これから退職を考えている保育士の皆様。退職日をいつにするのかというのは悩むところだと思います。
実は、退職日の月末、月初、月途中等の違いによって、お金の損得が生じる場合があります。今回は、そのような方向けに、保育士の退職日は月末、月初、月途中のいつが良いのかという点を解説します。
複数回の退職、転職経験があります
その経験が参考になればと思います
保育士の退職日は月末、月初、月途中のいつが良い?
タイトルの話になりますが、保育士の退職日は月末、月初、月途中のいつが良いのかという話です。退職日はなんとなく月末にしている人も多いと思います。実際のところ、保育士が保育園を退職する際は、退職日は月末、月初、途中のいつが良いのでしょうか。
退職日は自分で決められる?
本題に入る前にまず知っておくべきことは、退職日は自分自身で決められるのかどうかということです。結論としては、自己都合の退職であれば、自分自身の希望で退職日を決めることができます。
もちろん、保育園として、園長として、○日まで働いてほしい・年度末まで働いてほしいといような依頼をしてくる場合もあります。それに従うかどうかは、本人次第です。そのため「月末」退職、「1日」に退職、「14日」に退職というような任意の日付に退職することができます。
退職日によって何の違いがある?
まず、退職日というのは一体何を指すのかというと、その保育園に在籍していた最後の日になります。給与が支払われる対象となる最後の日ということです。有給休暇等の利用がなければ最終出勤日ということになります。
この退職日が月末、月初、月途中などの違いがあることによって、大きな違いが出てくるのは 社会保険料の支払い に関してです。
具体的にどのような違いがあるか
ここからは「社会保険料の支払い」に関して具体的にどのような違いがあるかという点の説明になります。
社会保険料がかかるのは退職日の翌日の前月まで というルールがあります。
例えば、
- 3月31日が退職日だとすると、4月1日が社会保険の資格喪失日となり、社会保険料がかかるのは3月分までとなる
- 3月30日が退職日だとすると、3月31日が社会保険の資格喪失日となり、社会保険料がかかるのは2月分までとなる
となります。
そして、社会保険から抜ける(会社を退職する)場合は、すぐに別の社会保険に加入する必要があります。この保険料は日割り等ではなく全額支払う必要があります。
結論:保育士の退職日は基本的に月末が良い
先程の例だと、一見すると、後者である「月末以外に退職」したほうがお得のように見えますが、月末以外に退職した場合は、すぐに別の社会保険に加入する必要が出てきます。
保育園を退職してすぐに転職しないという場合を想定すると、国民健康保険と国民年金に加入することになります。そうなると、例えば、月末以外である3月30日に退職した場合でも、3月31日の1日だけでも国民健康保険と国民年金に加入が必要になります。
健康保険料は、雇用されている保育園が半額を負担するルールになっているため、国民健康保険料に切り替わった場合におおよそ倍額程度を自身で支払う必要が出てきます。(厳密には単純に倍額になるというわけではありません。)
このように、月末に退職すると社会保険料の支払金額が変わるため、保育士の退職日は基本的に月末が良いということになります。
ちなみに、社会保険料は前月分が給与から天引きされる、所謂、後払いとなっています。つまり、3月分の社会保険料は、4月分の給与からの天引きされるということです。ただし、3月末に退職をした場合は、4月に給与は無いはずなので、3月分の給与で2ヶ月分をまとめて天引きされるというのが一般的になっています。
ただし例外は結構あります
保育士の退職日は基本的に月末が良いと書きましたが、条件によっては例外があるので注意が必要です。
- 退職後にブランクを開けずに転職をする場合
- 会社都合の退職の場合
- 国民健康保険の減免申請ができる場合
これらの条件によっては必ずしも、退職日は月末が良いとは限らないので、該当する場合は注意しましよう。
【注意】ボーナスの支給日に注意
基本的には月末が良いと書きましたが、一点注意が必要なのはボーナスの支給日に関してです。
多くの企業では、ボーナスの支給はボーナスの支給日に在籍していることが条件となっている場合が多いです。つまり、ボーナスの支給日が6月30日だとすると、6月30日の時点で会社に雇用されているという状態であるということです。
退職を考えている日から、ボーナスの支給日が近いという場合は、その日まで在籍していると賞与を受け取ることができるので、退職日の後ろ倒しなどを検討すると良いです。
もちろん、個々の保育園を運営する事業者によって賞与に関して定められている規則は異なると思うので、必ず保育園の給与規則等を確認しましょう。
自己都合の場合は保育園の退職日は自分で決められる
自己都合で保育園を退職する場合の退職日は、自分自身で決めることができます。 もちろん、保育園側から「○日にしてほしい」と要望されることはあるかもしれませんが、それを受け入れるかどうかは自分次第です。なので、基本的には自分の希望する日付に退職することができます。
一方で会社都合の場合や、やむを得ない事情などによって退職する場合は、退職日を自分で決めることができません。この点には注意が必要です。
保育士だからといって年度末の3月末にする必要は必ずしもない
前項でも書いたとおり、自己都合の退職であれば、退職する日付は労働者である自分自身で決めることができます。そのため、年度ごとに区切りがある保育園での保育士の仕事だからといって必ずしも、年度末である3月末に退職する必要があるわけではありません。あくまでも、自分の希望の日付で退職することができるので、勘違いしないようにしましょう。
残っている有給休暇も消化できる
保育士が保育園を退職をする際には、残っている有給休暇も消化して退職することができます。もちろん勤務している保育園によっては、反発してくる可能性もありますが、仕組み上は有給休暇を消化しての退職は可能です。
月末に退職したいという場合は、有給消化をする日数も含めて「最終出勤日」「有給消化日」「退職日」をそれぞれ決める必要があります。月末まで出勤をしてから有給休暇の消化に入ると、月末の退職ではなく有給休暇の最終の消化日が退職日となってしまうので注意しましよう。
保育士は退職日を決める前に転職活動を始めるべき?
最後に、保育士が気になるのは、退職日を決めて退職の意思を保育園に伝える前に転職活動を初めて転職先の保育園を決めるべきかどうかということだと思います。
これについては、その人の考え方や貯金等の生活資金の条件によって異なります。別の記事で詳しく紹介しているのでそちらも参考にしてみてください。
まとめ:保育士の退職日は月末、月初、月途中のいつが良い?退職日の違いでお金の差も!
今回は、保育士の退職日は月末、月初、月途中のいつが良いのかという点を解説しました。
退職をした後に、一定期間保育士を一休みするような方の場合は、退職日は月末が理想となります。その理由は、社会保険料の支払い の仕組みによって、支払う金額が変わってくるためです。通常は、月末に退職したほうが、お得になることが多いです。もちろん、条件によって例外はあるので注意が必要です。
自己都合の退職の場合は、退職日は自分で決めることができるので、希望の日付に退職をしましょう。保育園で働く保育士だからといって必ずしも年度末の3月末に退職をする必要はありません。