ブランクのある保育士の方。復帰を考えている保育士の方。
今回は、ブランクのある保育士の方向けに再就職・復職についてマニュアルとしてまとめたのでご紹介します。
複数の保育士転職サイトを利用して転職活動をした経験があります
その経験が参考になればと思います
保育士のブランク(空白期間)とは?
まずは本題に入る前に、保育士のブランク(空白期間)について整理しましょう。
潜在保育士とブランク保育士の違い
まずは、潜在保育士とブランク保育士の違いについてです。
一般的に、
- 潜在保育士は保育士資格を持っていて、現在保育士として働いていない人
- ブランク保育士は、一度保育士として働いた経験があるが、現在保育士として働いていない人
指します。
少しややこしいですが、ブランク保育士は潜在保育士ということになりますが、未経験の潜在保育士はブランク保育士ではないということになります。
大きく2通りのブランク保育士のパターン
ブランクのある保育士と言っても大きく2つのパターンがあります。
それは以下の2通りになります。
- 保育士として働いた後、一般企業に正社員として就職していた
- 保育士として働き退職後、特に勤務していない
保育士を辞める前の経験年数や辞めた後のブランク期間が、もし、同じ条件であれば、後者より前者の方が採用という面では有利になるでしょう。後者の場合は、単純に保育士としてのブランクだけではなく、仕事という意味でのブランクもあるためです。
保育士のブランクの基準とは?
保育士に限ったことではありませんが、仕事をしていない期間がどれくらいあると、ブランクと言えるのかということに明確な基準はありません。
雇用する保育園から目線では、保育士として働く上での基本的なことや常識などがあまりに不足しているということであれば、採用可否に影響を与える大きな要因になる場合もあるでしょう。
もちろん、何十年も保育士として働いた後に数年のブランクがある人と、数年だけ保育士として働いたあとに数年のブランクがある人では、保育園側のイメージも変わってきます。
例えば、数ヶ月から2,3年程度の空白期間の場合、そこまでブランクがあるということを引け目に感じる必要はありません。自分自身が保育園で自信を持って働くことができるという意思を持っているのであれば、通常通りの転職者として転職活動をしても良いでしょう。
自分自身が保育園で自信を持って働くことができる状態の人の場合は、ブランクがあるということだけで、下手に出てしまうと、本来、能力があるにも関わらず、経験が加味されない低い給与で入職してしまうという可能性もあります。
むしろ、働く本人が、自信をもって保育士の仕事ができるかということが重要になってきます。やはり、久しぶりなので「なにもわかりません」「できません」というスタンスだと、採用したい・一緒に働きたいという人は少なくなってしまいます。
ということで、ブランクに明確な基準はありませんし、採用する側としても、明確な基準を持って採用可否や採用後の給与待遇を等を決めているわけではないので、まずは、自分自信の気持ちが重要です。
パート保育士、派遣保育士としての期間はブランクになる?
パート保育士や派遣保育士として就業していた期間は、保育士としてブランクがあるとは言えないでしょう。こちらは単に正社員としてはブランクがあるという形になります。
ブランクのある保育士は問題なく復帰できる?
ブランクのある保育士は問題なく復帰できるのかということですが、まずは、自分自身に保育士として仕事をする上で前向きな気持ちがあるかどうかが一つの基準になると思います。
もしそのような気持ちがあるのであれば、ブランクがあったとしても問題なく復帰できる可能性が高いです。
逆に、久しぶりなので「なにもわかりません」「できません」というスタンスだと、一緒に働くことになった同僚としてもやりづらくなってしまいます。面接でそのような空気が感じられてしまうと、保育園としても採用しにくくなってしまいます。
また、保育士として、あまりに昔であったり、基幹的に短い経験しかないという方であっても、昨今は、保育士不足で未経験者歓迎という保育園も少なくないので、まったくどこにも就職ができないという可能性は少ないです。
もちろん、どの保育園でも良いということではなく、ブランクが有るということに対する理解や研修・教育・指導などによって最新の知識やスキルを身につけられる保育園に就職するということが重要になってきます。
ブランク保育士の採用後の給与待遇はどうなる?
ブランク保育士の方で復帰しようと考えている方が気になることの一つに、採用後の自分の給与待遇はどうなるのかということだと思います。
例えば、ブランク前の経験が加味された給与待遇になるのか、それとも、まったくの未経験者と同様の給与待遇になるのかということです。
結論から言うと、入職後の給与待遇は、採用される保育園次第になります。ブランクがあるとは言っても、保育士としての勤務の経験があるので、その分経験を加味した給与としてくれる場合もあります。
また、先ほども少し書きましたが、ブランクがあるからと言って、自信がなさそうで「なにもわかりません」「できません」というスタンスで面接を受けると、給与の下限である未経験者や新卒と同じ待遇での採用になる可能性もあります。
ここは、保育園の給与規定はもちろん、面接での自分のアピールの仕方、交渉などによっても変わってくるので、ブランクがある保育士の方の就職活動においては注意が必要な部分になります。
ブランク保育士の復帰におすすめの雇用形態
ここからは、ブランク保育士の復帰におすすめの雇用形態について紹介します。自信があれば、いきなり正社員で復帰ということでも全く問題ありませんが、少しづつ慣れていきたいという方は非常勤職員としての復帰がおすすめです。
パート保育士
ブランク保育士の復帰におすすめの雇用形態の1つ目は、パート保育士です。パート保育士は、正社員と比べて勤務時間が短く、担任を任されることも少ないので、復帰の最初の働き方におすすめです。まずは保育士の勘を取り戻すことができます。
パート保育士の場合、その保育園の状況次第ではありますが、将来的に正規職員に切り替えて働くということも可能です。
派遣保育士
派遣保育士の良い点は、派遣会社が窓口になってくれるという点です。保育園の労働環境に問題があれば、改善するように交渉してもらえます。就業時間も案件によって様々で、短時間からでも働ける場合もあります。また、契約期間で働く期間というゴールが決まっているため、少し大変なことがあっても、頑張れるメンタルを維持できます。
派遣で良いなと思う保育園で働くことができれば、契約期間終了後に改めて、その保育園の採用面接を受けるというのもありでしょう。
紹介予定派遣の保育士
同じ派遣保育士の仕事のなかにも、紹介予定派遣という仕組みがあります。これは、派遣される保育園で正社員として働くという前提で派遣される仕事になります。これの良い点は、保育士も保育園もお互いに良いなと思えば、派遣期間終了後にその保育園の職員として勤務を続けることができるという点です。
ブランク保育士の復帰におすすめの保育園
ここからはブランク保育士の復帰におすすめの保育園について紹介します。
ブランクのある保育士へのフォロー・研修体制が整っている保育園
ブランク保育士の復帰におすすめの保育園は、ズバリ、ブランクのある保育士へのフォロー・研修体制が整っている保育園です。
昨今は、保育士不足なので、ブランク歓迎の保育園は少なくないですが、その中でも、研修体制が整っている保育園は就業してからの安心感が違います。研修が整っていることでスムーズに復帰することができます。
保育士不足なので、とにかく資格を持った人を雇えれば良いという保育園会社の人間もいるので、そういう保育園に就職してしまうと、雇ったら後は現場任せということになっています。現場の保育士は、保育士で知らない・聞いていない・忙しいなんてこともあるので、注意が必要です。
とにかく人間関係が良い保育園
ブランク復帰にあたっては、とにかく人間関係が良い保育園に就職するのがおすすめです。久しぶりの保育士の仕事で、人間関係が悪い職場にあたってしまうと、保育士の仕事が嫌になってしまい、やっぱり自分に保育士は向いていなかったという気持ちになってしまいます。
人間関係が良ければ、仕事内容が大変に感じたとしても、なんとか乗り切ることができる場合が多いです。
知り合いの紹介の保育園もおすすめ
もし、知り合いに保育園で働く保育士の方がいるという場合は、募集がないかどうか聞いてみるのも良いと思います。
ブランクがある保育士が復帰するのにあたって、同じ園内にもともとの知り合いがいるという状態は精神的にもとても心強いです。なにか困ったことがあったとしても聞きやすいので、まずは知り合いのいる保育園で復帰するというのはとてもおすすめの方法になります。
ブランク保育士の保育士復帰の流れ
ブランクのある保育士の保育士復帰の流れについて解説します。
保育士証、幼稚園教諭免許状の確認
ブランクのある保育士の方が復帰をする際に、まずチェックしなければいけないことは、保育士証や幼稚園教諭免許状の確認をすることです。
それぞれきちんと手元にあるかということ、姓などが変わっていないかということをチェックします。紛失してしまっている場合や姓が変わっているという場合は、手続きが必要になります。
また、幼稚園教諭免許状があるという方は、認定こども園への就職も選択肢に入ってくるので、持っているという方はそちらも確認しましょう。
おおまかに求人に目を通す、雇用形態の検討
本格的に採用面接を始める前にまず行うことは、おおまかに保育士の求人に目を通すということです。ブランクの期間にもよりますが、以前とは保育士の待遇なども変わっている場合があります。
おおまかに通勤圏内の保育士の求人を見ることで、現在の保育士の仕事の相場感を掴みます。あわせて、必要な収入、労働時間などを踏まえながら、どの雇用形態で働くのかということも検討をつけておくとよいでしょう。
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自治体の支援制度を確認する
おおまかに求人情報をチェックしたら、自治体の支援制度を確認しましょう。
住んでいる自治体、就業する自治体によっては、潜在保育士の方が復帰する場合の支援制度がある場合があります。
- 復職のための支援金
- ブランク保育士向けの研修
などです。これらは、基本的に、復帰してからでは利用ができないものなので、必ず就職を決める前にどのような制度があるか目を通しておきましょう。
引っ越しを伴う場合は、支援制度を確認する
保育士の復帰にあたって、引っ越しも考えているという場合にも調べておかなければいけないことがあります。
こちらもこれから住む自治体、就業する自治体によって、保育士の転入支援制度などがある場合があります。
転入を期に保育士として働く場合は、引っ越しの支援金がもらえたり、保育士向けに賃貸を借り上げてくれる制度などがある場合があります。
こちらについても、引っ越してしまった後や復職してしまった後では利用ができない場合もあるので、必ず、事前に目を通しておきましょう。
保育士就職サイトに登録する
ここまで下調べが済んだら、いよいよ本格的に、就職活動を開始します。おすすめの方法は、保育士向けの就業支援サイトに登録するということです。
ブランクのある保育士の方でも利用ができるのでこちらを活用して面接を受けるのがおすすめです。
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※ 紹介できる求人などに差があるため転職サイトは複数社に同時登録して併用がおすすめです。就職転職活動が不安な方はまずは簡単な相談目的での登録でも大丈夫です。
※ 保育士の転職サイトは新卒の方や未経験の保育士の方、資格取得見込みの方でも利用可能です。
特に、ブランク歓迎の保育園であったり、ブランクのある保育士の方向けの研修や教育などが充実している保育園に絞って求人を紹介してくれるので、面接に行ってから断られたり、門前払いされてしまうリスクが少ないです。
保育園見学や体験保育に参加してみる
保育園の求人選びを進めながら、 保育園見学や体験保育にも参加してみるのもおすすめです。これから面接を受ける保育園で見学をさせてもらっても良いですし、自治体や各保育園が実施している体験保育などもあります。
実際に保育をしてみることで、復帰した後のことを具体的にイメージすることができ、保育士としての勘を取り戻すことができます。また、見学や体験などを通して、これから面接を受ける保育園の良し悪しなどを見極めることもできます。
面接・内定・就職
良い保育園と出会うことができれば、面接を受け合格できれば、晴れて保育士復帰となります。どのような条件の方でも根気強く保育園を探せば、きっと良い保育園に巡り会えるはずです!
まとめ:これで安心!ブランクのある保育士の復帰就職マニュアル!
保育士復帰のおおまかな流れは以下になります。
- 保育士証、幼稚園教諭免許状の確認
- おおまかに求人に目を通す、雇用形態の検討
- 自治体の支援制度を確認する
- 引っ越しを伴う場合は、支援制度を確認する
- 保育士就職サイトに登録する
- 保育園見学や体験保育に参加してみる
- 面接・内定・就職
ポイントは、復帰にあたっての雇用形態をしっかりと検討することと、面接に行く前に、自治体の支援制度を確認するというところです。
保育士は様々な働き方ができるので、常勤か非常勤によって、仕事の負担も大きく変わります。特にブランクが長い方は、まずは、非常勤からスタートするというのがおすすめです。
また、保育士資格を持っていて保育士として働いていないという潜在保育士の方向けに、各自治体が支援制度実施している場合があります。支援金のような形で補助金の交付を受けることができる場合は、体験保育などができるような環境を整えている自治体もあります。
これらは、既に就業を開始した後には支援を受けられない場合もあるので、必ず、事前に調べるというのがおすすめです。
良い保育園と出会うことができれば、面接を受け合格できれば、晴れて保育士復帰となります。どのような条件の方でも根気強く保育園を探せば、きっと良い保育園に巡り会えるはずです!