保育士を辞めた理由ランキング!保育士として就業した人が退職した理由とは?

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日本には、保育士の資格を持っていても保育士として働いていない人が約90万人近くいると言われています。理由は様々だと思いますが、保育士として働いている人のおよそ2倍近くの人数に相当します。

こんな疑問や悩み、不満、経験はありませんか?
  • 保育士を辞めた理由が知りたい
  • 保育士として就業した人が退職した理由が知りたい

近年では、保育士の待遇は徐々に改善されてきてはいますが、保育士を辞めて異業種に就職するという方は少なくないと思います。また、現職が保育士の方でも、保育士辞めたいと思っている方もいらっしゃると思います。

今回は、実際に過去に保育士として就業した人が退職した理由をランキング形式で紹介します。調査は東京都福祉保健局が「東京都保育士実態調査報告書」として発表したものになります。

この記事の信頼性
私は保育園、幼稚園、認定こども園で勤務した経験があります
保育士を辞めた理由ランキングについては、東京都保育士実態調査報告書の調査「過去に保育士として就業した者が退職した理由」を参考にしています
その経験が参考になればと思います

保育士を辞めた理由ランキング

東京都保育士実態調査報告書の調査「過去に保育士として就業した者が退職した理由」からわかる保育士を辞めた理由のランキングを紹介します。

  • 1位:職場の人間関係 33.5%
  • 2位:給料が安い 29.2%
  • 3位:仕事量が多い 27.7%
  • 4位:労働時間が長い 24.9%
  • 5位:妊娠・出産 22.3%
  • 6位:健康上の理由 20.6%
  • 7位:結婚 18.4%
  • 8位:他業種への興味 15.2%
  • 9位:子育て・家事 13.5%
  • 10位:転居 11.3%
  • 11位:就業適性に対する不安 9.9%
  • 12位:保護者対応の大変さ 7.4%
  • 13位:家族の事情 6.2%
  • 14位:雇用期間満了 5.4%
  • 15位:配偶者の意向 3.5%
  • その他 18.5%

※ 複数回答可のアンケート
※ (出典)「東京都保育士実態調査報告書」(令和元年5月公表)東京都福祉保健局
※「厚生労働省 保育士の現状と主な取組 過去に保育士として就業した者が退職した理由」よりhttps://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000661531.pdf

一般的な離職理由との比較

「厚生労働省 雇用動向調査」より女性が前職を辞めた理由別割合ランキングを紹介します。

  • 1位:定年・契約期間の満了 14.8%
  • 2位:労働時間・休日等の労働条件が悪かった 13.4%
  • 3位:職場の人間関係が好ましくなかった 11.8
  • 4位:給料等収入が少なかった 8.8%
  • 5位:仕事の内容に興味を持てなかった 5.5%
  • 6位:能力:個性:資格を活かせなかった 4.3%
  • 7位:会社の将来が不安だった 4.0%
  • 8位:結婚 2.6%
  • 9位:出産・育児 1.3%
  • 10位:介護・看護 1.2%
  • 11位:会社都合 4.7%
  • その他の理由 25.5%

※ 転職入職者の女性が前職を辞めた理由別割合
※ 「厚生労働省 雇用動向調査」よりhttps://www.mhlw.go.jp/toukei/list/9-23-1.html

前述した厚生労働省の調査「過去に保育士として就業した者が退職した理由」が「保育士という職を辞めた理由」というものであるのに対して、こちらは保育士に限定されているわけではなく 「前職を辞めた理由」 になります。

条件や調査方法も異なるので直接的な比較は出来ませんが、この全体の前職を辞めた理由と比較すると、職場の人間関係の不満と給料が安いということが「過去に保育士として就業した者が退職した理由」の中でも突出しているということがわかります。

つまり、これらの職場の人間関係の不満と給料が安いということが、特に他の職業と比較した場合の悪い特徴して考えられるということになります。

ここからは各理由をいくつかピックアップして個人的な見解を述べています。

1位:職場の人間関係 33.5%

保育士が保育士を辞めた理由の1位は「職場の人間関係」でした。保育園は一般企業と比較しても小さい組織が大半になります。一つの保育園での職員は20〜30人くらいで、家族経営の保育園も多いです。

大企業でも、パワハラやセクハラなどの問題が起きています。しかし、家族経営の保育園は、実質的には園長が組織のトップであることが多く、パワハラのようなことが起きても自浄作用が働きにくいです。ニュースなどでも取り上げられることがありますが「保育士の一斉退職」ぐらいのことが起きない限りは、園長などを交代させたりするということも難しいです。辞めたらまた新しい人を補充すれば良いという考えの園もあるでしょう。

また、一般の大きい会社であれば、部署異動などを希望することでも退職せずに人間関係をリセットする方法があります。一方で一つの保育園しか運営していないような小さい組織の保育園だと、一度、人間関係に悩んでしまうと異動は難しく退職するしか方法が無くなってしまうこともあります。

加えて保育士は女性の割合が多く、職場のほとんどが女性ばかりになります。一般論として女性ばかりの職場は派閥やマウンティングなどが起こりやすかったり、感情などが表に出やすい人が多いというのも保育園の人間関係を複雑にしている要因の一つかもしれません。

2位:給料が安い 29.2%

保育士が保育士を辞めた理由の1位は「給料が安い」です。保育士の給料は、皆さんも御存知の通り、全産業の平均と比較した場合は安い部類に入ります。

給料が安いだけなら我慢ができるという人も多いですが、それに加えて人間関係の悩みや後述する仕事量が多い、労働時間が長いという不満が職場内で同時に発生します。

これは推測になりますが、給料が今のまま全産業の平均と比較しても安いという状態だとしても、仕事量や責任がそれに見合うものであれば、「給料が安い」ということが理由で保育士をやめるという人は少なくなるでしょう。

  • 給料の割に仕事量が多い
  • 給料の割に労働時間が長い
  • 給料の割に責任が思い

給料はやはりバランスが大事で、他の職業と比較してバランスが取れていないと不満に思うという人が多いと思います。

しかも、保育士の給料の大枠は国が決めているという側面があり、他の職業と違い、需要と供給のバランスによって給与が決定されているわけではありません。保育士が余っていて給料が安くなっているというわけではなく、現状の保育士不足という状況下にも関わらず、給料は安いままです。このような状況に不満を抱く人も多いと思います。

3位:仕事量が多い 27.7% 4位:労働時間が長い 24.9%

保育園での保育士の仕事というと、よく知らない人からすると楽なものと思われがちですが、実際はそうではありません。

日々の連絡帳や日誌はもちろん、カリキュラムや指導計画を考えるのも保育士の仕事です。しかも、保育士はその仕事を子どもの保育と同時並行的にこなさなければいけません。保育園の開園時間は10時間から12時間と長く、その間は常に子どもがいる上に、保育園の予算上、ギリギリの少ない人数の保育士で回さないといけません。保育士を多く雇えばよいのではと思うかも知れませんが、国や自治体からの運営委託費は限られており、赤字になってしまいます。それでは、そもそも保育士が不足しています。

それらの原因もあって、保育園の保育士は、給与が発生しない、家に持ち帰って仕事をする持ち帰りの仕事やサービス残業を強いられてしまうことも少なくないです。もちろん、これとは別に個人のピアノや手遊び、歌などの練習も必要になります。

結果的に、仕事量が多い・労働時間が長いという状態になります。なおかつ、前述した給料が安いという状況が生まれています。

5位:妊娠・出産 22.3% 7位:結婚 18.4% 子育て・家事 13.5%

結婚や妊娠、出産、子育て・家事というのは、保育士に限らず他の職業でも退職理由にあげられる一つの理由になりますが、これは他の理由と組み合わせて考えるべきだと思います。

もし保育士として働くことに不満が少なければ、保育士を辞めずに復帰するという選択肢も取ることが可能です。ですが、潜在的に給料が安いこと・仕事量の多さなどに不満を抱えていた人は、妊娠や出産をきっかけに保育士をやめるという決断をするという人も少なくないです。この場合は、実際の保育士を辞めた大きな理由は別にあるのにも関わらず、表面上の理由が結婚や妊娠、出産、子育て・家事となっているということになります。

結婚などが理由で、はたらきたくないのに無理して働く必要が無くなった場合は、保育士をやめるという選択も出てきます。結局、子育てをしながら続けることができない、メリットも少ないという状況が妊娠・出産を契機とする離職に繋がっていると思います。

11位:就業適性に対する不安 9.9%

特に保育士という職に関しては、保育園が悪いという状況が「自分が保育士に向いていない」という考えに至ってしまう側面もあります。

例えば、人間関係があまり良くないというのも、自分が保育士として仕事がうまくできていないから認めてもらえないと考えてしまう人もいます。それは、実は自分が悪いのではなく、単に先輩や園長が悪いという可能性もあります。良い保育園であれば、きちんと後輩を指導する体制が整っていて、一緒に成長していくことができる環境であったりします。それができない保育園は、なんでできないんだと怒ったり、叱責するだけになってしまいます。そうすると自分は保育士に向いていないんだと思ってしまいます。働く保育園を変えても状況は変わらないだろうという考えが、保育士をやめるということにも繋がってしまうと思います。

12位:保護者対応の大変さ 7.4%

「保護者対応の大変さ」は保育士や教育などに携わる人の特有の悩みや大変さの一つでもあると思います。保育園に勤めていれば、モンスターペアレントといわれる保護者の方と出会う可能性は非常に高いです。多くの保護者がいれば確率的にモンスターペアレントがいてもおかしくありません。

保育士の場合は、保育士を辞めた理由ランキングからもわかるように給料も安い・仕事量が多く労働時間も長いため、ほとんどが保育士の「やりがい」のみで成立している仕事になります。

給料は安くても、子どもと関わって、子どもの成長を感じることにやりがいを感じる保育士は多いです。ですが、そんな時に保護者から心無い言葉を浴びせられたらどうなるでしょうか。保育士なんて辞めたいと思うのも無理はないかもしれません。

まとめ:保育士を辞めた理由ランキングを紹介。過去に保育士として就業した人が退職した理由とは?

保育士を辞めた理由ランキングを紹介しました。上位は以下のようなものでした。

  • 1位:職場の人間関係 33.5%
  • 2位:給料が安い 29.2%
  • 3位:仕事量が多い 27.7%
  • 4位:労働時間が長い 24.9%

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