保育士の方で、転職回数が多く職歴が多くなってしまっているという方。
というような疑問を持つ方もいらっしゃると思います。
0歳で見ていた子が5歳で卒園するまで送り出したいと言うのが保育士の方も多いと思います。
事実として、他の業種や職種と比較すると保育士の転職する頻度は多い方だと思います。もちろん、保育士が転職を繰り返すのは、はっきりいってまともな待遇や働き方ができる保育園が少ないからという理由もありますよね。
ネット上の記事で「短期間でやめてしまう無責任な保育士が多い」と保育士不足に悩む保育園の園長が言っているものがありましたが、決して保育士が無責任ということが理由ではないことも多いと思います。
保育士の転職回数が多くなってしまうのは保育園・保育業界全体の問題とも言えると思います。そして保育士も最低限の法律も守れないようなブラック保育園からはどんどん転職したほうが良いと私は思っています。
でも、保育士は転職回数が多いと面接で落とされてしまうのでは?という不安がある方もいると思います。
私はやっぱり転職を繰り返すと信頼に響くんじゃないかと思うのですが違うのでしょうか?
— こころのはな (@KoKoRo_creator) 2019年6月2日
もちろんその考えもあると思います!ただ、我慢して長く働くことが偉いこと、周りから評価されることだと勘違いして自分を追い込み体を壊す人も少なくないので、自分の人生に何が必要かをよく考て、少しでも理想に近づくために転職を繰り返してもいいと思っています。
— 保育士さえこ@ブラック脱出済 (@hoikushisaeko) 2019年6月2日
今回は、「幼稚園」「認定こども園」「ベビーシッター」「病院内保育室」「保育園」と転職を数多く経験している立場から、実際のところはどうなのかを紹介します。
比較的短期間で転職をした経験があります
その経験が参考になればと思います
保育士は転職回数が多いと面接で不利になる?
まず結論を先に書くと、現時点では新設の保育園も増えており圧倒的な保育士不足の状況なので、 転職回数の多さはあまり気にしなくても良い と思っています。
現時点ではというのは、今後保育士不足が落ち着いてきた場合は、採用時において保育士の有利な状況が薄れていきます。その際は頻繁な転職というのは面接時において大きなマイナス要素になる可能性もあるということです。
子どもが卒園するまで送り出したいと言うのが保育士の本音
子どもが卒園するまで送り出したいと言うのがと言うのが多くの保育士の本音の一つだと思います。
多くの保育士はこのような考えを持っていると思います。自分が一度担任となった子どもたちが卒園するのをみるのは保育士という職業のやりがいの一つとなっていることもあるはずです。
例えば、0歳で見ていた子が5歳で卒園するまで送り出したいと思うはずです。0歳からだと最大6年間にもなります。
それにも関わらず転職して他の保育園で働く保育士は少なくはないのが現状です。
それでも保育士が転職するのは余程現状がひどいから
それでも保育士が転職を検討するのは余程現状がひどいからという場合が多いです。前述したように、保育士は転職しても大幅に仕事内容や待遇も変わらないため、特に人間関係と仕事量の面が不満で転職を考える人が多いです。
サービス残業や持ち帰り残業が多ければ、年度途中でも退職して他の保育園で働こうと思うのは、無理もないはずです。それに加えて、人間関係も芳しくないとなればなおさらです。
そして、「他の保育園で働きたい」と思った時に、今は保育士不足なので年度途中でも様々な保育園が保育士を募集しています。
普通の保育園を求めて転職を繰り返している
転職回数が多い保育士は「普通の」保育園を求めて転職を繰り返しています。
「普通の保育園」というのは、少なくとも最低限の法律が守られていて人間関係が悪くない保育園です。
- 人間関係
新入りをいびるお局様のような存在がいない保育園。
- 仕事量
サービス残業、持ち帰り残業がなく有給休暇も比較的消化できる。
なにも、高額の給与を求めているわけでは有りません。
保育士は、不信感なく精神的に落ち着いて働ける保育園を求めています。
面接時に保育園の採用担当者に嘘をつかれるので、結果的にまた転職することになってしまいます。
それなのに 短期間で辞める保育士 = 無責任 と考える園長は考えを改めたほうが良いです。
保育士が転職回数の多さはあまり気にしなくても良いと思う理由
保育士が転職回数の多さはあまり気にしなくても良いと思う具体的な理由を説明します。
そもそも保育士は平均的に離職率が高め
まず1つ目の理由が、そもそも保育士は平均的に離職率が高めということが挙げられます。
- 離職率は9.3%であり、私営保育所においては10.7%となっている。
※ 厚生労働省/保育士等確保対策検討会「保育士等における現状」/令和2年より https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000661531.pdf
この数値には、そのまま他業種に転職する人やまた保育士を続ける人も含まれています。およそ10人に1人くらいが離職していることになります。これは他の業種などと比べるとかなり高い数値になります。
しかもホワイトな保育園はあまり離職者が出ないことを考えると、ホワイトではない保育園の離職率はさらに高くなることが考えられます。
離職率が高いということは、それだけ各保育園でも保育士が入れ替わっているということになります。つまり、辞められる側の保育園も新しく採用する側の保育園も頻繁に保育士が離職するという状況には慣れていることが多いです。
慣れているということは、面接の際などでも頻繁に転職しているこことがわかっても大きなマイナスにはなりにくいです。
過去の色々な経験をアピールすれば良い
転職回数が多かったとしても、いろいろな経験をしているという点を主張することができれば、逆に転職の回数の多さはアピールポイントにもすることができます。
私自身も「幼稚園」「認定こども園」「病院内保育室」「ベビーシッター」「保育園」と何度も転職を経験しています。ですが、過去の経験をしっかりとアピールすることで、面接の際に転職回数が不利になったと感じることはなかったです。
これらの要素を鑑みて、面接の際にしっかりとした転職の理由付けをすれば、保育業界においては転職回数というはあまり不利な要素と捉える必要は無いと思っています。
現状がキツければ保育士は今の環境に我慢して働く必要はない
保育士は転職をしても、保育園の規模や場所は変わっても、大幅に仕事内容は変わりません。待遇面も認可保育園であれば大きく変わることはありません。どこも安定していて低待遇です。
転職して大きく変わるのは人間関係と仕事量だけです。仕事量については、行事などが活発で残業や休暇のとれない保育園があったり、その逆で残業が少なく休暇の取りやすい保育園があります。
仕事内容については、認可保育園は国の統一された保育所保育指針によってそれぞれの保育園が運営しています。もちろん、それぞれの保育園ごとに様々な特色はありますが、根本的な部分に大きな違いはありません。仕事内容が大きく変わらないのに転職をするのは、人間関係か仕事量に不満のある場合が多いです。
私もブラックを経験して、なんとか今は良い環境で保育士として働くことができています。もし現状がキツいという人で辞めたいけど我慢して働いている人がいれば、すぐにでも辞めるべきだと思っています。今時は保育士の求人は数多くあるので安心してください。
ブラック保育園は一度辞めてみるとなんであんなところで働けていたんだって思っています。もしかしたら転職先もブラックかもしれませんが、そしたらまた辞めれば良いと思っています。
不安なら働きながら転職活動をすれば良い
そうは言っても、やっぱり「面接の際に不利になるのでは?」という思いが拭いきれないという方もいらっしゃると思います。
たしかに、保育士も一般企業と同様に転職回数が多いと面接で不利になる可能性もあります。まだまだ1つの保育園に長く勤めていたほうが良いという考え方の人も多くいます。最近では考え方も変わってきていますが、多くの保育園ではそのような考え方の世代の人が園長などを勤めているケースも多いため、保育士の面接において不利な要素と判断される場合もあります。まったく同じ条件の人であれば転職回数が少ない人の方が「辞めにくい」と判断される可能性がやはり高いと言えます。
もしそのように「面接の際に不利になるのでは?」と思うのであれば、働きながら転職活動をすればよいです。
働きながらの転職活動は負担が大きいですが、保育士転職サイトなどを利用すれば負担の大部分は軽減されます。
- マイナビ保育士|全国の正社員・パート保育士の求人に対応しています。登録するとネット上での検索などでは見つからない非公開の人気のある高待遇の求人情報も得られます。 まずは求人情報を知りたいだけという方でもOKです!
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※ 保育士の転職サイトは新卒の方や未経験の保育士の方、資格取得見込みの方でも利用可能です。
もしかしたら、転職回数の多いことがマイナスイメージに繋がり不採用となるかも知れませんが、その時はそのまま今の保育園で働き続ければ良いのでリスクが少ないです。
転職回数が多い保育士の面接での注意点
保育士の転職回数が多い場合の面接での注意点を紹介します。
保育士の転職理由は面接でほぼ必ず聞かれる
転職の理由はほぼどの保育園でも面接で必ず聞かれる内容です。面接に合格したいのであればネガティブな転職理由は基本的に話す必要はないです。
よくない転職理由の例
- 前の保育園の待遇が悪かった
- 前の保育園でいじめられていた
例えば「前の保育園の待遇が悪かった」という転職理由だと、給料があまり良くないと辞めてしまうと思われてしまうかもしれません。保育園はどこもそんなに給料が高いわけではないので、自信を持ってうちは待遇が良いと言える保育園は少ないです。
「前の保育園でいじめられていた」という場合は、本人にも問題があるのではないかと思われる可能性もあります。本人に問題ない場合でもそのように考える人が一定数いることは事実です。
そのため、ネガティブな転職理由は、本心ではそう思っていたとしてもあえて口に出す必要は無いと思っています。
ただ、あえてネガティブな転職の理由を強調して話すことで、今面接を受けている保育園の人に理解をしてもらうというのも良い選択かもしれません。
どうしても自分自身が譲れないような内容であれば、あえて正直に話してみるのも良いかもしれません。もしかしたらネガティブな印象を持たれて不採用となってしまう可能性もありますが、園長などに、例えば自分がどういうことが苦手なのかを知ってもらうことができます。そうすれば、就業後に前の保育園を辞めた原因となったようなことが再び起きることを防ぐことにつながるかもしれません。
例えば前の保育園でいじめられていたということを面接で伝えると、次の保育園の園長が良い園長であれば、そういうことがまた起きないように厳しく見張ってくれるかもしれません。
良い転職理由の例
面接の際には、ネガティブな転職理由ではなく、ポジティブな理由を話すとより合格率が高まります。
嘘を付くわけにはいきませんが、しっかり自分の過去の状況と面接先の保育園の状況を把握していれば、適切でポジティブな転職理由が浮かび上がってくると思います。
自身の状況変化によるもの
自身や周囲の状況によって本当は長く続けたくて辞めたくはなかったけど辞めざるを得なかったという場合の転職理由です。
- 結婚のため
- 引越のため
- 子育て状況など
「結婚するから長く働ける職場で働きたい」「引っ越しで前の職場には通えなくなった」「子育てが落ち着いたから」などの理由は、すんなりと受け入れてくれる可能性が高い転職理由になります。
新しい経験をしてみたい
今の職場だと実現できない新しい経験をしてみたいという場合の転職理由です。
- 乳児の担任をしてみたかった
- 幼児の担任をしてみたかった
- モンテッソーリ教育を経験してみたかった
- 自由保育を経験してみたかった
- 大人数の保育園を経験してみたかった
- 少人数の保育園を経験してみたかった
など。前の保育園では経験できない領域を経験してみたいというのはポジティブな転職理由でとても好印象だと思います。なぜそのように思うようになったのかをしっかり話すことができれば良いアピールにも繋がります。
言い方や表現を変えてみる
例えば「いじめられていたから転職を考えた」->「指導力のある先輩保育士が少なく、成長が見込めなかった」のように同じ内容でも、違った言い回しや表現でポジティブな理由を伝えることができると思います。
残業が多いの嫌で転職した場合は「仕事以外で〇〇の勉強を趣味でする時間が欲しかった」のように、前向きな理由を付け加えるのも良いと思います。
話を作って嘘をつく必要はなく、自分自信の実際の状況から面接をする相手に、退職をして転職をした理由を納得できる表現が考えられると思います。
職歴が多くても履歴書には全部書くべき?
基本的には履歴書にはすべての職歴を記載すべきです。 意図的に省いてしまうと、経歴詐称となり入職後に解雇されてしまう場合もあります。
また、アルバイトやパートの職歴は省いても良いという見解もありますが、保育園のアルバイト・パートの職歴であれば、履歴書に記載したほうが良いでしょう。パート保育士の経験も立派な保育士としての経験なので、履歴書で空白期間に見えてしまうよりプラスになることが多いです。
もし保育士の方で職歴が多く、履歴書の欄が足りなくて書ききれないという場合は、書き方を工夫してなるべく記入欄にすべて書いて収まるようにしましょう。ネットで「履歴書 職歴 書ききれない」というように検索すれば様々な対処法が調べられるので参考にしてみてください。
まとめ:【保育士は転職回数が多いと面接で落ちる?転職回数が多い場合の面接での注意点も紹介!
現時点では新設の保育園も増えており圧倒的な保育士不足の状況なので、 転職回数の多さはあまり気にしなくても良い と思っています。
- そもそも保育士は平均的に離職率が高いので、保育園側も転職が多いということに慣れているため
- 転職経験が多いことをいかして、過去の色々な経験をアピールすれば良いため
- 保育士は現状がキツければ、今の環境に我慢して働く必要はないため
- もし不安なら働きながら転職活動をすれば良いため
転職回数が多い保育士は、面接で必ずと言ってよいほど転職理由について聞かれると思うので、前向きでプラスになる理由を答えられるように対策しておきましょう。