これから就職や転職を考えている保育士の皆様。
保育園って世の中にたくさんありますよね。保育園の数が多くてどの保育園の面接を受けたらよいか、働く保育園選びで迷ってしまっている方もいらっしゃると思います。
今回は、保育士は保育園の求人のどこを比較すれば良いのかということを紹介します。
複数回の転職経験があります
その経験が参考になればと思います
保育園が多くて選べない、迷ってしまう保育士は多い
保育園が多くて選べない、迷ってしまう保育士は多いです。一般的な企業は大きいものになると何万人と社員がいる大きいものもありますが、保育園は数十人規模の職員がいる会社が全国にたくさんあるのでそもそもの選択肢も多いです。また、数が多い割に待遇や仕事内容はほとんど似たり寄ったりなので、余計に複数から一つを選ぶということが難しくなります。
しかも、それぞれの園の規模が小さいので、働いた人の客観的な評判や口コミなどもほとんどないので、それが保育士を余計に悩ませてしまう原因にもなっています。
働く保育園を選ぶための比較検討のポイント
働く保育園を選ぶための比較検討をするポイントは、
- 自分自身の保育観
- 経験(したいこと・したくないこと・負担に感じるところ・やりがいを感じるところ)
を踏まえて比較検討するということです。
それぞれの保育園の良い悪いは必ずしも世の中の保育士全員が一致するわけではありません。それぞれの考え方によって、その保育園のほうが良い悪いということは変わります。
一般的によく言われる、例えば「小規模園は楽」というような考え方が全員に共通しているわけではありません。このような考え方からスタートとして保育園の選択肢を狭めてしまうのはもったいないです。「小規模園は楽」というのは他の人がたまたま感じたことですし、現に小規模でも保育士の人数が足りていないと、そこでの仕事は悲惨なことになってしまいます。
それぞれの保育士ごとに大切にしているポイントは違うと思うので、その部分を考慮して比較検討をしてみましょう。
働く保育園を選ぶための比較検討すべき要素一覧
ここからは、働く保育園を選ぶための比較検討すべき要素一覧を紹介します。
保育理念・保育方針
保育園が掲げている保育理念は園ごとの特徴を端的に表していることが多いです。自分自身の保育観や経験などと照らし合わせてみて合う合わないを判断すると良いと思います。
園児定員
在籍園児が多く、同僚の保育士も多く色々な経験ができる園が良いという人もいれば、小規模な園で園児一人一人に寄り添った保育をしていきたいという人もいると思います。一概にどちらが良いかということではないので、自分自身の保育観や経験を踏まえて、どちらの園のほうがよりよいかという比較検討の基準にしてみましょう。
保育職員の人数と資格割合
保育園では園児に対して、必要な保育士の最低人数が国や自治体によって決められています。ですが、それはあくまでも最低基準なので、余裕を持って保育職員が雇用されていることもあります。開園時間や休日保育の有無なども園によって異なるので、同じ園児定員でも同じ人数の保育士が雇用されているとは限りません。余裕を持って保育職員が雇用されている保育園は、例えば、休暇が取りやすいというような特徴があります。
また、保育園で保育に従事する職員は必ずも100%保育士資格の保有者である必要はありません。保育施設の種類によっては、保育士資格保有者の割合は最低50%あれば良いという場合もあります。保育士資格保持者の割合が少ないと、一人あたりの負担は多い可能性もあります。
行事内容
行事の内容は保育士のやりがいや負担に直結する部分になります。
ほとんどの保育園では利用者である保護者向けに年間の行事の内容などを公開しています。より親切な園ではブログなどで行事の様子をうかがい知ることができる場合もあります。今までの保育士としての経験などを踏まえて、どのような規模感で行事をしているのかということがわかると、保育園間の比較ポイントにできると思います。
また、行事の内容などが外部からはよくわからないという保育園は、注意が必要かもしれません。保育園の行事は保育士だけではなく、利用を検討する保護者も気になる内容になると思うので、それがきちんと公開されていないということは、情報公開の意識が低いということになります。インターネットなどで情報を公開する技術がなかったり、意識がないということになります。わかりやすく言うとパソコンを使える人が園にいないという可能性もあります。
昨今は個人情報の問題もあるので、詳細の情報までは公開しないというのも悪いことではないと思いますが、おおまかに年間でどのような行事をおこなっているかどうかくらいは公開しておくべきだとは思います。
施設形態
保育士が働くことができる保育施設にはたくさんの種類があります。
- 認定こども園
- 認可保育園
- 小規模保育事業
- 認証保育園
- 認可外保育施設
- 企業主導型保育事業
こちらについてもどの種類の施設が良いということは一概に言えませんが、各施設には制度を踏まえた特徴などがあるため、就職する保育園を選ぶ際は必ず考慮に入れましょう。これらの施設形態の違いは特に就職後の安定性などにも影響を及ぼす場合があります。
各施設の特徴については以下の記事でも紹介しているので参考にしてみてください。
運営母体
保育園が運営している事業者には様々な法人があります。
- 社会福祉法人
- 株式会社
- 学校法人
- 宗教法人
- その他
こちらについてもどの種類の施設が良いということは一概に言えませんが、長く働くという点での園の安定性などに関わってくる部分になります。
各法人が運営する園の特徴については以下の記事でも紹介しているので参考にしてみてください。
法人が運営している園の数
法人が運営している園の数は、保育園の成熟度や今後長く働く上でのリスク度合いを測ることができます。たくさんの園を運営しているということは、それだけ保育園の運営に慣れているということが言えます。つまり、保育士が働きやすい可能性があるということです。また、複数の園を運営しているということは異動や転勤の可能性があるということも言えます。逆に言うと、引っ越しをした際などに異動の希望を出すことができるという場合もあります。引っ越しをしたとしても退職せずに勤務を続けられるのは大きなメリットになります。
法人が園を運営している年数
法人が園を運営している年数についても、保育園の成熟度や今後長く働く上でのリスク度合いを測ることができます。長く運営しているということはそれだけ保育園の運営には慣れているということになります。いきなり閉園してしまうリスクが少ないとも言えます。もちろん、長く運営しているからそれだけで良い園だとはならないので注意してください。
保育士の総年収
保育士の給与については保育園間の良い悪いを正確に比較できるポイントになります。他の要素に関しては人によって好みが分かれる部分になりますが年収は高いほうが低い方より良いということは全員に共通して言えると思います。
保育士の給料を比較する場合は、必ずすべての手当や賞与などを含めた総年収で比較しましょう。そうでないと、適切な比較になりません。間違っても手当の有無などを考慮しなかったり、単純な月給だけで比較したりしないようにしましょう。
保育士の昇給基準
初年度の総年収の比較も大切ですが、長く働くつもりであれば、昇給金額はのちのちの年収に差が付く部分になります。最初だけ給与が高くても昇給額があんまりだと、トータルで貰うことができる賃金は少なくなります。そういった意味でも昇給額とその基準は特に重要です。昇給の基準についても就職転職する際は、見落としがちですが必ず比較するようにしましょう。
働き方全般
働き方全般とは、例えば、以下のような要素になります。
- 教育保育の手法
- シフト制の仕組み
- 担任制度の仕組み
特に自分が保育士として働く上で大事にしている部分や負担に感じる部分などをピックアップして比較してみるとよいでしょう。
各種制度の有無
保育士特有の制度なども、保育士が働く上の差になる部分です。
- 保育士宿舎借り上げ制度
- 教育制度
- 研修制度
などです。どうしても迷ったらこのような各種制度を比較してみるのも良いでしょう。
福利厚生の内容
一般的に福利厚生には大きく2つの種類があります。保育園間の福利厚生を比較する上ではこの2つの種類を理解することがとても大切です。
- 法律で最低限決まっているもの
- 会社が独自で従業員に与えているもの
例えば、産休育休は法律によって義務付けられています。一方で、映画の優待券もらえるというような福利厚生は、義務ではなく会社が独自で従業員に与えているものになります。
法律によって義務付けられているのもはどの保育園でも基本的に共通しているので、それ以上の部分を比較することが大切です。
休暇のとりやすさ
- 有給休暇の付与基準
- 夏季休暇の有無
- 特別休暇の有無
また、休暇制度自体はあっても、休暇を取れる状況でなくては意味がないので、制度の有無や良し悪しだけではなく、取りやすさについても比較することが大切です。
仕事量(残業時間)
仕事量も比較検討するべき要素のひとつになります。残業が多ければ、残業代を稼ぐことができますが、その分、負担は増えることになります。また、保育士の場合は、持ち帰りの仕事等のサービス残業も実態としては存在する場合も多いので注意しましょう。また、全体の仕事量が多いと休暇が取りにくいというような別の部分にも影響がある場合もあります。
通勤環境
自分の家からの通勤環境についても忘れてはいけない比較ポイントになります。通勤は日々行うものなので、仕事以外での負担に繋がります。給料は良くても満員電車は耐えられないという人もいらっしゃると思います。
人間関係全般
保育士が働いていく上で、もっとも行き詰まってしまうことが多いのが人間関係になると思います。
- 園長の人柄
- 同僚の人数や人柄
- 保護者の人柄
見学や面接を通してもわかる部分はあるので、仕事内容や給与待遇だけではなく、人間関係に関しても必ず比較検討してみてください。
働きはじめる前に比較が難しい部分は?
働く保育園を選ぶための比較検討すべき要素のなかで働き始める前、つまり、就職や転職活動をしている段階で比較するのが特に難しいのが、人間関係全般についてだと思います。
人間関係は外からではほとんどわからず、実際に働き始めてからでないとわからない部分も多いです。ただし、対応策もないわけではないので、紹介します。
見学や面接をしっかりと行う
働きはじめる前に人間関係全般についてもっともよく分かる場面は、見学や面接をした時です。なるべく、実際の保育中の現場を見せてもらうと良いでしょう。どんな園長がいて、どんな保育士が働いているのかということを垣間見ることができます。
保育士からの評判などを知る
知り合いの保育士などに、候補になっている保育園のことを知っている人がいればまたとないチャンスになります。実際に働いたことがあったり・働いた人を知っている人の話はとても参考になります。
保育士転職サイトで聞いてみる
保育士転職サイトは、保育園の内情を知っている場合も多いです。過去に保育士を紹介している実績があったり、派遣保育士を派遣した経験があることもあるためです。そして、同じように転職を考えている保育士からの不満なども聞いたことがあるためです。また、保育園の園長とは電話などやり取りをしたことがある場合もあります。
事前に園長の人柄や人間関係などを詳しく知りたいという場合は、保育士転職サイトを利用して保育園の求人を紹介してもらうようにしましょう。
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※ 保育士の転職サイトは新卒の方や未経験の保育士の方、資格取得見込みの方でも利用可能です。
まとめ:保育士求人はどこを比較すれば良い?働く保育園を迷っている方へ。
今回は、保育士は保育園の求人のどこを比較すれば良いのかということを紹介しました。
比較検討のポイントは、 自分自身の保育観と経験(したいこと・したくないこと・負担に感じるところ・やりがいを感じるところ) を大切にするということです。間違っても別の誰かの「あの保育園は良い」「あの保育園は悪い」というような曖昧な情報だけを参考にしないようにしましょう。参考にする場合は、なぜ良いのか悪いのかという部分をしっかり確認し、自分自身の価値観と照らし合わせて判断しましょう。
働く保育園を選ぶための比較検討すべき要素一覧をまとめると以下になります。
- 保育理念・保育方針
- 園児定員
- 保育職員の人数と資格割合
- 行事内容
- 施設形態
- 運営母体
- 法人が運営している園の数
- 法人が園を運営している年数
- 保育士の総年収
- 保育士の昇給基準
- 働き方全般
- 各種制度の有無
- 福利厚生の内容
- 休暇のとりやすさ
- 仕事量(残業時間)
- 通勤環境
- 人間関係全般
それぞれの保育士ごとに大切にしているポイントは違うと思うので、その部分を考慮して比較検討をしてみましょう。