これから就職や転職を考えている保育士の皆様。保育園の保育士求人のなかには、経験者優遇や経験者限定と書かれた求人があると思います。
そんな求人を見ている時に気になるのが、自分の経験だと経験者に該当するのか、優遇とは実際にどのように優遇されるのかということになると思います。短期間の保育士経験、パート保育士の経験、幼稚園での経験、ブランクがあるけど経験がある、というようなそれぞれの経験があると思います。
今回は、保育士の経験者優遇、限定の求人に応募できる基準についてを解説します。
複数回の転職経験があります
経験者優遇、限定の求人に応募した経験があります
その経験が参考になればと思います
なぜ経験者限定・優遇の保育士求人がある?
まずはじめに、なぜ保育園の保育士に求人に経験者限定・優遇の保育士求人があるのかということを知っておく必要があります。
経験者限定・優遇の保育士求人があるのは、その保育園において、なるべく経験のある保育士の募集をしたいためです。経験者限定・経験者優遇という情報を載せておくと、相対的に未経験者や新卒の方の応募の割合を少なくすることができます。自分は採用されないかもとためらう人が出てくるためです。
それぞれの保育園の状況などによって、経験年数が若い保育士ばかりになってしまうと、保育園の運営が上手くいかなくなってしまうためです。若手保育士ばかりの園だと、経験や知識が不足してしまうためです。また、一部の自治体では、「チーム保育」というように、ベテランと若手のチーム体制が整っている保育園に対して補助金の上乗せなどをしている場合もあったり、保育士等キャリアアップ研修のような保育士の処遇改善の上乗せなどもあります。そのような補助金の面でも不利になってしまうこともあります。
そうならないために、あえて「経験者限定」「経験者優遇」として求人を出すことでなるべく経験豊富な方から応募が集まるようにしているという背景があります。
採用不採用は基本的に保育園次第
ごく当たり前のことですが、「経験者限定」「経験者優遇」の保育士求人であっても、結局、採用不採用は基本的に保育園次第になります。経験〇〇年以上じゃないと書類の段階で不採用とするという保育園もあれば、とりあえず全員面接してから決めるという保育園もあります。
経験者限定、優遇といっても、 単に一番経験年数が長い経験豊富な人を自動的に採用するというわけではありません。 性格面や人柄、単なる年数だけではないスキルなども踏まえて採用可否が決定されます。
つまり、自分の経験が少ないからといってかならずしも合格の可能性が低いというわけではありません。特に保育園の募集は、必要な人数を必要なタイミングで採用を決めないといけないため、特定の期間内に保育士からの応募が少なければ、保育園側からとしては渋々になるかもしれませんが、経験が少なくても採用する可能性もあるということになります。
言い換えると、「経験者限定」「経験者優遇」の保育士求人は、なるべく「経験者限定」「経験者優遇」を採用したいという意思の現れになります。
【応募できる基準】経験者限定の求人は何年くらい勤務していれば良い?
まずは、その保育園の募集情報に正確な経験年数の数字の記載がある場合はその年数を満たしていることが応募条件になります。ギリギリ満たしていない場合などの微妙な場合は、保育園に確認してみるとチャンスがあると思います。
ただ、その保育園の募集情報に正確な経験年数の数字の記載がない場合は、どれくらいの経験があれば応募してよいかわからないですよね。
個人的な感覚も混ぜての答えになりますが、 最低でも保育園で保育士として1年以上の勤務経験 があれば、経験者と自負して経験者限定の保育士求人に応募しても良いでしょう。
実のところ、一日でも保育園で保育士として働いた経験があれば、経験者は経験者です。ただ、保育士の転職の求人ということを考えると、少なくとも1年の経験がことが望ましいと考える保育園が多いです。
保育園は、4月の新学期から1年を通して様々な保育内容や行事を行っています。つまり、一年間を通して働くことで、一通りの内容を経験できるということになります。違う保育園であっても、活かせる経験が多いということになります。
逆に、保育士の経験が半年程度の経験しかないという場合は、もちろん事情にもよりますが、却ってマイナスになってしまうことが多いです。あまりに短い期間しか経験がないという場合は、保育園側もまた定着して働いてくれるかどうか不安になってしまいます。経験年数が短すぎるという場合は、そのような保育園側の不安が払拭できる自己アピールや志望動機があると良いでしょう。
認可外保育施設の保育士経験でも大丈夫?
認可外保育施設での保育士としての勤務経験に関しては、転職時にほとんどの保育園でも保育士の経験として加味してくれる場合が多いです。ただし、一部の保育園では、保育士としての経験年数に認可保育園以外の施設での勤務経験が含まれずに、スタート時の給与額が低くなってしまうもありので、その点は注意して求人を比較検討してみましょう。
幼稚園の経験でも大丈夫?
保育士の資格を持っている場合は、ほとんどの保育園で幼稚園での勤務経験をほとんど保育士としての経験として加味してくれます。昨今は、特に保育園と幼稚園での仕事内容に在園児の年齢をのぞいて、違いが少なくなってきています。また、認定こども園などの中間の施設も出来ているためです。そのため、幼稚園の経験しかない方でも、経験者限定の保育士求人に十分応募できるポテンシャルはあるといえるでしょう。
もちろん、同じような経験年数で同じような仕事を経験しているという場合は、保育士経験者と比較して有利になるということはないかもしれません。幼稚園の経験があって、保育士の資格がない場合は、先に保育士の資格を取得する必要があります。幼稚園教諭として3年以上の経験があれば、特例制度を利用しての保育士資格の取得が可能です。
ただ一部の保育園では、保育士としての経験年数に幼稚園教諭としての勤務経験が含まれずに、スタート時の給与額が低くなってしまう場合もあるので、その点は注意して求人を比較検討してみましょう。
パート保育士としての経験でも良い?
経験者優遇や経験者限定の保育士の求人を目にした時に、もう一点気になることはパート保育士としての経験はどのように捉えられるかという点だと思います。
保育士のパートとひとくくりにいっても、週1勤務の場合はと週5日の勤務の場合は、経験内容には差があると言えます。こちらも経験の捉え方は、それぞれの保育園次第になります。そのため、求人情報に厳密に「正規保育士として勤務年数○数」というように書かれていない場合は、応募の段階では自己判断で経験年数などを見積もって応募をして問題ないでしょう。
ただ、パート保育士の経験しかない場合で、正規の保育士の求人に応募したいという場合は、保育園側としては正規職員としてフルタイムの勤務に耐えられるかどうかは気になる部分になると思うので、その点を面接などで払拭できると良いでしょう。
ブランクがある場合は?
保育士の経験からブランクがあるという方も、経験者限定や優遇の保育士求人に応募指定もよいか気になる部分だと思います。結論としては、ブランクがある場合でも求人の経験年数の条件を満たしているのであれば、応募して問題ないでしょう。
ただ、あまりに昔の経験でほとんど保育の仕事のことを覚えていない、不安な点が多いという方は、なるべくブランクOKの保育士求人に応募したほうが採用の可能性も高いですし、働きだしてからも安心できると思います。
「経験者優遇」どれくらい優遇される?
経験者優遇と言っても、基本的に、その保育園で定められている給与表の通りの給与額を上回ることはないことが多いです。それをしてしまうと、今働いている保育士の給与を上回ってしまい、不満にもつながるためです。
そのため、基本的には、今働いている保育園の給料などに関係なく、その保育園での基準が適用された給料になることが多いです。そのなかで、先程から書いているように、認可外保育施設の経験、幼稚園の経験、パート保育士などの経験がそれぞれどのように判断されるかということが保育園によって変わってくるということになります。
「経験者優遇」の未経験者は応募できない?
経験者限定の保育士求人の場合は、基本的には未経験者は応募できないということになります。一方で、経験者優遇の保育士求人の場合は、未経験者でも応募が可能です。当然、採用するかしないかは、前述した通り保育園次第になります。
まとめ:気になるならとりあえず応募してみれば良い
今回は、保育士の経験者優遇、限定の求人に応募できる基準などについてを解説しました。
「経験者限定」「経験者優遇」の保育士求人は、なるべく「経験者限定」「経験者優遇」を採用したいという意思の現れになります。だからといって、絶対に○年以上の経験者しか採用しないというわけではいです。
保育園は、保育園の募集は、必要な人数を必要なタイミングで採用を決めないといけないため、特定の期間内に保育士からの応募が少なければ、経験が少なくても採用する可能性もあるということになります。
気になる求人があって経験者優遇や経験者限定と書かれているけど自分は条件を満たしているかなぁと悩むようであれば、とりあえず応募してみましょう。応募後に面接に進めるかどうか、そして採用されるかどうかは保育園次第になるので、ダメ元でも応募してみるほうがあとあと後悔しなくて済みます。