保育士の給料の平均や手取りは?処遇改善費とは?本当に激務薄給なの?

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保育士の転職サイトは新卒の方や未経験の保育士の方、資格取得見込みの方でも利用可能です。


これから保育士として働こうとしている方、保育士で転職を考えている皆様。以下のように思っている方も多いと思います。

こんな疑問や悩みはありませんか?
  • 保育士は激務薄給って聞くけどどうなの?
  • 実際は月の手取り額はどうなるの?
  • 最近聞く処遇改善ってなんなの?

今回は、保育士の給料の平均や手取り、処遇改善費について紹介します。保育士は激務薄給って言われることが多いですが、本当のところはどうなのかを紹介します。

この記事の信頼性
私は保育園、幼稚園、認定こども園で勤務した経験があります
保育士向けの処遇改善手当も給与として受け取ったことがあります
その経験が参考になればと思います

統計上の保育士の平均の給与額は?

国の調査では2020年度の保育士の平均年収は約374.5万円となっています。

種別 平均値
平均年収 396.9万円
平均月収 27.14万円
年間賞与等 71.22万円
平均年齢 38.0歳
勤続年数 8.5年
労働時間 167時間
超過実労働時間 3時間

※出典:「厚生労働省-令和5年賃金構造基本統計調査」https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2023/index.html

統計的にはやはり他業種と比較してもやや低い年収であることがわかります。この数値に園長などの保育園の経営層なども含まれているとしてたら、現場の保育士の給料の平均はさらに低いことになります。

都道府県別の保育士の平均年収額は?

以下は国の統計による2019年の都道府県別の保育士の平均年収額になります。
もっとも平均年収が高いのは「滋賀県」になっています。ついで「東京都」「神奈川県」となっています。

保育士(男女計) 平均月給 平均年間賞与等 平均年収
北海道 25.29 57.32万円 360.80万円
青森県 21.77万円 56.49万円 317.73万円
岩手県 25.13万円 60.36万円 361.92万円
宮城県 27.94万円 56.61万円 391.89万円
秋田県 21.89万円 71.31万円 333.99万円
山形県 23.49万円 28.44万円 310.32万円
福島県 25.59万円 59.42万円 366.50万円
茨城県 25.50万円 66.37万円 372.37万円
栃木県 24.51万円 73.45万円 367.57万円
群馬県 25.67万円 107.01万円 415.05万円
埼玉県 26.77万円 56.66万円 377.90万円
千葉県 28.19万円 49.95万円 388.23万円
東京都 31.58万円 74.51万円 453.47万円
神奈川県 29.12万円 67.27万円 416.71万円
新潟県 22.20万円 77.91万円 344.31万円
富山県 23.75万円 85.52万円 370.52万円
石川県 24.63万円 51.11万円 346.67万円
福井県 24.37万円 88.45万円 380.89万円
山梨県 24.74万円 42.63万円 339.51万円
長野県 26.87万円 67.62万円 390.06万円
岐阜県 22.82万円 50.77万円 324.61万円
静岡県 25.58万円 90.38万円 397.34万円
愛知県 26.98万円 71.36万円 395.12万円
三重県 22.98万円 64.06万円 339.82万円
滋賀県 25.23万円 66.31万円 369.07万円
京都府 30.27万円 89.60万円 452.84万円
大阪府 29.15万円 78.18万円 427.98万円
兵庫県 27.30万円 83.02万円 410.62万円
奈良県 26.33万円 67.63万円 383.59万円
和歌山県 29.83万円 91.93万円 449.89万円
鳥取県 24.60万円 62.94万円 358.14万円
島根県 22.87万円 78.28万円 352.72万円
岡山県 23.60万円 67.69万円 350.89万円
広島県 29.15万円 102.99万円 452.79万円
山口県 25.13万円 93.50万円 395.06万円
徳島県 23.50万円 75.37万円 357.37万円
香川県 24.42万円 65.85万円 358.89万円
愛媛県 24.33万円 81.94万円 373.9万円
高知県 25.06万円 69.91万円 370.63万円
福岡県 25.67万円 83.32万円 391.36万円
佐賀県 25.23万円 77.24万円 380.00万円
長崎県 24.76万円 73.65万円 370.77万円
熊本県 25.03万円 79.49万円 379.85万円
大分県 23.62万円 57.85万円 341.29万円
宮崎県 25.16万円 84.52万円 386.44万円
鹿児島県 22.37万円 58.37万円 326.81万円
沖縄県 24.48万円 46.56万円 340.32万円

※出典:「厚生労働省-令和5年賃金構造基本統計調査」https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2023/index.html

この統計から考えると、保育士の年収が高いのは都市部に集中している傾向があるということです。保育士の給料は国や自治体の補助金に左右されやすいため、資金力のある自治体のほうが有利な傾向があります。

また、都市部は保育士以外の他の業種に関しても年収が高いため、競争の面でも保育士の給与は高くなる傾向があるのかもしれません。

逆に考えると、都心部などは保育士を辞めて別の職種に就職したとしても給与が高いため、保育士に不満がある人は他業種に流れやすくなっているかもしれません。

ちなみに保育士の新卒者の平均年収額は?

以下は新卒者ではなく、20歳~24歳の保育士のデータになりますが参考になる数字だと思います。

種別 平均値
平均年収 320.88万円
平均月収 23.09万円
年間賞与 43.80万円

※出典:「厚生労働省-令和5年賃金構造基本統計調査」https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2023/index.html

平均月収が23万円だと手取りは10万円台になることもあります。なかなか厳しい数値だと思います。

ただし、最近では新卒の保育士の初任給も上昇傾向にあります。保育士で年収500万円が目指せる時代になってきているのも事実です。

実際の保育士の給料はどうなの?

統計のデータはあくまでも、保育士全体の平均です。「園長」などの給料が比較的高い方も含まれています。統計上は給料が上がっていると言われますが、実際に働いている保育士からしてみると実感でももう少し給料がは低いと感じる方も多いはずです。
実際の給料はどれくらいなのかは求人を見ることでなんとなく見えてきます。

都道府県 平均月給
東京都 26.3万円
神奈川県 25.2万円
埼玉県 24.6万円
千葉県 26.0万円
茨城県 22.5万円
栃木県 22.0万円
群馬県 21.9万円
大阪府 23.8万円
兵庫県 23.2万円
京都府 22.5万円
愛知県 25.0万円
静岡県 22.1万円
北海道 21.6万円
宮城県 21.4万円
広島県 22.1万円
福岡県 22.2万円

【ジョブメドレー保育士】より(2024年7月時点)

【ジョブメドレー保育士】は保育士の求人を扱っている転職サイトです。掲載している求人をもとに都道府県ごとに保育士の求人の平均月給を載せています。求人の数や内容は時期などによっても異なりますが、大まかな平均月給を見ることができます。
基本的に求人には経験を考慮していない最低月給が載せられていることが多いので、上記の金額は「新卒」や「未経験者」が保育士になるとだいたい月給でいくらぐらいになるのかということが見えてきます。やはり高いのは東京都など首都圏近郊になっています。

特に保育士に関しては地域で仕事内容が大きく変わるわけでは有りません。保育士は働くなら東京や首都圏近郊がおすすめという記事も書きましたが、まさにそのような結果になっています。

保育士の好待遇の求人を探す上でのポイントは?

保育士の宿舎借り上げ制度が利用できるか?

保育士不足の影響により国が保育士の宿舎借り上げ支援事業を行っています。自治体によって異なりますが、保育士は月額8万円程度相当の賃貸にほぼ自己負担なしで住むことが可能です。

各市区町村によって実施の有無がことなります。また、市区町村で導入していても保育園が必ず導入しているとは限らないで、求人を探す際に必ず詳細について確認が必要です。

宿舎借り上げ制度を確実に利用したい場合は、制度にも詳しい保育士の転職エージェントを利用しての転職がおすすめです。

どれくらいのペースで昇給するのか?

保育士の求人を比べる上で意外と見落としがちなのが、昇給についてです。ホワイトな保育園ほど情報をしっかりオープンに公開している傾向があります。
最初の給料が高いからと行って昇給がほどんどない保育園などもあります。しっかりとどれくらいのペースでどういう基準で昇給していくのかを把握することが好待遇の保育園を探す上で重要になります。

処遇改善費や各種手当ての内訳はどうなっているか?

保育士の処遇改善費って何?

処遇改善費は、国が行っている保育士の給料改善施策です。導入している保育園では、経験や役職によって最大月額4万円の処遇改善費が支給されます。
導入の有無や実際の分配基準は保育園に任されている部分があるので、求人を探す際は事前に確認が必要です。たとえば、4万円をひとりに支給することもできれば、1万円づつ4人に支給することもできます。
毎月ではなく、ボーナスの際に一括で付与するということも可能です。

一点注意が必要なのは賞与の計算方法です。処遇改善や手当などで月給がたくさん上乗せされていても、賞与は「基本給」の○ヶ月分として計算するという保育園もあります。
例えば基本給10万 + 処遇改善2万 + 手当8万 = 月給20万円 とします。 賞与が4ヶ月分で(80万円)も貰えると思って喜んでいたら実は40万円ということもありえます。

求人に書かれていないことは過度に期待しない

求人に書かれていないことで良い条件は期待しないほうが良いです。例えば、求人に「賞与あり」と書かれていることがありますが、いつも「何ヶ月分?」と思います。よくよく聞いてみると2ヶ月分しかなかったりします。
良い情報であれば積極的に載せるので、具体的なことが書いてない場合は勝手に推測するのは危険です。

逆に悪い情報もわざわざ求人情報には載せないのが一般的です。たとえば「残業が毎月たくさんあります」というような情報が載っていることはほとんどないです。しっかりと求人にかかれている情報をもとに実情を読み取ることも重要です。

一つ言えることは、良い保育園ほど情報をオープンに公開している傾向が強いです。具体的な昇給ペースや、産休・育休実績などをしっかり公開している保育園はホワイトな傾向があると思います。
逆に、具体的な記載がない場合は怪しんで見るべきです。例えば「人間関係が良い」などの定量的ではない情報は嘘が付き放題なので注意が必要です。

保育士の給料ではどんな生活ができる?

ジョブメドレー保育士の東京都の給料情報をもとに仮に26万円を月の給与額とします。賞与は2-4ヶ月程度の場合が多いので3ヶ月として設定します。
ちなみに東京都では、保育士としてこの条件を満たすのはそこまで難しいことではなく平均的な水準だと思います。

  • 前提条件
    • 月給26万円
    • 賞与78万円
    • 宿舎借り上げ制度を利用

この条件でざっくり平均的な手取り額は以下のようになります。

  • 手取り額 216,136円
    • 健康保険料 -12,974円
    • 厚生年金保険料 -23,790円
    • 雇用保険料 -1,560円
    • 源泉徴収額 -5,540円
    • 住民税額 -14,100円
  • 賞与手取り額 637,869円
    • 健康保険料 -38,922円
    • 厚生年金保険料 -71,370円
    • 雇用保険料 -4,680円
    • 源泉徴収額 -27,159円

手取り年収は約320万円になります。宿舎借り上げ制度を利用していれば月々の家賃負担はないのでかなり楽に暮らせるのではないでしょうか。
ちなみに、厚生労働省の「家計調査年報(家計収支編)」によると、単身世帯の月の支出は「住居費」を除くと平均143,805円なので、約7万円程度を貯金に回すことができます。

※参考「厚生労働省「家計調査報告 家計収支編」」よりhttps://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_gaikyo2020.pdf 単身世帯のデータを利用

逆に、宿舎借り上げ制度を利用しない場合は住居費がかかるので、割とカツカツかもしれません。それほど保育士の宿舎借り上げ制度は大きいものになります。

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