保育士の皆様。
石の上にも三年という言葉はご存知ですか?石の上にも三年というのは我慢強く辛抱すればいつかは成功することを例えた言葉です。
この石の上にも三年という言葉があるように、保育園にも「3年以内で辞めることは良くない」という考え方を持っている人がいます。保育業界に関わらず、このような考えをもっている方はいらっしゃると思います。
先に結論から言うと「保育士」という職業において「石の上にも三年」という言葉を真に受けて、3年間我慢して働くというのは無意味です。保育士の方で今、せめて我慢して3年間は頑張って見ようと考えている方に、それが無意味であることを説明します。
ブラック園にいた頃に3年間我慢して働いた経験があります
複数回の転職経験があります
その経験が参考になればと思います
「石の上にも三年」の意味とは?
「石の上にも三年」の意味は「我慢強く辛抱すればいつかは成功する」ということです。冷たい石の上に三年間座っていればあったまるという話からできたことわざのようです。
そもそも3年というのはことわざ上の例えなので、まずこの年数に意味はないということです。なのでそもそも3年我慢すればどうこうという話ではないです。「我慢強く辛抱すればいつかは成功する」ということが正しくても、それが1年なのか3年なのか10年なのかはやってみないとわかりません。
保育士において我慢して働き続けるというのは無意味
保育士において我慢して働き続けるというのは無意味であるということについて条件別に理由を紹介します。
保育士として保育業界で働き続けたいと思っている場合
まずは、保育士として保育業界で働き続けたいと思っている場合です。
能力・スキルは価値のある場所で高めるべき
同じ3年であれば、能力・スキルは価値のある場所で高めた方が良いです。
特に保育業界においては、認可保育園であれば、保育の方針や教育手法などは違えど基本的な仕組みはどの保育園も同一です。
わざわざ我慢してまで同一の施設で働く必要はありません。他の保育施設に転職して、我慢せずに働ける環境で働いたほうが能力・スキルの面でも価値が高いです。
よく言われることに、保育士の保育スキルというのは、周りの保育士の影響が大きいということです。特に新人や未経験の保育士は先輩保育士などの振る舞いを見て、それを真似するので、周りの質が低いとそれが伝染します。
例えば、福岡県の認可保育園で保育士が子どもに対して暴言を吐くという事件がニュースになりました。保育士が園児に「ブタ」「ばか」などと暴言を吐いていたようです。
この認可保育園では一人の保育士がそのような言動を吐いていなのではなく、計8人の保育士が13件の暴言や虐待を行なっていたことが調査でわかっています。
この件のように、保育士の能力やスキルは周りの影響をかなり受けるので、ブラックではないホワイトで価値のある場所で高めるべきです。
ブラックな環境で我慢強く辛抱しても無意味(成功しない)
保育士がブラックな環境で3年間働いても質の低い保育スキルしか身につかないです。
そして、我慢して働き続けたとしてもブラック保育園がホワイト保育園になることはありません。休憩無し、休み無し、サービス残業などのブラック要素は基本的に末端の保育士が頑張って改善して行くというのは難しいです。
ブラック保育園がホワイト保育園に変わらないということはほぼほぼ証明されていると思っています。
もし今がブラック保育園であれば、他のより良い保育園に転職して「石の上にも三年」を実行したほうが良いです。
将来的に保育士を辞めて別の職業に就きたいと思っている場合
3年耐える時間が無意味
保育で身についた知識が他の業界で働く場合に役に立つかというと必ずしもそういうわけではないです。つまり、もし将来的に保育士を辞めて別の職業に就きたいと思っている場合、3年耐える時間がほぼほぼ無意味になります。
もちろん、保育士の仕事も様々なので全く無意味というわけではなないですが、他の職種を考慮した場合は、保育で学んだスキルはあまり役に立たない場合が多いです。
保育の仕事自体をやめようと思っているのであれば、3年間我慢して保育士として働いて知識を得るよりは、早く辞めて挑戦したい別の職業のスキルをつけるべきです。
現状が辛くても三年間我慢して働いたら仕事が楽しくなるかも?
確かにこれに関しては一理あります。保育士として、はじめは出来なかった事ができるようになってきた時に楽しいと思えるようなことがたくさんあると思います。
なので、現状が辛いのが自分の技術面であれば、続けてみる価値はあると思います。ただし、前述の通り、同じ3年であれば、能力・スキルは価値のある場所で高めた方が良いです。
必ずしも今の施設で3年間苦しい思いをしながら我慢して働く必要はありません。
ただし、もちろん我慢して働いたからと言って仕事が楽しいものになるという保証はないです。先程も書いたように3年というのはことわざ上の例なので、本当に3年間で答えにたどり着けるかどうかはわかりません。
さらに加えると、人間関係に関しては3年間我慢したところで変わることはほとんどないです。もちろん自分の苦手だった人が年後にいなくなる可能性はありますが、これは自分の力ではなくて単にそういうタイミングだったというだけです。
そのため、人間関係でいまが辛いのであれば、早々に見切りをつけて別の保育園に転職するとことをおすすめします。
保育士辞めるなら早ければ早いほうが良い
そうは言われても保育士を辞めるかどうか自体を迷っているという方もいると思います。
このような方でも、私はできるだけ早く保育士を辞めて別の職種を経験することをおすすめします。
以下の記事にも記載していますが、保育から異業種への転職はなかなか難しいことが多く、保育の経験だけで年齢を重ね異業種へ挑戦しようとするとうまく行かないことが多いです。
若い年齢であれば、第二新卒という形で、未経験でも異業種にポテンシャル採用という形で採用してもらえるチャンスが多いです。
ポテンシャル採用は、現在の実力や経験ではなく、その人の持っている潜在能力を買い、会社で育てようという採用になります。
そのため、年齢が若いほうが有利になります。
逆に、異業種から保育士への出戻りというのは、今は圧倒的な保育士不足なので比較的実現しやすいです。
つまり、早めに決断して異業種に転職して、そちらがやっぱり合わなかったら保育士に戻るということも比較的に容易に実現できます。
仮に保育士に戻ったとしても、異業種での就業の経験というのは、今後の人生において価値があるものになっているかもしれません。
石の上にも三年で呑気に保育士を続けていたら、どんどん他業種に転職できる可能性が減ってしまいます。
「せっかく資格取ったんだから3年は我慢して働きなさい」
- 「せっかく資格取ったんだから3年は我慢して働きなさい」
家族でもこういう無責任なアドバイスをする人がいます。このような言葉は善意のナイフとも言えるような言葉だと思います。
3年間我慢して働いた結果、精神的に病気になってしまっても家族はその3年間を返してくれません。精神的に追い詰められてしまっては意味が無いです。
3年間我慢して、結局やっぱり保育士は違うなと思った時に、気づいたら転職の選択肢が少なくなっているかもしれません。
だからこそ、せっかく資格をとったから、別のことをするという考え方がよいと思います。今の時代は保育士不足なので、一度保育士という仕事から離れても復帰することができる環境があります。
保育士資格を持っていながら保育士として働いていない潜在保育士の復帰支援も各自治体で行われているので、別のことをしても復帰がしやすいです。
さらに言うと、保育士の待遇改善はここ数年で徐々に改善してきています。保育士辞めてあと復帰したら前より給料が良くなってるなんてこともあるかもしれません。
「3年は働かないと他の園では通用しないよ」
- 「3年は働かないと他の園では通用しないよ」
もし今働いている保育園で園長から「3年は働かないと」と言われている場合は、単に辞めてほしくないから無責任に言ってる場合が多いです。
そこの保育園で3年働かなくても別の場所で働けば問題ないです。今は圧倒的に保育士不足なので、年度途中だろうが、一ヶ月で退職していようが比較的簡単に他の保育園に転職できます。
このような言葉を真に受けてブラック保育園で働き続けてしまうのは本当にもったいなくて時間も無駄だと思います。やはり、どうせ保育士を続けるのであれば、自分にとっても価値のある場所で働くべきです。
まとめ:保育士は辛くても3年は我慢して働くべきなのか?【石の上にも三年】
結論としては「保育士」という職業において「石の上にも三年」という言葉を真に受けて、3年間我慢して働くというのは無意味です。そもそも3年という数字に意味はないです。
- そもそも3年という年数に意味はない
- 保育士を続けるなら能力・スキルは価値のある場所で高めるべき
- 別の仕事をするなら保育士で3年耐える時間は無意味
また、保育士を辞めて別の仕事をするのは早ければ早いほうが良いです。
ただし、現状が辛くても三年間我慢して働いたら仕事が楽しくなるという可能性は否定しません。
今が本当に辛いのであれば、石の上にも三年と思って我慢せずに、職場を変えるなり・職種を変えるなりして行動を起こすべきだと私は思っています。
保育士の転職は転職エージェントの利用がおすすめです。
転職は、保育士の転職エージェントの利用がおすすめです。ブラック保育園に就職してしまう可能性を極端に減らすことができるのが転職エージェントになります。
残業の多さや、有給休暇の取得率、保育園の内情もコンサルタントから聞くことができるので、人間関係で悩むことが多い保育士にもおすすめです。
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