮して最適な働き方での就業を目指してみましょう。

産休育休からのスムーズな復帰・復職の流れと方法

ここからは産休育休からのスムーズな復帰・復職の流れと方法について紹介します。

子どもを預ける保育園を探す

まずは、自分が働くためにお子さんを預ける保育園を決めなければいけません。認可保育園へ子ども入園される窓口は基本的に市区町村になっているはずなので、市役所等で入所の手順を確認してみましょう。

保育士は保育園への優先入所制度もあり

住んでいる自治体によっては、保育士のお子さんをより優先的に保育園に入園できる制度がある場合もあります。保育園に子ども預けることを検討する際は、確認してみましょう。

子どもが病気の際に預けられる所を確保する

保育士が復帰する際に限った話ではありませんが、困るのはお子さんが急に病気になった際です。病児・病後児保育を行っている保育園や病院、ベビーシッターがあるので、いざという時のために、事前にどのような施設が利用可能かを確認しておきましょう。

復帰・復職の旨を勤めている保育園に伝える

保育園の入所が決まり、復帰のおおよその時期が決まったら、保育園に復帰をする旨を伝えましょう。具体的な日付の決定や必要な書類・申請などは保育園に確認を取りながら進めていきましょう。

パートナーとの家事育児の分担をしておく

産休や育休からのスムーズな復帰には、パートナーとの家事や育児の適切な分担が必須です。それぞれ出勤時間や労働時間が異なると思うので、適材適所で必要な作業を分担しておきましょう。

保育士の育児休業のその他のよくある疑問を紹介

ここからは、保育士の育児休業のその他のよくある疑問を紹介します。

育児休業期間中の給与はどうなる?

育児休業期間中は、育児休業給付金を受け取ることができます。育児休業期間中の賃金については、法令上は賃金の支払いを事業主に義務付けていません。その代わりに雇用保険が育児休業給付金を給付します。

支給される金額は支給対象期間(1か月)当たり、原則として休業開始時賃金日額×支給日数の67%、育児休業の開始から180日経過後は50% 相当額になります。休業期間中はおおよそ6割から5割程度が給付金として支給されるということになります。

育休期間中の社会保険料や税金はどうなる?

ちなみに、育児休業期間中は社会保険料(健康保険・厚生年金保険)の支払いは免除されます。

事業主の方が年金事務所又は健康保険組合に申出をすることによって、育児休業等(育児休業又は育児休業の制度に準ずる措置による休業)をしている間の社会保険料が、被保険者本人負担分及び事業主負担分ともに免除される制度です

※引用「厚生労働省 育児休業等期間中の社会保険料」https://www.mhlw.go.jp/general/seido/koyou/ryouritu/pamph/dl/06_0004.pdf

住民税に関しては、前年分を翌年度に支払う形なので、育休期間中も前年度分の住民税の支払いが必要になります。就業中とは異なり、自宅に直接請求書が届くので、それによって支払う形になります。

所得税に関しては、育児休業給付金は所得ではないので、育休期間中に請求されるということはありません。

育休期間中の保育士宿舎借り上げ制度はどうなる?

保育園で就業中に、保育士宿舎借り上げ制度を利用して賃貸に住んでいるという方もいらっしゃると思います。

市区町村や働いている保育園によって多少のルールの違いはありますが、保育士宿舎借り上げ制度をした保育士が出産や育休に入る場合は、基本的に継続してそのまま法人が借り上げている賃貸に住むことができます。

ただし、市区町村や保育園によってもルールが異なる場合があるので、詳細は確認が必要です。

勤めている保育園に早めに復帰してほしいと言われた

勤めている保育園から、早めに育児休業から復帰して働き始めてほしいと言われたという方もいらっしゃると思います。

結論としては、育児休業は、保育園側が期間を早める変更をすることはできません。そして、勤めている保育園の指示で取得するものではないので、従う義務はありません。

先程も書いた通り、少なくとも子どもが1歳になるまでは、育児休業を取得することが可能です。その後は、保育園が決まらず待機児童となった等の場合に、さらに延長することができるという形になります。そもそも、自分の子を保育園に入れることができなければ復帰はできないので、年度途中での復帰は現実的ではないです。

育児休業はあくまでも労働者の権利になるので、自分自身の希望や意志で復帰のタイミングを決めることができます。

途中で復帰を早める、遅らせることはできる?

育児休業の復帰を早めることを「繰上げ」、遅らせることを「繰下げ」と言います。

まず、復帰を早める(繰上げ)は、基本的にはできません。保育園は育休取得者が出るにあたって、代替の人員を雇用しています。そのため、早めに復帰してしまうと、余分な人員が出てしまい、その分の給与も支払う必要が出てしまいます。そのため、基本的にはできないようになっています。

ただし、勤務している保育園の法人や会社に、育児休業の繰上げの規定があったり、保育園の状況などによっては繰上げて復帰することができる場合もあります。いずれにしても、繰上げでの復帰を希望する場合は、勤務している保育園に相談が必要です。

一方、育児休業の復帰を遅らせる「繰下げ」は1ヶ月前に申し出ることで、1回まで遅らせることができます。それとは別に、先ほども書いた、保育園が決まらず待機児童となった等の場合に、さらに延長することが可能です。

出産を機に保育園を退職するのはもったいない?

出産を機に保育園を退職しようかな悩んでいる方もいらっしゃると思います。以下の記事ではそのような方向けに、判断材料にするために知っておくべきことについて紹介しています。

まとめ:保育士の産休育休後の復帰は大変?スムーズに復職する方法とは?

今回は、保育士の産休育休後の復帰の不安とその対処法、スムーズに復帰するための方法などを紹介しました。

育児休業は、産後57日目から子どもが1歳になる誕生日の前日までが取得することができます。また、待機児童となった場合は、最大で2年まで延長することができます。

  • 育児休業期間中の給与はどうなる?
  • 育休期間中の社会保険料や税金はどうなる?
  • 育休期間中の保育士宿舎借り上げ制度はどうなる?
  • 勤めている保育園に早めに復帰してほしいと言われた
  • 途中で復帰を早める、遅らせることはできる?

という、よくある保育士の育休期間中の疑問にも回答しました。これから産休・育休を迎えるという保育士の方に参考になれば幸いです。

保育士の産休育休後の復帰・復職は、保育園側の理解もとても大切です。勤めている保育園にしっかりと自分の状況を理解してもらう努力もとても大切です。多様な働き方ができることが保育士のメリットでもあります。無理せず自分や家庭にあった働き方で復帰を考えてみてはどうでしょうか。