パート保育士だと責任や仕事の負担が楽そうで良いなぁと思っている保育士の方。
正職員をしていて、そう思っている保育士の方はいませんか?そのような考え方はちょっと注意が必要かもしれません。就業する保育園によっては、パート保育士でも正職員と比較して負担が少ないとは限りませんし、正職員並の仕事量や責任が発生することもあります。
パート、契約社員、派遣社員というような種類分けはあくまでも、雇用形態の違いになるので、仕事内容や負担の違いに直結するとは限りません。もちろん、正職員として保育士を続けるのは難しいという理由でパート保育士になるというのは良い選択肢ではあると思いますが、パート保育士こそ入職前にしっかりと条件交渉をすべきだと思います。時給はシフトの内容はもちろん、どのような仕事内容なのかという点に関してもしっかりと保育園側とすりあわせてから入職を決めるべきです。
正規職員、非正規職員(パート)での勤務経験があります
その経験が参考になればと思います
パート保育士の基準と役割は?
まず最初に本題に入る前に、パート保育士の基準や保育園での役割について説明します。
パート保育士の基準は?
そもそもパート保育士はどのような基準でパート言われるのでしょうか。
パートタイム労働法(「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」)の対象である「短時間労働者(パートタイム労働者)」は、「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者」とされています。
例えば、「パートタイマー」「アルバイト」「嘱託」「契約社員」「臨時社員」「準社員」など、呼び方は異なっても、この条件に当てはまる労働者であれば、「パートタイム労働者」としてパートタイム労働法の対象となります。
※参考「パートタイム労働者とは」https://www.mhlw.go.jp/topics/2007/06/tp0605-1e.html
つまり、一般的な保育園で考えると、1日8時間週40時間より短い勤務時間で保育園で働く保育士のことを、パート保育士ということになります。
保育園によっては、パート保育士のことを「パートタイマー」「アルバイト」「嘱託」「契約社員」「臨時社員」「準社員」「非常勤」のように呼ぶ場合もあります。
フルタイムのパート保育士はパートではない?
皆さんが働く保育園にも、ほぼフルタイムで常勤と同じくらいの時間働いている保育士の方がいらっしゃる場合もあると思います。気になるのが、ほぼフルタイムなのになぜパート7日ということだと思います。
先ほども書きましたが、パートタイム労働者は「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者」という規定があるので、ほぼフルタイムであっても、まれに、勤務時間が短い日などがあれば、パートタイムという扱いになるので、誤りというわけではありません。
パート保育士の役割は?
一口にパート保育士と言っても保育園によって様々な役割があります。担任保育士のサポート業務がメインですが、担任保育士と同様の仕事を任される可能性もあります。逆に、保育補助のような形で、無資格でも良いような仕事内容を任される場合もあります。これらは保育園によって様々です。
パート保育士に関しての詳細は以下の記事でも解説しているので参考にしてみてください。
保育士はパートだと責任や負担が楽?
本題の保育士はパートだと責任や負担が楽なのかという点について解説します。結論としては、働く保育園によってパート保育士の役割や仕事内容、責任、人間関係などは異なります。そのため、パート保育士としては働けば、責任や負担が少なく楽に働くことができるとは限りません。
パート保育士は書類仕事はしない?
よくあるパート保育士のイメージとして書類仕事をしないというものがあると思います。ただし、保育園によってはパートであっても書類仕事を任される可能性は大いにあります。保育園の書類によっては必ずしも担任の保育士が書かなくても良いものもあり、それらの作業を任される可能性があります。また、保育園は週6日一日12時間近く開園しているところがほとんどで、シフト制の勤務になっています。当然ですが、クラス内でも正職員の保育士が存在しないという時間帯があることもあり、その場合は正職員がやっている書類の仕事などが回ってくる可能性も大いにあります。
パート保育士は行事の準備はしない?
私の経験上では、パート保育士がメインの担当になることはあまりありませんが、行事のサポートを行うことは必ず必要になってきます。例えば、行事の準備も架橋を迎え、主担当の保育士がそちらに手を取られるようになれば、必然的にパートの保育士がサポートに回る必要が出てきます。担任業務の一部を肩代わりする必要も出てくると思います。
パート保育士に残業や持ち帰りの仕事はない?
パート保育士であっても残業や持ち帰りの仕事が発生する可能性はもちろんあります。これに関しても就業する保育園次第です。結局、仕事量によっては残業せざるを得ない状況になってしまったり、持ち帰らざるをえなくなってしまうことになります。たしかに、正職員と比較したら可能性を低いかもしれませんが、パート保育士に残業や持ち帰りの仕事は絶対ないとは言えない状況であると言えます。もちろん、残業が発生した分の時給をしっかりもらうべきですし、持ち帰りの仕事は本来サービス残業になるので、すべきではないというのは正職員やパートなどの雇用形態によらずに言えることだとは思います。
パート保育士は責任は少ない?
パート保育士であれば、責任が少ないのではないかというとそういうわけでもないです。たしかにクラスの担任を任される可能性は低いですが、保育士としての責任は同様に発生します。例えば、散歩中に事故やトラブルに遭遇したとします。たしかにこのような場合に矢面に立つべきなのは担任の保育士や園長だと思います。ただ、実際に現場にいたとなると知らんぷりというわけにはいきません。現場の状況は現場にいた人が一番良くわかっていると思うので、その後の対応などにも一番適していると言えます。
園長や担任が責任感のある人とも限らないので、パート保育士である自分に責任を押し付けてくるというような状況も想定できます。やはり保育園の状況や周囲の環境などでも、パート保育士の負担は変わってきます。
パート保育士が担任を任される可能性もなくはない
クラス担任を任される可能性は少ないと書きましたが、保育園に保育士が不足しているというような状況であれば、パートでの雇用であっても担任を任させる可能性もないとは言えないです。また、名目上は担任にならなかったとしてもほとんど担任と同様の仕事内容などを求められることもあるかもしれません。
実は正職員の担任の保育士のほうが向いているかも
人によってはパート保育士よりも実は、実は正職員の担任の保育士のほうが向いているというケースもあります、。
パート保育士になるとクラスの担任を任される可能性は少なくなります。その代わりに毎回色々なクラスに入って仕事をする必要があります。毎回違う担任の先生のサポートをすることになります。それぞれの担任にあわせて気を使いながら仕事をするのは、人によっては結構な負担になってしまうこともあります。場合によっては自分よりもスキルも経験も不足している人の指示に従うことも必要になります。実は担任のほうが自分のやり方ですすめることができて気が楽だと思うこともあるかもしれません。
行事や日々の仕事についても、パートだとなんか物足りないと思ってしまう人もいます。このような理由で、パートから正職員に戻るという人も一定数いるので注意が必要です。
正規保育士は偉くてパート保育士は偉くない?
やっている仕事は一緒なのに
保育園で働く保育士の場合は、正規でもパートでもほとんど同じ様な仕事内容をこなしていることも多いと思います。やっている仕事内容がほとんど一緒なのに、なんで偉そうにされなければいけないんだと思いますよね。
自分のほうが経験も長くてスキルもあるのに
特に保育園で働く保育士の方のなかには、昔バリバリ働いていたけど、パートになって、ゆったりと自分のペースで仕事をしているという方も多いと思います。そういう方の場合は、正規の保育士よりも経験やスキルも豊富と自負している方も多いかもしれません。
「偉い = 責任がある」
偉いというのは、責任があるということだとすると、たしかに、正規保育士は偉くてパート保育士は偉くないと言えるかもしれません。
クラスでなにか問題があれば、正規保育士の担任が対応すべきですし、場合によっては責任も取る必要があります。そして、もし事故や問題が起きそうであれば、未然に防ぐために、年齢関係なくパート保育士に指導をするということもあるかもしれません。その際に偉そうな態度になることあるでしょう。
偉い保育士が責任を果たしていないければ抗議しよう
問題なのは、偉いはずの正規保育士が、ただ偉そうにするだけで、責任を果たしていない場合です。もし、そのような状況の場合は、園長等のより偉く責任がある立場の人に、抗議をして改善をしてもらうのが良いかもしれません。
自分が偉くなりたければ正規で働こう
もし、パート保育士の方で正規保育士に偉そうにされるのが嫌という方は、その状況が嫌であれば、正規保育士として働くしかありません。どの保育園にいても、どうしてもパート保育士に対して偉そうにするという人はいる可能性があります。経験やスキルも豊富で人に偉そうにされたくないという場合は、正規保育士として働くのが良いでしょう。
偉いからと言って偉そうにする人は損する
実際に、偉いからと言って偉そうにして良いというわけではありません。また、大抵の場合、偉そうにするという人は損することが多いです。偉そうな態度に不満を持つ人は多いので、人間関係に溝が出来てしまい、お互いに気持ちよく働くことができなくなってしまいます。
「パートなので」発言は軋轢を生んでしまうかも?
私も「パートであること」を理由に仕事の負担などを減らしてもらいたくなる気持ちはよく理解できます。たしかに正職員と比較した場合に、貰っている給料額は少ないかもしれません。特に賞与などを貰っている部分に関して差が出るところだと思います。ですが、このような発言をしてしまうと、人間関係に変な軋轢を生んでしまうかもしれません。パートも正職員も関係ないという考え方をする園長や保育士も一定数います。
パートだからということではなく、そもそもそのような契約だからということで、そこまでの作業はしませんと言えるのが良いと思います。そのために、パートになる場合は、事前に保育園と仕事内容についてしっかりと合意をとっておくことが重要です。
契約社員や派遣社員も同様
ここまで書いたことは契約社員や派遣社員というような雇用形態の場合も同様です。あくまでもパートや契約社員、派遣社員という種別は雇用形態の違いであって、仕事内容は負担などの違いを直接示しているわけでは有りません。
もちろん全体のイメージとして、正職員より負担が少なそうということはあると思います。ただ、保育園によっては、そこまで雇用形態ごとに仕事内容に差をつけていない場合もあります。そういう保育園では、パートだから、契約社員だから、派遣社員だから負担が少ないとは必ずしも言えないと思います。むしろ、人によっては正職員のほうがやりやすかったと感じる場合もあると思います。
パート保育士こそ入職前にしっかりと条件交渉をすべき
パート保育士の仕事は正職員と比較して楽だという決めつけてしまい、パートならどこの保育園でも良いと思って求人を探してしまうと思わぬ落とし穴にあってしまうこともあります。パートになれば責任や負担が少なくなり仕事も楽になるのでは、と思ったら給料だけが少なくなって負担はあまり変わっていないということも起きてしまうかもしれません。
むしろ、パート保育士こそ、しっかりと入職を決める前に条件を保育園側と擦り合わせるべきだと個人的には思います。時給はシフトの内容はもちろん、どのような仕事内容なのかという点に関してもしっかりと保育園側とすりあわせてから入職を決めるべきだと思います。
もし、個人で保育園側と交渉などが難しという場合であれば、保育士転職サイト・エージェントの活用がおすすめです。パート保育士の求人探しであっても利用が可能です。担当のアドバイザーが間に入って、保育園に様々なことを聞いてくれるので、自分だけで求人を探して応募するよりも遥かに、効率よく条件交渉をすることができます。
- マイナビ保育士|全国の正社員・パート保育士の求人に対応しています。登録するとネット上での検索などでは見つからない非公開の人気のある高待遇の求人情報も得られます。 まずは求人情報を知りたいだけという方でもOKです!
- ジョブメドレー保育士
| 全国対応でネット上から求人応募が可能です。すぐに転職するつもりはなくても、とりあえず登録して求人を見ることができます。自分のペースで転職をしたい人におすすめです(^^)
- ヒトシア保育| ※全国の正社員・派遣・パート保育士の求人に対応しています。登録しないと得ることができない非公開の求人もたくさんあります。 求人数も多いのでとにかくたくさんの情報を得たいという人にもおすすめです。
※ 紹介できる求人などに差があるため転職サイトは複数社に同時登録して併用がおすすめです。就職転職活動が不安な方はまずは簡単な相談目的での登録でも大丈夫です。
※ 保育士の転職サイトは新卒の方や未経験の保育士の方、資格取得見込みの方でも利用可能です。