目次 | 内容 |
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幼稚園教諭免許状ってそもそもなに? | ・国家資格であり文部科学省の管轄 ・幼稚園で働くのに必須な免許状 |
幼稚園教諭の資格取得方法は? | ・大学や短大、専門学校を卒業し取得が可能 ・必要な単位修得後、都道府県教育委員会へ申請する ・教員資格認定試験や特例制度による取得方法もあり |
幼稚園教諭一種と二種、専修の違いは? | ・学歴によって取得免許が異なり、給料面で優遇される場合あり ・園長を目指す以外は仕事内容に差がない ・二種から一種への切り替えも可能 |
保育士の資格との違いは? | ・管轄省庁や働く施設、対象年齢が異なる国家資格 ・どちらも更新不要で生涯有効 ・保育士は試験合格で学校に通わず取得可能 |
これから資格取得を考えている方の場合は、保育士の資格の取得がおすすめ | ・保育士資格の取得がおすすめ ・需要が高く給料や働き方も良い傾向にある ・特例制度で幼稚園教諭との両方取得も可能 |
【まとめ】幼稚園教諭一種と二種、専修の違いは? | ・幼稚園教諭の免許は学歴による種類分け ・園長を目指す場合を除き仕事内容に大きな違いなし ・二種から一種への切り替えや両資格取得も可能 ・保育士資格は現在需要が高く、特例制度利用で両資格取得も視野に入れる |
よくある質問(FAQ) | ・資格の種類で仕事内容の差は園長以外にほとんどない ・二種から一種への切り替えや両資格取得も可能 ・幼稚園教諭と保育士は管轄省庁や役割が異なるがどちらも更新不要 ・今後の取得は需要が高い保育士資格がおすすめ |
- 幼稚園教諭一種と二種、専修の違いは?
- 切り替えはできる?
- 保育士資格との違いは?
幼稚園教諭の免許についてお調べでしょうか。
ご自身の将来を考える上で、この資格選びはとても大切ですよね。
実は、幼稚園教諭の免許には種類があることはご存じでしょうか。
この記事では、幼稚園教諭の一種・二種・専修の具体的な違いはもちろん、資格の切り替えが可能かどうか、そして保育士資格との明確な違いまで、これからの進路に役立つ情報をお届けします。
読み進めることで、ご自身にとって最適な資格を見つけ、最適なキャリアを築くためのヒントが得られます。

幼稚園教諭の資格には種類があって、どれを選ぶべきか迷います。保育士資格との違いも知りたいです。

私の経験をもとに、あなたの疑問に具体的に答えます。
その経験が参考になればと思います
幼稚園教諭免許状ってそもそもなに?
幼稚園教諭免許状は国家資格で、文部科学省の管轄する幼稚園で働く場合に必要な免許状になります。
つまり、幼稚園の先生になるためには取得が必須な資格になっています。
幼稚園教諭の資格取得方法は?
幼稚園教諭免許は、4年制大学・短大・専門学校・通信制大学で卒業と同時に取得が可能です。
「教育職員免許法」に基づき短大・大学等の課程で所定の単位を修得し、卒業後各都道府県教育委員会に申請すれば免許状が授与されます。
逆にいうとこれ以外には、資格を取得する方法は基本的にはありません。例外としては、教員資格認定試験や保育士向けの幼稚園免許取得の特例制度などがあります。
幼稚園教諭一種と二種、専修の違いは?
幼稚園教諭一種と二種、専修の違いは以下の通りです。
専修・・・・大学院修士課程修了以上の学歴を有する者。
一種・・・・大学卒業以上の学歴を有する者。
二種・・・・短期大学卒業以上の学歴を有する者。(専門学校含む)
つまり、卒業している学校の種類によって取得できる免許が異なります。
給料の違いは?
給料に関しては、一種や専修の保持者のほうが高く設定されている幼稚園もあります。これに関してはその幼稚園次第になると思います。
幼稚園に限らず、保育園や一般企業でも、短大や専門学校卒者よりも大卒や院卒者のほうが優遇される場合が多いです。
ただ、年齢は短大や専門学校を卒業している二種の取得者のほうが若い場合が多いので、将来的な給料には、そこまで大きく関係がないことも多いと思います。
その他の違いは?
幼稚園教諭として幼稚園できることに一種と二種、専修でほとんど違いは有りません。
実際、幼稚園で働いている同僚がどの種類の免許なのかを気にする場面はまったくありません。
唯一違う点としては、幼稚園の園長になる場合です。園長を目指す場合は一種か専修の免許状の保持が必要です。
つまり、園長を目指す場合以外においては、資格上の違いは特にないということになります。
切り替えはできる?
また、二種の場合でも3年以上の実務経験を経たあと大学等で単位を取得することで一種へ切り替えることができるので、すでに二種を取得済みの方も、園長を目指すことは可能になっています。
なので、これから資格を取ろうという方の場合は、あまり、資格の種類自体を気にする必要は無いと思います。
保育士の資格との違いは?
保育士の資格と、幼稚園教諭の免許は全く異なるものになります。保育士の資格の管轄は、厚生労働省で幼稚園教諭の資格の管轄は文部科学省になります。
保育士の仕事は保育園で働く際に必要になり、幼稚園教諭の資格は幼稚園で働く際に必要になります。最近では、両方の資格が必要な保育教諭という職業もあり、そちらは認定こども園で働く両方の資格の保持者になります。
働くことができる施設の違い
保育士の資格がある場合は、保育園で働くことが可能です。保育園では0歳から5歳までの未就学児の保育を行います。
幼稚園教諭の資格を持っている方は、幼稚園で働くことが可能です。幼稚園は3歳から5歳までの未就学児に教育を行います。
ただし、最近では、保育園でも教育を、幼稚園でも保育を行うという方針になっており、その違いはかなり曖昧になってきていると思います。
また、幼稚園と保育園の機能を併せ持った認定こども園も増えており、さらにそれぞれの役割は曖昧になってきていると思います。
認定こども園では保育士と幼稚園教諭の資格の両方を持った保育教諭が就業が可能ですが、現時点では特例として片方の資格のみで働ける場合もあります。
保育園と幼稚園のそれぞれで働く場合の給料や働き方の違いについては以下の記事を参照してください。
更新に関する違い
保育士の資格は、保育士試験に合格する、もしくは、専門学校や大学などで単位を取得して卒業した取得しますが、その後に、「保育士登録」を行うと更新は不要になります。
かつて、幼稚園教諭の免許は、更新制になっていて、資格を得てから10年後の年度末までが有効期限になっていました。令和4年7月1日から教員免許更新制は廃止されました。 これにより、令和4年7月1日時点で効力を有する教員免許状は、以後、期限のない免許状となっています。
資格取得の難易度は?
保育士と幼稚園教諭の資格取得の難易度はほとんど差は無く、短大、専門学校や大学などで必要な単位を取得して卒業することで取得が可能です。その場合はどちらも最短で二年で取得が可能です。
ただ、大きな違いとしては、保育士の資格には、保育士試験があり、試験の受験資格(大卒以上等)を満たしていれば、試験に合格すれば、学校などに通うことなく、取得が可能です。
その場合は、最短で半年程度で取得が可能になります。
そういった点では、特に就業中の社会人に関しては、これから資格取得を考える場合は、保育士の資格の取得がおすすめです。働きながらでも取得の可能性があるのが保育士資格になります。
幼稚園教諭の資格を就業しながらでも取得は可能ですが、夜間や休日などに専門学校へ通う必要が出てくることなると思います。
保育士試験の詳細は以下の記事でも解説しています。
これから資格取得を考えている方の場合は、保育士の資格の取得がおすすめ
幼稚園教諭の免許を取るか、保育士の資格を取得するかで迷っている方もいると思います。
幼稚園教諭と保育士では、仕事内容や役割は異なりますが、どちらの仕事も魅力的で迷っているという方の場合は、どちらが良いかをおすすめしてほしいということであれば、私は保育士の資格の取得がおすすめしたいです。
理由は、「保育士」として保育園で働くほうが今の時代は需要が高いためです。
需要が高いということは、給料も高かったり、働き方の面でもメリットが大きいです。保育士が不足していて、保育士に長く働いて貰おう、新しい保育士に就職してもらおうと保育園側も力を尽くすので、保育士の待遇も全体的によくなってきている傾向があります。
もちろん、保育士の待遇というのは国の補助金でほぼ決まるようにできているので、保育士不足だからといって青天井で給料や待遇が上がるわけではありません。
保育園側としても限られた資金の中で安定的に運営をするために、保育士に長く働いてくれるために、努力をしていることが多いです。残業を減らしたり、持ち帰りの仕事をなくすようにしたりなどです。
例えば、間違ってしまってブラックな保育園に就職をしてしまったとしても、他に働ける保育園がたくさんあるので、すぐに転職を考えることが可能です。
幼稚園はそもそも、子育て世代の需要が減っていて(保育園に入所を希望する人が多くなっているため)、幼稚園教諭の需要も減ってきています。
園児が集まらないと、新しい先生の雇用は控えたり、なんとか運営を続けるために人件費を削るということにも繋がりかねないです。そうなると、サービス残業や休暇の取得も難しくなるかもしれません。
また、このような状況のため、ブラック幼稚園に雇用されてしまい、転職するのにも一苦労があります。
なかには認定こども園に移行する幼稚園も増えてきています。認定こども園ともなると、保育士の資格でも働ける可能性がでてきます。これについては前述の働くことができる施設の違いにて説明しています。
保育士の資格を持っていれば、保育園や一部の認定こども園で働くことができ、実務経験を3年程度以上積むことによって、幼稚園教諭の資格の取得が簡単に可能になる特例制度があります。
特例制度は期間が限定されていますが、この期間内に実務経験がつめるような予定の人であれば、利用がおすすめです。この特例制度についても後で解説しています。
この制度を使えば、最終的に保育士と幼稚園教諭の資格の両方が取得できます。もちろん反対に、幼稚園教諭の免許のみを取得してから、実務経験を積んで、保育士の資格を取ることも可能ですが、前述の働きやすさの面から保育士として最初は就業したほうが、
どちらを取得するか迷っているという方にはより、保育士の資格の取得がおすすめです。
特例制度も視野に入れよう
幼稚園教諭、保育士のそれぞれの資格保持者には、それぞれ特例制度というものがあります。
どちらか一方の資格をもっている場合は、通算して3年以上かつ合計4,320時間以上の実務経験があることで、通常必要な単位取得や試験などのほとんどを省略して、もう一方の資格を取得することが可能となる特例制度になります。
例えば、幼稚園教諭の資格を持っていて、幼稚園で3年間働いた実務経験があると、専門学校などで数単位を取得して申請すれば、保育士試験が免除になります。
この特例制度は、平成27年度(2015年度)に始まり一旦は平成31年度末(2020年3月末)まで期間限定でしたが、令和7年3月31日まで延長になっています。
つまり、令和6年度末までにどちらかの資格を持っていて、実務経験も積むことができるようであれば、幼稚園教諭と保育士のW取得が可能になります。
これから資格取得を考えている方は、この制度の活用も検討すると良いと思います。
【まとめ】幼稚園教諭一種と二種、専修の違いは?
幼稚園教諭の免許には「一種」「二種」「専修」の種類がありますが、将来的に幼稚園の園長を目指すのでなければ、働く上での大きな違いはないという点が、この記事で最もお伝えしたかった内容です。
この記事では、以下の重要な点をお伝えしました。
幼稚園教諭一種と二種、専修のそれぞれに働く上で、大きな違いはありません。違いは幼稚園の園長になれるかどうかです。
幼稚園教諭二種では、園長になることはできないので、一種が専修を取得する必要があります。ただ、二種の保持者でも実務経験と通信制の大学などで追加の単位を取得して申請すれば、一種などへの切り替えも可能です。
将来的に幼稚園の園長を目指したいという場合以外は、どの資格を取得しても大きな違いはないと言えます。
給料的には、短大卒(専門卒)、大卒の違いもあり、一種の所持者のほうが初任給を設定している幼稚園もありますが、これはその幼稚園次第です。
また、これから資格取得を考えている方の場合は、幼稚園教諭ではなく、保育士の資格の取得がおすすめ
「保育士」として保育園で働くほうが今の時代は需要が高く、ブラックで働くことを回避できる可能性が高いためです。将来的には、特例制度などで、幼稚園教諭と保育士のW取得も可能です。
よくある質問(FAQ)
- Q幼稚園教諭一種、二種、専修の免許を持っていると、仕事内容は変わるのですか?
- A
幼稚園教諭一種、二種、専修の資格の違いは、主に取得時の学歴にあります。
実際の幼稚園での仕事内容や職務に大きな違いはありません。
多くの幼稚園では、どの種類の免許を持っていても、同じように幼児教育に携わることができます。
ただし、将来的に幼稚園の園長を目指す場合は、一種または専修の免許状が必要です。
- Q幼稚園教諭二種免許を取得した場合でも、将来的に一種免許に切り替えることはできますか?
- A
はい、幼稚園教諭二種免許から一種免許への切り替えは可能です。
実務経験を積んだ上で、大学の通信教育課程などで不足している単位を修得したり、文部科学大臣が認定した講習(教育職員免許法認定講習)を受講したりすることで、一種免許状を取得することができます。
すでに二種免許をお持ちの方も、園長を目指すことが可能になりますので安心してください。
- Q幼稚園教諭と保育士の資格は、具体的に何が違うのでしょうか?
- A
幼稚園教諭と保育士の資格は、それぞれ異なる専門性を持つ国家資格です。
幼稚園教諭は文部科学省の管轄で、幼稚園という学校教育機関で3歳から5歳の子どもたちに教育を行います。
一方、保育士は厚生労働省の管轄で、保育所などの児童福祉施設で0歳から5歳の子どもたちの保育(生活全般の世話と心身の発達援助)を行います。
働く施設や役割、管轄省庁が異なります。
- Q幼稚園教諭の資格を持っている場合でも、保育士の資格を両方取得することは可能ですか?
- A
はい、幼稚園教諭と保育士の資格を両方取得することは可能です。
特例制度という仕組みがあり、いずれかの資格を持ち、かつ幼稚園や保育施設などで通算3年以上かつ4320時間以上の実務経験がある場合、もう一方の資格に必要な単位や試験を免除されて取得できます。
この特例制度は令和6年度末まで延長されており、幼保連携型認定こども園で働く上でも両方の資格があると大変有利です。
- Q幼稚園教諭免許と保育士資格では、更新制度に違いがあるのでしょうか?
- A
かつて、幼稚園教諭免許は更新制で、有効期限が定められていました。
令和4年7月1日から教員免許更新制は廃止されました。保育士資格にも更新制度はありません。そのため、現時点では、どちらの資格も生涯有効となります。
- Qこれから資格取得を考えている場合、幼稚園教諭と保育士、どちらの資格を取得するのが良いのでしょうか?
- A
どちらの資格も子どもの成長を支える素晴らしい仕事ですが、今の時代において、もしどちらが良いか迷われているのであれば、私は保育士の資格取得をおすすめします。
現在の社会では保育士の需要が高く、給与面や働き方の面でより良い条件が期待できる傾向があります。
また、保育士資格を取得し、実務経験を積めば、特例制度を活用して幼稚園教諭の資格も取得できるため、将来的に両方の資格を持つことでキャリアの幅を広げることができます。