保育施設で働く保育士の皆様。
行事の仕事は、保育士の仕事の悩みのひとつではないでしょうか?たしかに、行事をやりきった時の達成感などは保育士として働く上での、ひとつの大きなやりがいでもあると思います。また子どもの成長を感じられる瞬間でもあります。でも、実際問題、低い給料でサービス残業や持ち帰り残業などを強いられている中で、やりがいなんて気にしていられないという人も多いはず。
できれば、行事が少なく、保育士の負担が少ない保育園で働きたいと思う気持ちをよくわかります。今回は、行事の少ない保育園の求人を探す方法について紹介します。
行事が多い園と、行事が少ない園で勤務した経験があります
その経験が参考になればと思います
行事が多すぎて保育士の負担が多い
保育園はとにかく行事が多いですよね。保育園の行事について簡単に解説します。
保育園の行事の例
まずは、保育園の行事の例を挙げさせていただきます。
- 【4月】入園、進級式
- 【5月】子どもの日の集い
- 【6月】遠足
- 【6月】食育活動
- 【7月〜】プール、水遊び活動開始
- 【7〜8月のどこか】夏祭り、夕涼み会
- 【7〜9月のどこか】保育士の夏休み
- 【8月】お泊り保育
- 【10月、11月】 運動会
- 【11月】遠足
- 【12月】クリスマス会、発表会
- 【1月】おもちつき
- 【2月】節分
- 【3月】ひなまつり
- 【3月】卒園式
保育園の年間の行事内容と保育士の準備や負担などについての詳細は以下の記事で解説しているので参照してみて下さい。
保育士の行事の負担
保育士の仕事の負担を増加させている一つの原因が行事の準備になります。行事の準備の時間のために、保育士の残業や持ち帰りの仕事などを増加させてしまっています。
行事前だからといって、保育は通常通りあるので、ただでさえ、日々の保育や書類仕事で手一杯の中、追加で行事の準備も進めなくてはいけない状況になります。
特に慢性的に保育士が不足している保育園が多い状況なので、安全に保育を進めつつ行事の準備をするというのはなかなか難しいことです。
また、行事の負担などはそれぞれの保育士が分担して行うことが多いですが、それが人間関係のトラブルにつながってしまうこともあります。やはり、職員一人ひとりにそれなり余裕がないと、仕事の分担で揉めてしまったり、他の人の仕事ぶりに不満が出てしまうということは仕方がないことなのかもしれません。あまり準備に積極的ではない先生、誰もやる人がいないから仕方なかく手を手を挙げる先生。このような状態が、より保育園の空気を悪くしてしまう原因にもなります。
保育園によって行事の内容は様々
保育園の行事というものは、各園で必ず行わなければいけない行事などが決められているわけではないので、行事の数や内容はまちまちです。
子どもの成長を考えて行事をしっかり考えている保育園もあれば、単に、保護者の評判を気にして見栄えの良い行事を行っているだけの保育園もあります。また、なんとなく昔からやっていることをそのままやっているという保育園もあります。
保育園は、保護者からの評判が良ければ、保育園は安定して定員を満たすことができるという側面もあるため、保護者の方向けに行事をやっているということもあります。特に行事は保護者が参加するものが多く、保育園の評判に直結してしまうという側面もあります。
子どものことを考えると、本来は必ずしもすべての行事が必要だとは限らないかもしれませんが、見栄えを気にして、行事をたくさん行う保育園も少なくはないです。逆に、最近では、あくまでも子どもを主体とした保育に力を入れている保育園も出てきていて、行事の内容なども変わってきている傾向もあります。
保育士個人が行事の負担を減らしたい
日々の仕事で疲弊している保育士の方のなかには、どうにか自分の行事の負担を減らしたいという方もいらっしゃると思います。
良かったところ、ダメだったところを洗い出す
行事が無事に終わったら、良かったところ、ダメだったところを洗い出すようにしましょう。振り返りを行い、次回以降の改善点を見つけるということはとても大切です。このような組織文化が根付いていれば話は早いですが、終わったらそれまで、という保育園も少なくは無いと思います。そういう保育園であっても、まずは個人レベルで良かったところ、ダメだったところを洗い出して、良かったところは次回も続けて、ダメだったところは次回に改善するように意識しましょう。
職員会議等で、改善点を提案しても良いですし、次回の行事の際に、自分から声を上げるのも良いでしょう・
保育と行事の仕事にメリハリを付ける
保育と行事の仕事をメリハリをつけて行うということも、足りない時間を捻出するために必要なことです。理想はノンコンタクトタイムのような時間に、まったく保育に関わらずに行事の仕事を進めるということです。そうすることで、どちらも中途半端になってしまうということを防ぐことができます。
これは、自分だけの力でどうにかできることとは限らず、周囲を巻き込みながら、時間を作っていく必要があります。
サービス残業や持ち帰りの仕事をしない
行事の準備等の仕事の負担で、保育士個人が絶対にやってはいけないことの1つがサービス残業や持ち帰りの仕事をしてしまうということです。
保育士がサービス残業や持ち帰りの仕事をしてしまうと、園長は今の行事の規模や内容、担当者の人数などでうまくいくと錯覚してしまいます。つまり、次回以降も同じような負担、同じような人員で行事の準備を進めることになってしまいます。
そうではなく、例えば、誰かが行事のために長時間居残って残業をしたという事実があると、園長は、余計にかかった人件費も気にするので、次回は、負担を減らそう・人を増やそうというような考えも持ちやすいです。
その場しのぎで、サービス残業や持ち帰りの仕事で乗り切ってしまいたい気持ちはわからなくはないですが、絶対に辞めるようにしましょう。
周囲の人間に助けてもらう
チームでの仕事である保育園での仕事においては、周囲に助けを求めたり、誰かに動いてもらうということも1つの大切なスキルです。もちろん、みんながみんな忙しいとは思うので、ただやっといてでは誰も助けてくれませんし、単に仕事の押し付け合いになるだけです。それでは逆効果です。
周囲の人間に助けてもらうには、自分がピンチになった時だけ対処していればよいわけではありません。日頃から、誰かが困っている時に助ける、ということを自分が意識しておく必要があります。そうしておくことで、自分が困っている時に助けてもらえる可能性も高くなります。
これは、簡単そうに見えてとても難しいことですが、保育士にとってはとても大切なスキルになると思います。
行事の少ない保育園の求人を探す方法
保育園の行事が多いということは、たしかに保育士の負担の増加に繋がります。ここでは、行事の少ない保育園の求人を探す方法について紹介します。
保育園のホームページで確認する
まずこれから保育園に就業や転職しようとしている保育士の方が行事についてわかるのは保育園のホームページの情報です。
保育園が公開しているホームページでは保育園の概要や保育理念などの情報はもちろん、行事についての情報も公開しています。
例として、とあるグローバルキッズ保育園のホームページに記載されていた年間行事を紹介します。グローバルキッズは多くの保育園を運営する会社です。
- 4月 入園式
- 5月 春の健康診断
- 子どもの日
- 6月 虫歯予防
- 7月 プール開き
- 七夕・夏祭り
- 8月 プール閉い
- 9月 敬老の日
- 引渡し訓練
- 10月 運動会
- 11月 秋の健康診断
- 12月 クリスマス会
- 1月 新年子ども会
- 2月 節分
- 3月 ひなまつり
- 進級の会
- 卒園の会
もちろん保育園の行事において保育士の負担に関わるのは、行事の数だけでなく力の入れ方、内容、仕事の分担なども重要です。
行事の内容などについても保育園のブログや公開されている写真などに記載がある場合もあるのでそちらについてもしっかり確認しましょう。
そして、保育園の情報を自らきちんと公開できているということは、子どもを預ける保護者はもちろん、就業を希望する保育士にとってもとても良いことです。しっかり公開されている情報を確認してみましょう。
保護者の評判や口コミから確認する
Googleマップの口コミで保護者の評判や口コミを見れる場合があります。もちろん、すべての保育施設で行事に関する口コミがあるわけではありませんが、見てみる価値はあります。
とても行事に力を入れている園です。
このような口コミがあれば、行事が充実しているということがわかりますね。
保育園の口コミがあまりない場合は、「〇〇保育園 評判」等のワードで検索をしてみるのも良いと思います。保育園の口コミをまとめているホームページなどが見つかるかもしれません。
保育士転職サイトの担当者に聞く
保育士転職サイトは様々な保育園の採用担当者と連絡をとる立場なので、それぞれの保育園の内情にもとても詳しいです。
保育園が行っている行事やその詳細についても把握している場合があります。また、もし知らない場合でも保育士転職サイトは、保育園に行事についての確認をとってくれる場合もあります。
直接、保育園に行事の内容について聞くというのは、やる気が無いと思われてしまうという考えもあり、ためらってしまうことが多いと思います。
保育士転職サイトは、そのような保育士が聞きにくいことも保育園に聞いてくれるのでとてもありがたいです。同時に、求人やその詳細についても保育園に確認ができるので、一石二鳥になります。
- マイナビ保育士|全国の正社員・パート保育士の求人に対応しています。登録するとネット上での検索などでは見つからない非公開の人気のある高待遇の求人情報も得られます。 まずは求人情報を知りたいだけという方でもOKです!
- ジョブメドレー保育士
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※ 保育士の転職サイトは新卒の方や未経験の保育士の方、資格取得見込みの方でも利用可能です。
面接の際などに保育園に聞く
最後に紹介する行事の少ない保育園の求人を探す方法は、面接の際に保育園の園長などに聞くということです。保育園の見学や面接は保育園の詳しい情報を知る一番のチャンスです。そして、他の方法よりも確実で正確な情報がわかるというメリットもあります。
ただ、この方法のデメリットは実際に見学や面接の申し込みをしなければいけないということです。園によっては、履歴書などの用意も必要になります。
実際に履歴書を用意して面接に行ってみてから、やっぱり違うなと思うことも少なくないですよね。見学や面接で色々な話を聞いてから、求人に応募するかを決めたいという方にとっては、多くの時間や労力を奪われてしまうということにもなりかねません。
そのような方は他の方法も合わせて検討し、ある程度応募の意思が固まってから、見学や面接に望むのがよいかもしれません。
小規模な保育園の求人を探す
定員の少ない小規模な保育園は、関わる人数が少なくなるので、行事などの規模や数も少ないです。
例えば、運動会なども大きな会場は不要で、規模を縮小させておこなうことがあります。また、場合によっては連携している他の保育園と合同で行うこともあります。
- 小規模保育事業・・・定員19名以下の認可保育園
- 病院内の保育室・・・病院などが運営する企業主導型保育事業
などの保育施設は比較的定員が少なく、行事も少ないのでおすすめです。
病院などが運営する企業主導型保育事は、病院に勤務する職員向けの保育施設で行事などは少ない傾向があります。別の保育園や幼稚園に通いながら、どうしても夜間の勤務などで預けなければいけない場合に子どもをあずかるというケースが多いためです。
【注意】行事が少なければ良いというわけではない
最後に注意になりますが、行事が少なければよいというわけではないということです。確かに働く保育士にとっては保育園の行事が少ないということは、負担が少なくなるひとつの要因にはなると思います。
ただし、保育士が仕事で楽をしようとすると給料や待遇、人間関係など、その他の面で思わぬ落とし穴にあってしまうことも少なくないです。
- 楽そうだと思って働いてみたら、人間関係が最悪だった
- 行事が少なくて負担が少ないと思っていたら、サービス残業や持ち帰りが当たり前だった
等です。
特にブラック保育園などは、甘い謳い文句で保育士を集めるということもあるので注意が必要です。平気でウソを付くことができる分、他の保育園と比較しても一見しただけでは良い保育園だと思ってしまうこともあります。
他の様々な要素も総合的に判断して就業する保育園をきちんと見極めましょう。
まとめ:行事が多すぎて保育士の負担が多い。行事の少ない保育園の求人を探すには?
行事の少ない保育園の求人を探す方法として、以下の方法を紹介しました。
- 保育園のホームページで確認する
- 保護者の評判や口コミから確認する
- 保育士転職サイトの担当者に聞く
- 面接の際などに保育園に聞く
- 小規模な保育園の求人を探す
ただし、保育士が働く保育園を選ぶ上では、行事が少なければ良いというわけではありません。
行事が少なくても、給与待遇が悪い、人間関係の悪い保育園であれば意味がないですよね。他の様々な要素も総合的に判断して就業する保育園をきちんと見極めましょう。