これから就職や転職を考えている保育士の皆様。
保育士にとって離職率が低い保育園というのは基本的に良いことばかりです。その反面、これから転職を考えている保育士の方にとっては、その保育園は離職する保育士が少ないので、求人が出てくる可能性も低いです。だからこそブラックからブラックに転職してしまう保育士の方も少なくないです。
今回は、そんな離職率が低い長く働ける保育園の保育士求人の探し方を紹介します。
複数回の転職経験があります
ブラック園からホワイト園に転職した経験があります
その経験が参考になればと思います
離職率とは?
就職活動や転職活動をしている人であれば、一度は気にしたことがあると思うのが離職率だと思います。
離職率というのは、その会社の社員が離職している割合のことを指します。例えば、100人の社員がいる会社で一人が退職した場合の離職率は1%ということになります。
離職率というのは一般に公開されている情報ではなにので、会社が採用のために自ら出している数値になります。そのため離職率が高い会社は数値を公表しないということも可能です。
新卒の就職サイトなどでは、3年後離職率というのが公表されていたりします。これは、3年以内での離職は、会社に問題があると考える人が多いためです。
石の上にも3年と考える人も多く、入職後3年間はなにか辛いことなどがあっても我慢して働こうと考える人が多いです。
離職率が低いということは社員の定着率が良いということになるので、一般的にホワイト企業は離職率が低いとされています。
逆に、ブラック企業などは、給与待遇などが悪いので、他の会社に転職を希望する人が多く離職率が高くなります。
ブラック企業は、社員がどんどんやめていきますが、それを見越してたくさんの人を採用していたりします。そうするとまた、離職率が上がっていきます。
ただし、離職率が高い = ブラック と断定できるわけでは決してありません。離職率の裏には必ずそれぞれが退職した理由があります。
例えば、3年間働く、しっかりとしたスキルが身に付いて、他業種への転職が可能なのかもしれません。独立開業のような形で仕事ができるようなスキルが身についているかもしれません。
本当に大切なのは、なぜ離職したのか、そして、その理由が会社の問題であれば、それを改善する動きはあるのかということです。
平均的な保育士の離職率はどれくらい?
保育所で勤務する保育士の採用率と離職率は厚生労働省の調査によると以下のようになっています。
勤務者 | 採用者数 | 採用率 | 退職者数 | 離職率 |
---|---|---|---|---|
全体 | 407,287人 | 60,830人 | 14.9%(15.1%) | 37,716人 | 9.3%(9.4%) |
うち公営 | 118,481人 | 10,087人 | 8.5%(8.5%) | 6,941人 | 5.9%(6.3%) |
うち私営 | 288,806人 | 50,743人 | 17.6%(18.1%) | 30,775人 | 10.7%(10.8%) |
※ 保育所で勤務する保育士の採用者と離職者(常勤のみ)
※ 採用率及び離職率は、平成29年10月1日時点の勤務者数に占める、平成28年10月1日から平成29年9月30日までの間の採用者数・退職者数の割合となっている。
※(出典)平成28年及び平成29年社会福祉施設等調査(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000661531.pdfより
おそらく保育士の離職率は、一般の会社と比較するとかなり高い数値になっていると思います。それだけ入れ替わりが激しい職場なのが保育園になります。
私立保育園のほうが離職率は高く、約10%という結果になっています。公立保育園のほうが離職率が低いのは、公立保育園に勤める常勤の保育士は公務員という扱いで、待遇も私立と比べて保証されているということが影響していると思います。
私立保育園では、およそ毎年1割程度の常勤の保育士が離職しているということになります。これは、20人の常勤の保育士がいたら約2人が平均的に離職しているということになります。
自分の働いている保育園がこの数値よりも大幅に多いという場合は、その保育園は離職率が高い保育園ということがだいたい分かると思います。
離職率が低いことは保育園や保育士に良いことばかり
離職率が低いのは保育園や保育士にとって良いことばかりです。
以下で離職率が低いことによる、保育園や保育士へのメリットを解説しています。
保育士の入れ替わりが少ない -> 子どもが安定する
保育士の入れ替わりが少ないということは子どもたちの心身の安定にも繋がります。
保育士がころころ入れ替わる環境だと子どもの精神面も不安定になりがちです。
特に乳児などでせっかく新たな環境に慣れてきたのに保育士が変わってしまうとまた保育園に慣れるところからはじめる必要があります。
保育士の入れ替わりが少ないことは、保育の面でも子どもが安心して過ごせる環境に繋がります。
子どもが安定していると、働いている保育士としてもメリットがあります。日々の保育の負担という面でも、軽減される場合があります。
また、保護者にとっても良い側面もあります。
保護者からの信頼の厚くなる -> 保育園の経営が安定する
保護者の目線からも保育士がころころ入れ替わる保育園よりはずっと同じ先生がいる保育園のほうが安心感があるので、一般的に保育園の信頼が高まります。
特に、最近では保育士の一斉退職なども話題になっており、保護者も保育士の離職に関して敏感になっています。保育士が集団離職すると保育園が運営できなくなり、転園を余儀なくされてしまったり、最悪の場合待機児童になってしまうということにもなりかねません。
しかも、保護者からの信頼があると、子どもの定員を十分に満たすことが可能なので、保育園の経営も安定します。
保育園の定員が十分に埋まっていないということは、保育園の収入が足りていないという状態になるので、定員が満たされることは保育士にとってもメリットがあります。
場合によっては保育園を運営する法人が赤字になり、給与支払いが遅れたり保育士を雇い続けることができなくなってしまうこともあります。
そうなった場合のつけは、働いている保育士に向かうことになります。サービス残業や持ち帰りの残業が増加したり、有給休暇の取得もしにくくなるかもしれません。
採用コストがかからない -> 別のことにお金をかけられる
保育園が新たな保育士を雇うにはそれなりのお金がかかります。インターネットに求人を掲載するのにもある程度お金はかかってきます。
転職サイトを利用した場合は採用が決まると保育士の年収の2、3割の手数料を転職サイトに対して支払う必要があります。
単純に面接や見学の対応をするのにも、園長などが対応する時間が割かれることになります。採用が決まってからも色々な手続きがあるのでそれらの時間もかかります。
離職率が低いと採用にかかるコストもかからないので、その分を別のことにお金をかけることができます。
保育士の給料を上げることも、保育園の備品を買うこともできると思います。
教育コストがかからない -> 保育士一人一人の負担が少なくなる
新たに保育士を雇うと教育のコストもそれなりにかかります。新卒や未経験者ならもちろんゼロから保育に関して教えていく必要があります。
どんなに保育スキルの高いベテランの保育士を雇ったとしても、その保育園独自のルールや決まりごとは覚えていく必要があります。
今まで慣れていた人がいなくなった分の負担は他の保育士に降りかかるため、保育士一人一人にの負担が増えてしまします。
慣れた保育士同士であれば、あうんの呼吸で仕事をすすめることもできるようになっていると思いますが、それもできなくなります。
離職率が低いと結果的に保育士一人一人の負担が少なくなると言えます。
保育士の人間関係も良好な場合が多い
保育士の離職率が低いということは、人間関係も良好な場合が多いです。様々な調査で保育士の離職理由の一番になっているのが、「人間関係」に関してです。
保育士の離職率の低い保育園はいじめやパワハラなどの人間関係の悩みも少ないと言えます。
離職率が低い長く働ける保育園の求人の探し方
離職率が低い長く働ける保育園の求人の探し方には以下のような手段があります。
- 年間を通して求人情報を見続ける
- 転職サイトに聞いてみる
年間を通して求人情報を見続ける
離職率が低い長く働ける保育園の求人の探し方で最も良い方法は「年間を通して求人情報を見続ける」ことです。
余程の大きな法人でない限り、1年間にわたってずーっと求人を出している保育園は、離職率が高いと見てほぼ間違いないです。
年間を通して近所の保育園の求人情報を見ているとよく見かけるなという保育園が必ずあります。逆に、滅多に求人が出てこないという保育園もわかります。
前者の保育園は離職者が多くて、頻繁に採用しているということもありますし、募集をかけても条件が悪く全然保育士が集まっていないという可能性もあります。どちらの場合も保育士にとってはあまり好ましいことではないです。
後者の滅多に求人が出てこないという保育園は、離職率が低く、募集をかけてもすぐに採用が決まるという場合が多いです。
この方法は時間がかかりますが、確実に保育園の離職率を見分けることができます。ずっと保育園の求人を見ていないとできないというのがデメリットになります。
ただし、保育園をたくさん運営している株式会社などは新設の保育園も多く、基本的に通年で保育士の採用を実施しているため注意が必要です。
このような保育園は法人内での保育士の流動性が高いため、必ずしも求人を頻繁に出しているからといって離職率が高いとは限らないです。
例えば、同じ法人が運営するA保育園とB保育園があるとします。B保育園で採用が決まれば、B保育園で働いていた保育士がA保育園に異動するということが可能です。
保育士の転職サイトに聞いてみる
次に有効な離職率が低い長く働ける保育園の求人の探し方は「保育士の転職サイトに聞いてみる」ことです。保育士の転職サイトは過去に同一の保育園に保育士を紹介している場合が多いです。
過去に保育士を紹介していて、また求人を出しているということになれば、誰かが退職したのだろうということがわかります。
保育士の転職サイトは圓との付き合いもあるので保育園の内情にも詳しいです。離職率以外の有給休暇の取得率や人間関係などにも詳しいです。
- マイナビ保育士|全国の正社員・パート保育士の求人に対応しています。登録するとネット上での検索などでは見つからない非公開の人気のある高待遇の求人情報も得られます。 まずは求人情報を知りたいだけという方でもOKです!
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※ 紹介できる求人などに差があるため転職サイトは複数社に同時登録して併用がおすすめです。就職転職活動が不安な方はまずは簡単な相談目的での登録でも大丈夫です。
※ 保育士の転職サイトは新卒の方や未経験の保育士の方、資格取得見込みの方でも利用可能です。
【まとめ】離職率が低い長く働ける保育園の保育士求人の探し方!離職率が低い利点を解説!
保育士の離職率が低い保育園は以下の面で保育士にもメリットがあります。
- 子どもが安定している
- 保育園の経営が安定している
- 保育士の待遇・備品などが充実している
- 保育士一人一人の負担が少なくなる
- 保育士の人間関係も良好な場合が多い
長く働ける保育園というのは、ボーナスや退職金の面でも優位です。早期に退職すると次のボーナスが貰えなかったり、退職金の支給額にも関わるためです。
離職率は普通は公開されていない情報なので、情報を得るのにもコツが必要です。
- 年間を通して求人情報を見続ける
- 保育士の転職サイトに聞いてみる
というのが離職率を知るための具体的な方法になります。
可能であれば保育士が転職をする際は離職率を気にしてみると良いと思います。