これから働く保育園を選ぶという保育士の方。
自分が働く保育園選びにおいては何を重要視していますか?
- 給料待遇
- 人間関係
- 保育園の規模
- 保育理念
など、働く保育士が重視する項目はたくさんあると思いますが、今回は、保育士が働く保育園選びは立地(場所)も重要だということを紹介します。
もしこれから引っ越しを伴って保育園に就職・転職を考えている場合は、引越し先の市区町村選びはとても大切です。なぜなら保育園の制度などは市区町村によってまったく異なるためです。つまり、保育士の給料や利用できる制度、働きやすさなども大きく異なってきます。今回は、保育士の就職転職は立地選びやすすめの市区町村等を紹介します。
複数回の転職経験があります
その経験が参考になればと思います
保育士が働く保育園選びは立地(場所)が重要
保育士が働く保育園を選ぶ際には、
- 給料待遇
- 人間関係
- 保育園の規模
- 保育理念
などを重視するという方は多いと思います。
ですが、実は、保育士が働く保育園選びにおいては立地(場所)もとても重要です。
保育園の立地(場所)というのは、自分自身が通勤しやすいかどうかということだけの問題ではありません。
保育士が働く保育園選びは立地(場所)が重要な理由
ここからは保育士が働く保育園選びは立地(場所)が重要な理由について紹介します。
- 立地が保育園の将来性に関わるため
- 保育士の採用においても有利であるため
- 自分自身の通勤に関わるため
これらについて紹介します。
立地が保育園の将来性に関わるため
保育園の立地(場所)が良いということは、利用する保護者の選択肢に入りやすいというメリットがあります。保育園に子どもを預ける保護者の方は、基本的に仕事をしている間に子どもを保育園に預けることになります。
世の中の人が会社への通勤のために、駅チカの賃貸物件を好む傾向があるように、保育園に関しても、少なからず利用がしやすい場所から選ぶことになります。一般的な会社員の方であれば、自宅から最寄り駅まで行き、そこから会社がある最寄り駅まで電車で通勤し、会社まで歩くという流れが多いはずです。つまり、保育園を利用する保護者の方は、自宅から最寄り駅までの経路上にある保育園はとても利用しやすくなります。通勤時間を無駄に増やすことなく、子どもを保育園に預けることができるためです。
つまり、保育園の立地(場所)が良いということは、保育園として園児定員を満たしやすいという特徴があります。園児の定員を満たしやすいということは、保育園の将来性にとっても重要です。
なぜ保育園の将来性が重要?
昨今は、共働きの増加などを背景に、保育園の利用者は増加傾向にありましたが、少子化自体は進んでいるので、将来的には、利用者は減少していく見込みです。そうなってしまった場合に、保育園の運営資金も不足してしまい、それが保育士への待遇に影響を与えてしまうことになります。備品の購入がケチ臭くなったり、給料や賞与がカットされてしまったりなどです。最悪の場合は、保育園が閉鎖してしまって、雇用の継続ができなくなってしまう場合もあります。
保育士の採用においても有利であるため
保育園の立地(場所)が良いということは、保育士の採用においても有利な面があります。昨今は保育士不足で、保育園が新たな保育士を雇用するのもなかなか難しい状況が続いています。
保育士が求人を選ぶ際に、まず、最初の判断材料は、通勤ができるかどうかということだと思います。通勤ができない範囲の保育園は基本的に選択肢に入りません。
これからその保育園で長く働いて行く上で、働いている保育士が退職してしまうこともあると思います。その際に、保育園は新たな保育士を採用しなければいけないですが、もし、採用ができない場合は、少ない保育士の人数で仕事をしなければいけなくなったりします。また、立地が悪いと、他の保育園で不採用になった保育士が、仕方無しに応募してくるということもあります。
そういった意味では、自分自身の通勤のしやすさだけではなく、今後働く保育士の通勤のしやすさも重要です。
自分自身の通勤に関わるため
また、保育園の立地が良いということは、自分自身の通勤にとっても良いメリットがあります。当然ですが、通勤はほぼ毎日行うので、負担が少ないことに越したことはありません。現時点では、自宅から近い保育園のほうが通勤がしやすい場合もあると思いますが、今後引っ越す可能性もあります。そうなった時に、やはり駅から近いということは、引越し後もそのまま勤務を続けられるというメリットがあります。
保育士が働く保育園はどんな立地(場所)が良い
ここからは具体的にはどのような立地がよいのかという点を説明します。
駅から近い
保育士が働く保育園の立地で、まず一番重要な要素は「駅から近い」というものです。基本的には、先程も書いたように、駅から近いというのは、利用する保護者の選択肢に入りやすいというメリットがあります。さらに駅からはバスなどの公共交通機関が張り巡らされていることが多いので、自分自信の通勤においても有利です。
後述しますが、基本的には、大きな駅や子育て世代が増えている都市の駅がおすすめです。
大都市(比較的に都会)である
また、保育園の立地は大都市(比較的に都会)であることも重要です。正確には、人口が増えている、もしくは、人口減少が比較的穏やかな都市がおすすめです。具体的には子育て世代の流入が多い市区町村などです。そして、やはり大都市圏は、保育需要も高く、結果的に保育園の将来性も安定する傾向があります。
駐車場がある
駅はない、駅はあってもあまり栄えていないという地域が周辺に多いという方もいらっしゃると思います。そういう場合は、きちんとした「駐車場がある」保育園もおすすめです。保育士が車通勤できるということは、もちろん、保護者の方も子どもを預ける際に、車で保育園に登園できるというメリットがあります。そういった点で、保護者の方の選択肢や保育士の就業の選択肢に含まれやすいという利点があります。
保育士の就職転職は市区町村選びが重要!
保育士の就職転職においては市区町村選びが重要です。それは、保育園の制度は市区町村によって全く異なるためです。
保育園の制度は市区町村によってぜんぜん違う!
保育の実施主体は基本的に市区町村などの自治体で、国は統一した指針などを出していますが、その指針をもとに各市区町村や都道府県が認可保育園の制度などを独自に定めています。
そのため、日本全国同じように見える認可保育園の制度も、実は自治体ごとに微妙に異なっています。それは当然、保育士の給料に関わる補助金などにも影響があります。もちろん、保育士の働きやすさや待遇面にも影響しています。
保育士に関わる保育園の市区町村による違いとは?
保育士に関わる保育園の市区町村による違いについて説明します。
給料が違う
まずは、保育士に支払われている給料の違いになります。以下は都道府県ごとのデータですが、同じ保育士という職業でもこれだけ給料に差があります。
保育士(男女計) | 平均月給 | 平均年間賞与等 | 平均年収 |
---|---|---|---|
北海道 | 25.29 | 57.32万円 | 360.80万円 |
青森県 | 21.77万円 | 56.49万円 | 317.73万円 |
岩手県 | 25.13万円 | 60.36万円 | 361.92万円 |
宮城県 | 27.94万円 | 56.61万円 | 391.89万円 |
秋田県 | 21.89万円 | 71.31万円 | 333.99万円 |
山形県 | 23.49万円 | 28.44万円 | 310.32万円 |
福島県 | 25.59万円 | 59.42万円 | 366.50万円 |
茨城県 | 25.50万円 | 66.37万円 | 372.37万円 |
栃木県 | 24.51万円 | 73.45万円 | 367.57万円 |
群馬県 | 25.67万円 | 107.01万円 | 415.05万円 |
埼玉県 | 26.77万円 | 56.66万円 | 377.90万円 |
千葉県 | 28.19万円 | 49.95万円 | 388.23万円 |
東京都 | 31.58万円 | 74.51万円 | 453.47万円 |
神奈川県 | 29.12万円 | 67.27万円 | 416.71万円 |
新潟県 | 22.20万円 | 77.91万円 | 344.31万円 |
富山県 | 23.75万円 | 85.52万円 | 370.52万円 |
石川県 | 24.63万円 | 51.11万円 | 346.67万円 |
福井県 | 24.37万円 | 88.45万円 | 380.89万円 |
山梨県 | 24.74万円 | 42.63万円 | 339.51万円 |
長野県 | 26.87万円 | 67.62万円 | 390.06万円 |
岐阜県 | 22.82万円 | 50.77万円 | 324.61万円 |
静岡県 | 25.58万円 | 90.38万円 | 397.34万円 |
愛知県 | 26.98万円 | 71.36万円 | 395.12万円 |
三重県 | 22.98万円 | 64.06万円 | 339.82万円 |
滋賀県 | 25.23万円 | 66.31万円 | 369.07万円 |
京都府 | 30.27万円 | 89.60万円 | 452.84万円 |
大阪府 | 29.15万円 | 78.18万円 | 427.98万円 |
兵庫県 | 27.30万円 | 83.02万円 | 410.62万円 |
奈良県 | 26.33万円 | 67.63万円 | 383.59万円 |
和歌山県 | 29.83万円 | 91.93万円 | 449.89万円 |
鳥取県 | 24.60万円 | 62.94万円 | 358.14万円 |
島根県 | 22.87万円 | 78.28万円 | 352.72万円 |
岡山県 | 23.60万円 | 67.69万円 | 350.89万円 |
広島県 | 29.15万円 | 102.99万円 | 452.79万円 |
山口県 | 25.13万円 | 93.50万円 | 395.06万円 |
徳島県 | 23.50万円 | 75.37万円 | 357.37万円 |
香川県 | 24.42万円 | 65.85万円 | 358.89万円 |
愛媛県 | 24.33万円 | 81.94万円 | 373.9万円 |
高知県 | 25.06万円 | 69.91万円 | 370.63万円 |
福岡県 | 25.67万円 | 83.32万円 | 391.36万円 |
佐賀県 | 25.23万円 | 77.24万円 | 380.00万円 |
長崎県 | 24.76万円 | 73.65万円 | 370.77万円 |
熊本県 | 25.03万円 | 79.49万円 | 379.85万円 |
大分県 | 23.62万円 | 57.85万円 | 341.29万円 |
宮崎県 | 25.16万円 | 84.52万円 | 386.44万円 |
鹿児島県 | 22.37万円 | 58.37万円 | 326.81万円 |
沖縄県 | 24.48万円 | 46.56万円 | 340.32万円 |
※出典:「厚生労働省-令和5年賃金構造基本統計調査」https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2023/index.html
市区町村によって給料に大きな違いが生まれるのは、自治体の独自の処遇改善の有無の影響があります。
特に財政に余裕があり、保育士が不足している市区町村では、国の処遇改善とは別に保育士に対して処遇改善を行っています。 例として、
- 東京都
- 横浜市
- 川崎市
などの自治体です。詳細については以下の記事も参考にしてみてください。
保育士宿舎借り上げ制度の利用可否
保育士宿舎借り上げ制度は、保育士が住む賃貸を保育園が借り上げる制度になります。国と自治体と保育園がそれぞれ費用を負担してくれるので、自己負担はかなり少なく済みます。
この保育士宿舎借り上げ制度も、処遇改善と同様に特に財政に余裕があり、保育士が不足している市区町村で行われています。首都圏の市区町村では実施されていることが多いです。
転職した後に、隣の市区町村なら利用できたのに!ということもあったり、金額なども自治体によって差があるので、引っ越しを伴う就職転職の場合はよく確認しましょう。
ちなみに、利用には、制度が導入されている市区町村の制度が利用できる保育園に就職し条件を満たす必要があります。詳細は以下の記事も参考にしてみてください。
https://hoiku-shi.work/apartment-house/[]
保育士の人数割合・配置基準が違う
保育士の子どもに対する必要人数は、国が統一した指針を出しています。よく対人数と言われますが、子どもの年齢と人数に対して、何人の保育士が必要化という数値です。市区町村によってはこれを上回る厳しい基準を設定していることがあります。
- 京都市
- 横浜市
などがその例です。
国の基準より厳しいということは、それだけ保育園に保育士の人数が多くなるということです。つまり、保育士一人あたりの負担が少ない可能性があります。これは、働く保育士にとっては大きな違いになるので、注意して調べてみましょう。
保育士に対する転入支援
処遇改善とは別に、自治体ごとに保育士に対して転入支援をしている場合があります。転入支援とは、他の市区町村から引っ越しをして保育士として働き始める人に対する支援になります。
例えば、引っ越し代にかかる費用として数万円を交付してくれるというような制度になります。保育園に就職することが条件になっています。このような制度があると引越し費用の負担を軽減することができます。
転入支援を実施している市区町村などは以下の記事でも紹介しているので参考にしてみてください。
転入支援などは自治体が行っていることが多いので、詳細は市区町村に確認する必要があります。
保育士に対する奨学金返済支援
自治体のなかには、保育士として働く人に対して奨学金の返済支援を実施している市区町村があります。奨学金は、大学や専門学校に通っていた際に借りていた資金になります。
保育士が奨学金を返済しながら保育園に勤務している場合などを対象にその金額の一部を負担してくれるという制度です。詳細は以下の記事で紹介しているので参考にしてみてください。
保育士の求人倍率も違う
保育士の求人倍率も地域によって大きく異なります。求人倍率が違うということは、保育士一人あたりの求人を出している保育園の数が違うということです。
つまり、保育士が自分が就職するかどうか選ぶことができる保育園の数が違うということです。基本的に、就職や転職をする際はたくさんの選択肢から一番良いものを選んだ方が自分の希望するより良い保育園に就職することができます。選択肢が多いということは、きちんと見極めれば、それだけブラックな保育園を避けて選ぶことができます。
保育士の就職転職先の市区町村の選び方!
ここからは、保育士の就職転職先の市区町村のおすすめの選び方について紹介します。
大まかに市区町村を決める
まだ居住するエリアが決まっていなければ、まずは、おおまかに就職転職を希望する市区町村を決定しましよう。
- 23区内
- 横浜市
- 川崎市
などの単位で良いのでおおまかに就業をしたいと思うエリアを決めましょう。その際に、前述した保育園の市区町村ごとの違いなども頭に入れておくと良いです。
もちろん選択肢は広げても良いです。その分、保育園の求人が増えて迷ってしまいますが、保育園の選択肢が多いということは悪いことでは有りません。最終的に一番良いと思う保育園を選べば良いです。
保育園の求人を探す
おおまかにエリアが決まったら就職転職の候補となる保育園の求人を探してみましょう。
おすすめは保育士転職サイトを利用することです。引っ越しを伴う転職の場合は、保育園に確認したいことがたくさんありますよね。しかも、遠方の場合は頻繁に見学や面接に行くというのも難しいです。
保育士転職サイトを利用すると、転職サイトの担当者が保育園に様々な疑問点を聞いてくれます。先に上げた制度の利用可否なども事前に確認した上で面接のスケジュールを組んでくれます。遠方の場合は、複数の保育園の見学や面接の日程を同じ日に調整もしてくれます。
- マイナビ保育士|全国の正社員・パート保育士の求人に対応しています。登録するとネット上での検索などでは見つからない非公開の人気のある高待遇の求人情報も得られます。 まずは求人情報を知りたいだけという方でもOKです!
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※ 紹介できる求人などに差があるため転職サイトは複数社に同時登録して併用がおすすめです。就職転職活動が不安な方はまずは簡単な相談目的での登録でも大丈夫です。
※ 保育士の転職サイトは新卒の方や未経験の保育士の方、資格取得見込みの方でも利用可能です。
就職転職先の保育園を決める
候補となる保育園が決まったら見学と面接を行い内定ををもらいましょう。無事内定をもらうことができたら、入職日の調整を行いましょう。
引越し先の物件を探す
引越し先の物件選びは、就職転職先の保育園が決まってからにしましょう。先に物件を決めてしまうと、転職先の選択肢が大幅に減ってしまうためです。また、保育士宿舎借り上げ制度などを利用したい場合は、就職先の保育園の名義で賃貸を契約することになります。自分で契約した賃貸の場合は、適用できなかったり別途名義変更が必要になることがあるので、注意しましょう。
保育士が働くのにおすすめの市区町村は?
最後に、結局保育士が働くのにおすすめの市区町村はなんなのかということを説明します。
結論としては、
- 東京都
- 横浜市
- 川崎市
- 千葉市
- さいたま市
などの首都圏の大都市がおすすめです。やはり保育士の需要が高いエリアなので、保育士の待遇も平均して高いです。当然ですが、子育て世代の人口が多く、保育園もたくさんあるので、ブラックをブラック保育園しか選択肢がない!なんてことも少ないでしょう。
あとはそれぞれの保育園の求人を比較して自分によってより良い条件の保育園に絞っていくのが良いと思います。保育園の数も多いので、多くの保育園を比較検討することができます。
まとめ:保育士が働く保育園選びは立地(場所)も重要!
今回は、保育士が働く保育園選びは立地(場所)も重要ということを説明しました。実は、保育士が働く保育園選びにおいては立地(場所)もとても重要です。
働く保育士の保育園選びにいては以下の理由で保育園の立地(場所)も重要ということを説明しました。
- 立地が保育園の将来性に関わるため
- 保育士の採用においても有利であるため
- 自分自身の通勤に関わるため
立地が良いと保育園は定員を満たしやすくなります。そのことは、保育園の将来性に関わります。保育園が定員割れを起こしてしまうと保育士の待遇や働き方にも悪影響が起きるでしょう。
また、保育園の立地が良いと保育士の採用もしやすい傾向があります。働く保育士にとっても通勤は重要であるためです。保育園で働いていると同僚の保育士が退職してしまうということはよくありますが、その際に、保育士の採用が滞ってしまうと、少ない人数で仕事をしなければいけなくなってしまうリスクもあります。また、新たに採用される同僚の質の面でも、デメリットがあるでしょう。
立地(場所)が良いという保育園は具体的には、
- 駅が近い
- 大都市(比較的に都会)である
- 駐車場がある
というような条件を満たしていると良いです。
もしこれから引っ越しを伴って保育園に就職・転職を考えている場合は、地域に縛りがないのであれば、保育士が働きやすく待遇もよりよい市区町村を選ぶべきです。
保育士が就業する際に関係ある市区町村ごとの違いは以下のような内容です。
- 給料が違う
- 保育士宿舎借り上げ制度の利用可否
- 保育士の人数割合・配置基準が違う
- 保育士に対する転入支援
- 保育士に対する奨学金返済支援
- 保育士の求人倍率も違う
市区町村選びは、暮らし安さはもちろん、保育士の就業環境に大きな影響がある部分なので、妥協せずに選びましょう!
働く保育士が重視する項目はたくさんありますが、これから保育園を探すという方はあらためて立地(場所)についても考慮してみましょう。