保育園で働く保育士の皆様。これから保育士を目指す方。
保育園で働く保育士にも繁忙期というものがあります。繁忙期、つまり、保育士が一年間の中でも特に忙しい時期というものがあります。
今回は、その保育士が忙しい時期と忙しい場合の対処法について解説します。また、一日単位でもどの時間帯が忙しいのかということについても紹介します。
その経験が参考になればと思います
保育士が特に忙しい繁忙期とは?
まずは、保育園で働く保育士が特に忙しい繁忙期について解説します。幼稚園も合わせて数園での勤務を経験しているので、なるべく保育園関係なく共通して挙げられる点をあげています。
4月〜5月
新年度である4月は保育士にとって一番忙しい時期と言っても過言ではありません。 働く保育士は新年度で担任クラスの変更があり、慣れない状態での仕事になります。もちろん、同僚の保育士にも退職などのタイミングで入れ替わりが多く発生する時期です。保育士間のコミュニケーションもまだ拙いので、うまくいかないことが多いです。
さらに、子どもにとっても新年度の4月は変化が多い季節です。新入園児は慣らし保育の時期で毎日なかなか泣き止まないこともしばしばです。保育士も新たに出会う子どもたちの名前を覚え、新たに指導の内容もねっていく必要があります。保護者も初めて出会う方も増えるので、あらたに関係性を築いて行く必要があります。
4月は有給休暇なんて取得する暇がない、これは保育士あるあるではないでしょうか。5月のGWが開けるまでは、なかなか気持ちも落ち着かないことが多いのではないでしょうか。
10月〜12月
10月から12月にかけては保育園にとって大きな行事が集中する時期になります。もちろん、園によっては時期が違うこともありますが、以下のような大きな行事が続きます。
- 運動会
- 遠足
- クリスマス会
- 発表会
特に大変なのは、運動会や発表会で準備に時間がかかります。行事の担当になった場合は、行事の直前の時期は残業時間も増えてしまいます。これらの行事は、保護者の方も参加することがある行事なので、保育園としてもきちんと円滑に行事を進める必要があります。
3月
続いては3月になります。3月も保育士にとってはとても忙しい時期です。
保育士の入れ替わりの時期
3月は保育士の入れ替わりの時期で、退職者が出る季節にでもあります。入れ替わりの多い保育園では、複数人の保育士が退職するということもあります。
保育士が入れ替わるということは、保育士間での情報の引き継ぎ、担当の引き継ぎなどの作業も必要になります。また、退職者は有給消化などをすることもあり、一時的に人員が不足しがちになることもあります。
担任などの新体制の人事発表
保育園では3月後半に新しい担任などの人事が発表されます。人事が決まったあとは、次年度の担任の準備が始まるということです。次年度の準備には様々な作業がありますが、特にあげるとすると年間カリキュラムの作成などです。1年間の目標、ねらいなどを基本的には手書きで行っている園が多いと思います。
卒園式
卒園は保育園の最後を締めくくる非常に重要な行事です。卒園する年長の子どもにとっては保育園で最後の晴れ舞台です。部屋の準備をしたり、歌の練習なども必要です。もちろんそれに伴ってピアノの練習も必要になります。
指導要録の作成
卒園する年長の最後は、各小学校に提出する指導要録を記入が必要です。書式は園や学校によって様々だと思います。必要な事項をきっちり小学校に伝えるために、手の抜けない大切な作業になります。この時期は特に年長の担任の保育士は負担が多いです。
保育士が一日のスケジュールで忙しい時間帯は?
まずは保育士のよくあるおおまかな普通の出勤日の一日のスケジュールについては以下のような時間帯です。
- **6:45〜 朝番の開園準備など **
- **7:00〜 開園からの仕事 **
- **10:00〜 朝の会の開始 **
- **10:30〜 散歩や制作活動など **
- 12:00〜 給食
- 13:00〜 午睡
- 15:00〜 おやつ
- 16:00〜 帰りの会
- 16:30〜 閉園までの仕事
- 18:00〜 補食〜閉園まで
- 19:00〜 閉園作業
個人的な印象ではありますが、保育士が一日のスケジュールの中で忙しい時間帯は、11:30〜13:00頃になります。
この時間は散歩の後の時間で給食前から給食後、午睡前までの時間です。給食の配膳、自分の分も含めて食事をすませます。乳児の場合は、食事補助も大変です。食事後は片付けも行い、午睡の準備もします。準備が整ったら本を読み聞かせます。この時間帯が一番てんやわんやになる時間です。
現役保育士の一日の仕事の流れについては以下の記事も参考にしてみてください。
保育園で働く保育士が忙しい理由
保育園で働く保育士が忙しい理由を説明します。
行事の多さ
保育園の年間の行事を例として上げると以下の様になります。
- 【4月】入園、進級式
- 【5月】子どもの日の集い
- 【6月】遠足
- 【6月】食育活動
- 【7月〜】プール、水遊び活動開始
- 【7〜8月のどこか】夏祭り、夕涼み会
- 【8月】お泊り保育
- 【10月、11月】 運動会
- 【11月】遠足
- 【12月】クリスマス会、発表会
- 【1月】おもちつき
- 【2月】節分
- 【3月】ひなまつり
- 【3月】卒園式
やはり、ここまで紹介した内容を踏まえても、保育園で働く保育士が忙しい時期は行事やイベント前です。保育園は行事が多く、保護者も参加することもあるため、行事をきちんと遂行することが保育園の評判にも関わってきます。
日々の保育ももちろん重要ですが、保育園の経営者の目線では、やはり保護者の評判は大切です。行事がグダグダでうまく言っていないと、保護者からしたらこの保育園大丈夫かなという不信感に繋がります。それが最終的に口コミとなり、保育園の評判が落ちてしまうと、定員が埋まらなくなってしまうかもしれません。そういった意味でも、どうしても保育園としては行事やイベントに力を入れる必要が出ています。
保育園で行われる各行事の解説は以下の記事も参考にしてみてください。
保育士の人手不足(=資金不足)
保育士が足りていないというのも保育園で働く保育士が忙しい理由の一つです。
保育園には、国が定める保育士の配置基準というものがありますが、それではどう考えても足りていないというのが現場の保育士に多い意見です。
保育士には、行事の準備や書類の作成の仕事もあるので、とてもじゃないけどその基準では足りていません。
保育園に交付される委託費(運営資金)もこの基準がベースとなっているので、たくさん保育士を雇えるというわけでもありません。つまり、保育士が足りていないというのは、国の資金が足りていないという側面もあります。
保育士が忙しい場合の対処法
最後に保育士が忙しい、忙しすぎるという場合にできる対処法について解説します。
無駄な作業を無くす、効率化する
まず保育士が忙しいという場合に考えなくては行けないのが、無駄な作業を減らして効率化するということです。
同じ作業でも、短時間で終わらせることができないかと常に検討することが大切です。保育園では、絶対に手を抜いてはいけない仕事、少しは楽をしても良い仕事などもあるはずです。例えば、壁面の作業などでも使い回せる部分は無いか、などです。
良い方法が見つかったら園長などに提案して園全体に広めていきましょう。こればかりは、各園、各保育士の仕事内容と努力次第です。これをすれば確実に効率良くなるということはないので、各保育士が地道に効率を上げて仕事をしていく必要があります。
アラートを早く上げる
とにかく保育士が忙しくてもう無理となってしまったら、早く周囲に、園長にアラートを上げることが重要です。手が空いている人が手伝ってくれたり、負担を減らしてくれる可能性があります。そして、それが保育園の仕事の効率を上げるきっかけにもなります。
自分一人で抱え込んでしまうとどんどん良くない方向に物事は進んでいきます。例えば、無理して頑張ってその行事を乗り切れたとしても、また次の行事が訪れます。次の行事の際は、この前も出来ていたという理由で負担が減ることはありません。
アラートを上げるだけであれば、コストはかかりません。とにかくピンチになったら周囲を頼りましょう。
持ち帰って仕事をしない・サービス残業をしない
保育士が忙しくてどうにもならないという場合は、家に持ち帰って仕事をしない、サービス残業をしないということも大切です。
終わらないから仕方無く持ち帰ってしまっているというのはわかりますが、保育士が仕事を家に持ち帰るということは、今後、その保育園の保育士の働き方改善のチャンスの可能性が失われてしまっていることと同じです。
持ち帰って仕事をする、サービス残業で仕事をするということは、保育園にとって何の金銭的負担も増えていないことになります。つまり園長が保育士が忙しいのはこのままで良いと思ってしまいます。
残業代がきちんと出る保育園であれば、正々堂々と残業をしてきちんとその分の給料を貰いましょう。もし、残業代が多くなると、保育園としても行事の負担について考えなおさなくてはいけなくなります。そのことが今後の行事の負担の軽減につながってくはずです。それが保育園での仕事の非効率な部分などを見直すきっかけになります。
根本的にはホワイト保育園で働くことが重要
持ち帰って仕事をしない・サービス残業をしないとはいってもなかば強制的にせざるを得ない状態になってしまっている保育園もあると思います。
無駄な作業を無くしたい、効率化したいと働く保育士がそう思っていても、古いやり方に固執してそれを良しとしない保育園もあるかもしれません。
そのような保育園では、かなり強い意思の持ち主でない限りは、その方針に抗って仕事を続けるというのは難しいと思います。そもそも出ない残業代を保育園にきちんと出させるというのは第三者(労働基準監督署)などの助けが必要で相当に手間がかかります。
このような場合は、その保育園でどうにか自分が工夫して頑張るというよりは、早く転職してより働きやすい保育園で働いたほうが良いです。
行事の少ない保育園への転職もおすすめ
保育士が負担を減らしたいという場合は、行事の少ない保育園への転職もおすすめです。特におすすめなのは、定員が比較的少ない小規模な保育園や、病院に附属する院内保育室などです。
小規模な保育園がそもそも行事が少なかったり、定員が少ないので、保育士の負担が少ないことも多いです。
院内保育室は、病院に附属する保育室で、園児の定員も少ないです。あくまでも自治体の保育園のサブという位置づけの場合が多いです。
昼間は幼稚園に預けて、預けることできない夜間などの時間帯に病院の保育室に子どもを預けるというパターンもあります。必然的に行事はほとんど行いません。病院の院内保育室も保育士の負担が少ないことが多いです。
いずれの場合でも、ホワイトな保育園であることは大前提です。定員が少ない小規模、院内保育室ならどの保育園でも保育士の負担が少なく楽というわけではありません。
その点は踏まえて求人をきちんと見極めて探すことが大切です。おすすめは、保育士の転職サイトを利用することです。転職サイトは、募集のある各保育園の内部事情にも詳しいことが多いです。行事の種類や各保育士の仕事量、残業時間などもある程度把握していることもあります。このような見学や面接だけではわからない情報を得られるのは、転職を成功させる上でとても大切です。
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※ 保育士の転職サイトは新卒の方や未経験の保育士の方、資格取得見込みの方でも利用可能です。
まとめ:保育士が忙しい時期とは?保育園の繁忙期と忙しさへの対処法!
今回は、保育士が年間を通して忙しい時期とその理由について解説をしました。また、保育士の一日の仕事の中でも忙しい時間帯についても紹介しました。
そして、最後に保育士が忙しい、忙しすぎるという場合にできる対処法について解説しました。個人でもできることもあれば、保育園全体として取り組まなければいけないこともあるので、すぐに改善をするというのはなかなか難しいです。
どうしても忙しくて大変ということであれば、保育園の転職を検討すると良いと思います。保育士がより良い就労環境を求めて転職をするということはとても良いことだと思っています。