保育士で転職活動をしているけど、どうしても悩んでしまって転職先である保育園を決められないという方。
私自身も何度も転職を経験していて、その都度よりよい転職にするために、たくさん悩んで結論を出してきました。その中で、たくさんの転職をすることで、どのような点を転職先の保育園選びの決め手にすればよいかということがわかってきました。
今回は、保育士の方で転職活動をしているけど、どうしても悩んでしまって決められないという方に保育士の転職先の保育園の決め手について、決断のポイントについて紹介します。
複数回の転職経験があります
その経験が参考になればと思います
保育士の転職先の保育園の決め手は?決断のポイントを紹介!
私自身の考えとして保育士の転職先の保育園の決め手、決断のポイントは以下になります。
- 転職を考えた原因や転職後の希望が解決されるか
- 給与・待遇が今より良いか
- 数字ではわからない労働環境が今よりよいか?
- 保育園の考え方・理念や方針が自分に合うか
- 園長の考え方が自分に合うか
- 保育園の雰囲気の良さ、自分に合うか
- 勤務地(通勤時間)について
- 保育園の将来性も重要!
これらについて詳細を説明していきます。
転職を考えた原因や転職後の希望が解決されるか
保育士の転職先の保育園の決め手で一番重要なことは、転職を考えた原因や転職後の希望が解決される・叶うかということです。これは人によって内容が全く異なると思います。
- 人間関係
- 給料
- 休日・休暇
- 昇給
- 残業時間
- 持ち帰りの仕事
- 仕事の負担
- 責任
- 仕事内容
などなど、転職によって解決したい内容は人によって様々だと思います。もちろん、今働いている保育園の複数の不満や原因などが重なっていることもあると思います。それらの転職を考えた原因や希望などが、転職先の保育園で叶うかどうかを見極めることがとても大切です。
漠然と今の職場が嫌だということもあると思いますが、そう思うのには必ず理由があるはずです。その理由をしっかり把握し、それが解決される見込みがないと、転職する意味がなくなってしまいます。転職しても、同じことで悩んでしまい、また、転職をしたいと思うようになってしまうかもしれません。
また、漠然と以下のような保育施設の種類や就業形態を変えれば、自動的に環境が変わる、良くなると勘違いしていしまう方もいます。
- 保育園の規模(大規模・小規模)
- 施設の種類(認定こども園、保育園、企業内保育園)
- 就業形態(パート・契約社員・正職員・派遣)
ですが、保育施設の種類や就業形態を今のものと変えるだけで、自動的に不満が解決されるとは限りません。なかには、結果的に良くなることが多いというような要素もあるかもしれませんが、転職という人生のターニングポイントにおいて、そんなギャンブルのような選択をするのは良くないです。
例えば、小規模な保育園が楽だと思っても、保育士の人数が少なく、一人あたりの負担は今の働いている保育園より多くなるということだってあります。
働く保育園が変われば、パートや正職員などの立場も変わるので、仕事の負担を減らしたくてパートで求人を探しても、負担はあまり変わらなかったということもあります。
転職を考えた原因や転職後の希望が解決されるかどうかは、保育施設の種類や就業形態を変えた先に、どのような変化があって転職を考えた原因や転職後の希望が解決されるかということをしっかりと見極めましょう。
給与・待遇が今より良いか
保育士の方のなかには、給与待遇は今より低くても良いから、もっと仕事の負担を少なくしたいという方も多いと思います。ですが、基本的には、転職先の保育園を決める上では、給与・待遇が今より良いということがとても重要視する場合が多いと思います。
それは、特に保育士の仕事においては「給与や待遇が低い = 仕事の負担が少ない」とはならないためです。給与を下げて負担を下げようとすると、給与待遇も低くて、仕事の負担も多いブラック保育園に就職してしまうリスクが高まります。
認可保育園であれば、おおまかな園の方針や考え方は違っても、どこも制度は仕組みは基本的に同じです。保育園を運営する上で保育園が国や自治体から貰っている運営費も基本的には同じです。
それなのに給料や待遇が低いということは、どこかに無駄が発生しているということです。非効率な作業を強いられていたり、保育士のシフトをうまく組めていなかったり、保育園の経営者が多くのお金を報酬として受け取っていたりなどです。そうなると、保育士にサービス残業が発生していたり、持ち帰りの仕事が発生していることもあります。それでは本末転倒になってしまいますよね。
また、給与や待遇が他の保育園と比べて悪いということは、保育士の離職率にも影響を与えます。給与待遇が悪いと、仕事ができる保育士や経験豊富な保育士は、他の給与が高い保育園に転職していきます。そうなると、その保育園に残っているのは仕事ができない保育士ばかりかもしれません。仕事ができない保育士の同僚と一緒に働くのと、仕事ができる保育士の同僚と一緒に働くのではどちらの方がよいでしょうか。ひとりひとりの負担や保育スキルの面でも仕事ができる保育士の同僚と一緒に働くほうが良いと私は思います。
このような背景があるので、労働条件が変わらない限りは、最低でも今と同じくらいの給与待遇の保育園に転職するのがおすすめです。
唯一、給与や待遇が下がっても仕方がないのが、就業するエリアが大幅に変わる場合です。例えば、東京都から地方の保育園への転職になる場合などは、保育士に対する補助金の関係で、給与がダウンしてしまうのは仕方が無いことです。その場合は、その地域の保育士の給料相場をしっかり把握してから転職先を決めましょう。
給料は下がっても良いから仕事の負担を減らしたいという場合は、給与を下げるのではなく労働条件を今とは違うものに変えるということがおすすめです。例えば、週休3日正社員の求人や時短勤務などが可能な保育園を探すということです。
数字ではわからない労働環境が今よりよいか?
保育園での仕事に限ったことではありませんが、数字だけではわからない労働環境というものがあります。
例えば、休憩時間ですが、1日9時間拘束で1時間休憩というのは、ごく一般的なものです。ですが、大切なのは本当に1時間休憩がきちんと取れるのかということです。有給休暇も同じで、初年度10日間付与というのは、法律によって決まった最低限の日数になります。これも、大切なのは、実際に有給休暇を使いやすいかどうかという点です。
これらのことは、求人情報や提示された条件などだけではわからない部分です。実際に働いている人からの評判などからではないとわからない内容になります。
給与・待遇が今より良くなるということと加えて、数字ではわからない労働環境も今の環境より良くなるかということもきちんと見極める必要があります。
保育園の考え方・理念や方針が自分に合うか
保育園は「保育理念」と呼ばれる、保育園を運営するにあたっての根本的な考え方を掲げていることが多いです。保育理念を掲げることで、保護者へのアピールや働く保育士、職員の意思統一を図っています。
保育園の保育理念については、以下の記事でも解説しています。
どんなに給与や待遇が良くても、保育園の考え方や方針が自分にあっていないと仕事をするのが苦痛になってしまうということがあります。園の考え方に合わせるのが苦手という方は特に注意が必要です。
園長の考え方が自分に合うか
保育園の現場では、園長の考え方が大きく反映されます。基本的には、現場の保育士は園長の支持に従う形になるので、保育園の理念や方針よりも、むしろ園長の考え方のほうが重要かもしれません。保育理念や方針は掲げていてもそれを完璧に実践している保育園は多くはないという実情もあります。
面接や見学などで園長と接する機会は多くはありませんが、その間に実際にどのような考えを持っているかを見極めることが大切です。面接や見学などで、園長となにか話があわないな、噛み合わないなというようなことが起きた場合、働いてからも同じことが常に発生してしまう可能性もあります。
保育園の雰囲気の良さ、自分に合うか
最後に保育士の転職先の保育園の決め手になるのは、保育園の雰囲気の良さと自分に合うかどうかという点です。できれば、実際に働いている保育士の方の雰囲気や佇まいなども入職前に知っておくと良いです。
やはり最終的には、保育園は人と人とが関わりあう仕事になります。一人でもくもくと作業をすすめるという類の仕事ではないので、保育園の雰囲気が自分にあうかどうかはとても大切です。見極めるためには、保育園の見学が非常に有効です。実際に働いている現場を見させてもらって、自分にあうかどうかを判断しましょう。
ここを妥協してしまうと、普段の仕事で我慢できる部分も我慢できなくなってしまいます。
勤務地(通勤時間)について
意外と見落としがちなのが、勤務地についてです。勤務地は日々の通勤時間や手段に関係します。
通勤は、ほぼ毎日必ず必要で、往復となるとそれなりの時間がかかることになります。少し通勤時間が増えても良いと思っていても、実際にいざ通勤を初めて見ると、想像以上に辛かったということもあります。特に、電車通勤の場合は、満員電車などのラッシュ時間帯の場合は、経験があまり無い方だと想像以上に辛い時間になるので、事前に良く通勤手段などを見極めましょう。
保育園の将来性も重要!
近年は待機児童の増加で新しい保育園が急増しましたが、この保育需要の高まりは今後は落ち着いていくと見られています。つまり、保育園が余ってしまう将来が来る可能性があるということです。将来保育園が余るということは保育士も余るということです。最悪のケースでは働いている保育園が閉園するということもあります。閉園した場合は、基本的に勤務している保育士も解雇となってしまうでしょう。
そのような情勢なので、どんなに現状の待遇や労働環境が良かったとしても将来までそれが続くとは限りません。園としての歴史がしっかりしていて、保護者からの評判も良く園児定員をしっかり満たすことができているかという点をしっかり見極めて、保育園に将来性があるかどうかを判断しましょう。
最後の最後は自分自身の感覚を信じよう!
選考をする中で、保育園のホームページを見て、求人情報を見て、実際に園を見学し、園長や働いている保育士の様子も見たと思います。
その中で感じた違和感や自分の直感などがあると思います。たいてい、このような感覚は実際に働いた時により大きいものになって再び感じることになります。例えば、園長がちょっと怖いなと思ったら、実際に働いてからも怖いと思うことは増えると思います。逆に、なんか楽しそうな職場だなと思えたら、働き出してからも楽しいと思える瞬間があると思います。
その保育園で働く際のイメージを膨らませて、これまで接してきたなかでの自分自身の直感と照らし合わせることで、その保育園に就職するかしないかの最終的な決断につなげることができると思います。
まとめ:保育士の転職先の保育園の決め手は?決断のポイントを紹介!
私自身の考えとして保育士の転職先の保育園の決め手、決断のポイントは以下になります。
- 転職を考えた原因や転職後の希望が解決されるか
- 給与・待遇が今より良いか
- 数字ではわからない労働環境が今よりよいか?
- 保育園の考え方・理念や方針が自分に合うか
- 園長の考え方が自分に合うか
- 保育園の雰囲気の良さ、自分に合うか
- 勤務地(通勤時間)について
- 保育園の将来性も重要!
保育士の転職先の保育園の決め手や決断は簡単なものでは有りませんが、保育士の転職は人生にとって大きなターニングポイントになりえます。ブラック保育園に入ってしまうとなかなか抜け出すことができなくなったり、保育士として働くのが嫌になってしまうこともあります。
慎重に判断をして、自分にとってよりよい保育園を見つけましょう。