就活をしている保育学生や大学生の方。
-> 答え
- 就活の学生が保育士か一般企業か迷っているなら「一般企業」を勧めます。
この理由についてを説明します。
この記事は大前提として、保育士として働くと固く決めている方ではなくて、保育士として働くか一般企業で働くか 「迷っている」 という方を対象としています。
そして私は一般企業での勤務経験はありません。 こういう考え方もあるよという無責任な内容なので、その点を踏まえて読んでみてください。
フリーランスでベビーシッター等の経験があります
その経験が参考になればと思います
保育学生は保育園に就職ではなく一般企業を勧める理由
現役保育士の私が、就活中の学生が保育士として働くか一般企業で働くかを迷っているなら「一般企業」を勧める理由を説明します。理由は大きく5つあります。
- 保育士の給料ははっきりいって安い
- 保育園は最低限の法律も守らないブラックが多い
- 人間関係はほぼ運
- やりがいで我慢できるのは非ブラックで人間関係が良好の場合のみ
- 保育士から一般企業への転職はハードルが高い
- 今後数年でまだ待遇改善の余地がある
これらについて詳細をそれぞれ説明します。
保育士の給料ははっきりいって安い
保育士の給料ははっきりいって安いです。地域によって差はありますが、手取り18万程度が相場だと思います。新卒だともっと少ないかも知れません。
昇給も少なく年5,000円の昇給があればかなり良いほうで、昇給は年1,000円程度しか無い場合もあります。給料の伸びは今後の国の処遇改善などが頼りになっている現状があります。
ブラック保育園が多い
保育園には、法律を守っていないブラック保育園はとても多いです。
- 休憩時間がない
- サービス残業がある
- 持ち帰り残業がある
- 有給休暇がまともに取れない
保育園においてこれらの法令違反は割と普通のことです。むしろ、このうち該当しているのが半分以下だったらホワイトな部類に入るかもしれません。
基本的に何も考えずに就職活動をしたらブラック保育園に当たると考えたほうが良いです。私も転職を繰り返してやっといまの幾分ホワイトな保育園で働くことができています。
もちろん一般企業でもブラックな企業はあると思いますが、保育業界は割合としても多いかもしれないというのが私の個人の印象になります。
人間関係はほぼ運
保育園の人間関係はほとんど運です。自分に非が無くても合わない人がいれば終わりです。
そして、保育園の人間関係を事前に見極めるのはかなり困難です。見学・インターン・実習などの少ない機会で見極めないといけません。
ただし、見学・インターン・実習などは所詮「お客さん」という扱いです。実際に入職してからの扱いとは全く異なります。
私はむしろ保育園がブラックであればあるほど、見学・インターン・実習などは優しく接してくると思っています。そうでもして入職してもらわないと人が集まらないという現状があります。。
そして、実は「人間関係が運」というのは一般企業にも言えることなのですが、保育園の場合は人間関係につまづくと詰んでしまう可能性が高い理由があります。
- 年度途中で辞めさせないようにする圧力が凄い
- 従業員の人数が少ないので逃げ場がない(部署異動などの対応がとりにくい)
これについて更に詳しく説明します。
年度途中で辞めさせないようにする圧力が凄い
年度途中で保育士に辞められるというのは保育園にとっても死活問題です。単純に年度途中で新たに人を採用するのが難しいためです。
それに加えて担任が急に退職したという事実は、こどもを預かる親にとっても不信感を抱かせる要因になります。
そのため、普通に企業とは違ってことさらに年度途中で辞めさせないようにする圧力が働きます。「そんなの無視して辞めれば良い」とは口では簡単に言えますが、実際に自分が体験したらそう簡単にはいかないものです。
保育士は、そこで自分ひとりで抱え込んでしまって病んでしまう人がとても多いです。
従業員の人数が少ないので逃げ場がない
保育園はせいぜい20人程度の職場です。人間関係に詰んでしまった場合に逃げ場は少ないです。大きな企業であればその人となるべく関わらないようにするということもできますが、小さい世界なのでそれはなかなか難しいです。嫌いな人と毎日顔を合わせなければ行けないです。
一般企業であれば、人間関係で詰んでも部署移動などで対応できる場合があります。保育園ではそれは難しいです。唯一、保育園をたくさん運営している法人であれば勤務する園を変更してもらうことはできると思います。
やりがいで我慢できるのは非ブラックで人間関係が良好の場合のみ
「やりがい」で我慢できるのはブラックではなくて人間関係が良好の場合だけです。その場合に限って、人は「給料が安い」『休みが少ない」「残業が多い」などはなんとか我慢して頑張ることができます。
ブラックで人間関係も悪い、でも「やりがい」だけはあるという状況だと確実に精神が病んでしまいます。先にも述べたように保育園はブラックがほとんどで、人間関係も運なので「やりがい」だけでは続けていけない可能性が非常に高いです。
保育士から一般企業への転職はハードルが高い
一度、保育士になってしまうと一般企業に転職するハードルは高いです。例えば「PCスキル」や「英語」などなにかビジネスで通用するスキルがない限りはホワイト企業に就職するのは難しいのが現状です。よく保育士が辛くて辞めて一般企業に就職したけどもっときつかったという話を聞きます。意外とそういうことは多いです。
逆に一般企業に働いてから保育士になるというのは割とよくあることで、ハードルは高くないです。「一般企業で働いたけどやっぱり保育士として働きたい」と思ってから働いても決して遅くないです。そもそも保育園で長く働いても大した昇給は見込めないので、給与的なデメリットもほとんどないです。
そして、一般のホワイト企業に就職できる可能性が高いのが「新卒」というカードです。最近では、新卒一括採用の終身雇用制度が崩壊しかけてきているというニュースが出てきていますが、やはりまだ「新卒」のカードは強いです。
新卒で一般企業で働いてから保育士になるというのも保育士という仕事においてデメリットばかりではありません。
私が働いている保育園にも一般企業から保育士になった人もいますが、他の保育士が慣れないパソコンなどの作業もできるので意外と存在価値の高い存在になっています。一般企業で培った能力は保育の仕事に活かせる場合も多いです。
保育士は今後数年でまだ待遇改善の余地がある
これに関しては、そもそも保育士として長く働いても大した昇給も見込めないので、低い給与に我慢して保育士として働くよりかは国の待遇改善を待ってから保育士として働き始めれば良いという考え方です。
保育士の待遇は今確かに改善されようとしています。例えば、ポピンズという大規模な保育園を運営する会社では、2019年度の1都3県の認可保育園で働く新卒の基本給を26万円に引き上げています。それは待機児童が多く、保育園を新しく開きたくても働く保育士がいないという状況だからです。保育士の配置基準から考えると、1人の保育士が保育士を辞めると単純計算で「3-30人」の待機児童が発生することになります。
保育士として働かないこと(=待機児童を生み出してしまうこと)で「国」に対して明確に「待遇改善して」という意思表示をすることができます。
以前別の記事「【挑戦】若手保育士は一度辞めて2、3年後に復帰するのが良いと思う理由【失敗】」でも同様のことを書いていますが、国が保育士の待遇を改善しようとしているのは保育士が足りていないからです。
そして、保育士資格を持っていても保育士として働いていない潜在保育士が保育士として就職する場合の支援も豊富なので、新卒で保育園に就職するよりもお得に就職できる場合もあります。
【まとめ】就活の学生が保育士か一般企業か迷っているなら一般企業をすすめる
就活中の学生が保育士として働くか一般企業で働くかを迷っているなら「一般企業」を勧める理由を提示します。
- 保育士の給料ははっきりいって安い
- 保育園は最低限の法律も守らないブラックが多い
- 人間関係はほぼ運
- やりがいで我慢できるのは非ブラックで人間関係が良好の場合のみ
- 保育士から一般企業への転職はハードルが高い
- 今後数年でまだ待遇改善の余地がある
まずは一般企業で働いてから保育士になっても遅くはないと思っています。昨今は保育士不足なので、未経験からも保育士への就職はしやすくなっています。
【注意】一般企業が良いとは限らない
保育士が大変で辞めたら一般企業はもっと大変できつかったという例もあるように、一般企業で働くのが必ずしも良いというわけではありません。保育園がブラックが多いと話しましたが、一般企業の方がブラックは多いかも知れません。
再度になりますが、私は一般企業での勤務経験はないですし、また「人」「会社」「地域」などによって状況は様々だと思います。こういう考え方もある程度に参考にしてもらえると幸いです。
それでも保育士になりたいという方には最低限の防御策を教えます。
それでもやっぱり保育士として働きたいという方には最低限の防御策を書いています。