これから転職を考えている保育士の方。
今回は、保育士が転職をして悪い意味で想像と違ったこと、ギャップの原因と転職前にチェックしておくべきことについて紹介します。
複数回の退職、転職経験があります
その経験が参考になればと思います
よくある保育士が転職をして悪い意味で想像と違ったこと
ここからはよくある保育士が転職をして悪い意味で想像と違ったことについて紹介します。
人間関係が合わなかった
人間関係が合わなかったというのは、保育士が転職をして悪い意味で想像と違ったことに多いと言えます。ワイワイした雰囲気の職場なのか、ドライな雰囲気の職場なのかによっても、あうあわないは変わってくると思います。
難しいのは、雇用される保育士側は、同僚となる一人ひとりの職員と面接ができるわけでもないですし、見学でも、人間関係は雰囲気くらいしかわからないという点です。就職してみたら、若手が多いかった、ベテランが多かったなどの年齢層や経験におけるイメージの違いなどがある場合もあります。
実際に働きはじめて見ないとわかりにくいのが、人間関係になるので、想像していたことよりも悪い意味で違っていたということが起きやすいです。
残業が思ったよりもあった
残業が想像していたよりも多くあったということもよくある悪い意味で想像と違ったことになります。
保育園から応募時や面接時に、
- 残業が少ない
- 残業ほぼ無し
と説明をされる場合があると思います。ですが、このような表現には注意が必要です。
残業が少ないというのは、ひとそれぞれのイメージに過ぎません。
- 今年からは増えてしまった
- これでもうちでは残業は少ないほう
と言われてしまったらそれまでになってしまいます。
休みが少ない、取りにくい
次の保育士が転職をして悪い意味で想像と違ったことは、休みが少ない、取りにくいということです。
こちらも前項同様に、
- 有給消化しやすい
と説明をされる場合があると思います。ですが、このような表現にも注意が必要です。
よくある就職前後でのギャップは、夏期休暇が5日間と書かれていたけれど、それは自分の有給休暇を消化するだけだったという場合があります。夏季休暇は有給休暇とは別に付与してくれる保育園もあるので、それが当たり前だと思っていると、そうじゃなかったということが起きます。
また、計画年休といって、支給された有給休暇のうち数日は、保育園が指定した日に有給休暇を取らなければ行けないという制度が導入されている場合もあります。この制度だと自分が休みたいときに有給休暇を使えないというケースが増えてしまうので注意が必要な部分になります。
持ち帰りの仕事・サービス残業があった
持ち帰りの仕事・サービス残業などの時間外で保育園の仕事をしているのにも給与を支給しないということは労働基準法違反になるため、応募時や面接時におおっぴらに持ち帰りの仕事・サービス残業があると伝えてくれる保育園はありません。そんなことをしたら、うちは労働基準法を守りませんと宣言しているようなものになります。
そのため、応募時や面接時はそのことを隠されたり、有耶無耶にされてしまうこともあります。
特にブラック保育園は、勤怠上の残業はなしだけれど、持ち帰りの仕事・サービス残業はたくさんあるという違法残業を保育士にさせている場合があるため、応募時や面接時に残業はないと言われたとしても、少し疑ってかかる必要があります。
休憩が取れなかった
休憩に関しても、一日の勤務時間数によって取得されていることが義務付けられているので、休憩がきちんと取れないということは労働基準法違反になります。そのため、この点についても、休憩はとれないと伝えてくれる保育園は多くありません。
特に、保育業界は、真の意味できちんとした休憩がとれない保育園というのは少なくないです。なにかあれば、すぐに対応できるように待機状態であったり、細切れでの休憩、書類仕事をやっている等です。
休憩はきちんと取れることが当たり前だと思っていると、休憩がきちんととれない保育園に就職してしまったということが起きてしまいます。
保育理念・方針・考え方があわない
保育園で働く保育士の場合は、転職したら保育理念・方針・考え方があわないということもよくあります。
特に、それなりに保育士経験がある方だと、これまでの保育園でのやり方が当たり前で正しいものだと思いこんでしまっている場合も多いです。ですが、実際には世の中にはたくさんの保育園があり、それぞれが、異なる考え方を持っています。また、その中で働く保育士もそれぞれ様々な考え方・価値観を持っていることが多いです。
また、保育園がたいそうな保育理念・方針などを掲げていたとしても、それが現場で実践されているとは限らないという点にも注意が必要です。転職時に良い保育理念だなと思った就職したとしても、それが現場ではないがしろにされていると、保育理念・方針・考え方があわないということに繋がってしまうことになります。
給与が思ったよりも少なかった
給与が思ったよりも少なかったということも起きてしまう場合があります。
基本給の金額などは、ほとんどの保育園に転職する場合にもきちんと提示されると思いますが、各種手当、賞与、昇給の部分に関しては、あいまいなままということもがよくあります。
例えば、
- 手当が別でもらえると思っていたけど、含まれていた
- 賞与が評価や業績連動で想定より少なくなった
- 昇給の金額が想定よりすくなかった
ということがよくあります。
利用できると思った制度・福利厚生が使えない
利用できると思った制度・福利厚生が実際には使えない、使いにくいというのも、よくある保育士が転職をして悪い意味で想像と違ったことの一つです。
各保育園の運営会社・法人は、保育士を確保するために、様々な制度や福利厚生などを用意していることがあります。会社としての義務以上の部分を福利厚生サービスとして従業員である保育士が利用できるようにしています。
ですが、会社のルール上は利用できる制度であっても、前例がないことなどを理由に、実際に利用しようとすると妨害をされてしまったり、利用がしにくい雰囲気になってしまっているという場合もあります。会社自体は利用を推進していたとしても、個々の保育園は人手不足で、そんな制度を利用したら同僚に迷惑がかかるという心理的な負担などから利用をためらわざるを得ないというような状況になってしまっている場合があります。
保育士の転職前後のギャップはなぜ起きる?
保育士の転職前後のギャップはなぜ起きるのでしょうか。ギャップが起きてしまう理由について紹介します。
保育園の情報をきちんと調べていないため
保育園の情報をきちんと調べていないと、転職後に悪い意味で想像と違ったということに繋がってしまう可能性が高くなります。
- 保育理念
- 保育・教育手法
- 園の規模
- 行事の内容
- 保育士の人数
- 保育士の求人情報
などネット上からだけでも得られる保育園の情報はたくさんあります。もちろん、なかには情報発信が少ない保育園もありますが、情報が少ないということも、ある意味では働く保育園選びの情報の一つになります。
保育園が悪い部分を隠そうとするため
保育士の求人応募時や面接時に保育園が自園のことについて、悪い部分を隠すということもよくあります。特に、ブラックな保育園は自園の悪い部分をきちんと説明してしまうと、誰も採用できないということにもなってしまいかねないです。
昨今は、保育士が不足している事情もあるので、応募にきた保育士はできれば採用したい保育園が多いので、どうしても良い部分ばかりを見せようとします。もちろん、これは、保育業界に限ったことではありませんし、世の中の大抵の会社は自社の良い部分を見せようとします。
また、一方で、応募をする保育士の側も自分の経歴や自己PRについて、良い部分を見せようとするので、当然といえば当然のことかもしれません。
園長(採用担当者)としか会ってないため
保育園の採用選考においては、保育士は園長や採用担当者としか会わないという場合も多いと思います。例えば、園長が良い人だったとしても、その保育園で働いている職員が全員良い人とは限りません。むしろ、保育園で保育士として働く以上は、園長も大切ですが、多くの時間をともにする同僚の保育士の質や相性というのもとても重要です。
面接時に園長(採用担当者)としか会っていないと、保育園内の人間関係は想像するしかなくなってしまうので、転職前後のギャップに繋がってしまうことになります。
きちんとした園見学をしていないため
これから新たに就職する保育園の情報は、ホームページなどのネット上から得られるものを除けば、見学時に得られる情報が大半になります。転職時に園見学をおろそかにしてしまうと、その得られる情報の多くがなくなってしまうということになります。
まだ働き始めていないため
保育園での保育士の仕事に限ったことではないと思いますが、その会社・法人における仕事の印象は、実際に働き始めてみないとわからないことは多いです。
仮に、転職前にしっかりと見学などを行ったとしても、仕事内容や負担などは、実際に働いてみないとわからないことが多いです。人間関係についても、同様で、入職する前はあくまでも、部外者でお客さんという立場になるので、誰もが同僚となったときと同じように接するとは限りません。お客さんとして優しく接してくるという人もいると思います。
保育士が転職前にチェックしておくべきこと
ここからは、保育士が転職をして悪い意味で想像と違ったというようなギャップをうまないために、保育士が転職前にチェックしておくべきことについて紹介します。
具体的な実績値や数値を確認する
保育士の待遇、勤務条件は、具体的な実績値や数値を確認するということが大切です。
例えば、
- 残業時間
- 有給休暇の取得日数
などについて気にする方は、曖昧な印象だけではなく、前年度の実績や平均などの具体的な数値を聞くようにするということが大切です。先程も書きましたように、多い少ないというような曖昧な表現はそれぞれの人によって感じ方や考え方が異なるためです。
福利厚生制度に関しては、制度の有無だけではなく、実際にどれくらいの人が利用しているかということも確認したほうが良いです。
保育園のホームページやブログの情報
転職先の保育園のホームページやブログなどの情報ができる限りたくさん情報を入手しましょう。書かれている情報から、保育園の考え方やそこで働いている人の考え方などを垣間見ることができる場合があるためです。そこで、感じた違和感などは、実際に働き始めてからもより大きくなって感じてしまうことが多いです。
また、公開されている情報が少ないということは、そのこと自体も一つの判断基準になります。保守的な考え方だったり、ホームページを運営する知識を持っていないという可能性が考えられます。
シフト、休暇の条件をきちんと把握する
保育園のシフトや休暇の条件などをきちんと把握するということも重要です。先程も書きましたが、夏季休暇は有給休暇を紹介する場合と有給とは別に付与される場合もあります。有給休暇の消化に関しても、計画年休という形で希望どおりに休みを取ることができないという場合もあります。
また、土曜に出勤した場合は、残業という扱いで手当が支給されるのか、それとも別の平日に代休を取得できるかという点は、保育園に規定によって異なります。
賞与の金額と支給条件
賞与(ボーナス)に関しては、保育士が働き始めてからの年収の想定違いを生んでしまうもっとも大きな原因の一つになっています。
例えば、「賞与◯ヶ月」という記載がよく見られますが、この◯ヶ月分という数値が、基本給の◯ヶ月分なのか、手当なども含めた月給の◯ヶ月分なのかによっても金額は大きく変わります。
他にも、賞与が業績や評価と連動するという場合は、平均するとどれくらいもらえているのか、真ん中の評価であれば、いくらになるのかということをしっかりと確認しておく必要があります。また、前年度の実施値なども参考になるでしょう。
昇給の金額と条件
昇給の条件や金額については、転職する保育士が見落としてしまいがちな重要な要素になります。転職しはじめの給与というのは誰もが気にするポイントですが、そこから長く働いていくにつれて給与がどうなっていくのかということを意外に知らないまま転職してしまったという人は多いと思います。
最初の給与が良かったとしても、長く働くとだんだんと周りの保育士に追いつかれたり、追い越されてしまうということにもなりかねないです。そうなると、また、転職したいという気持ちが生まれてしまう可能性もあります。
実際に保育士が働いている様子をみる(見学)
見学時に、実際に保育士が働いている様子をみるということも、保育士が転職をして悪い意味で想像と違ったというようなギャップをうまないために、保育士が転職前にチェックしておくべきことの一つです。
死んだ目をしながら働いているという場合もあれば、誰もがいきいきと働いているという場合もあります。実際の現場での保育士同士のやり取りなどを見れば、人間関係の一部なども推測することができます。
保護者、保育士からの保育園の評判など
保護者や過去に働いてた保育士からの保育園の評判も事前に調べておくことが重要です。そこには、保育園があまり大っぴらにしたくないことや、自分で調べるだけは得られない情報などが隠れている場合もあります。例えば、保護者の方が行事が多くて良い保育園と書いていれば、それだけ、保育士の仕事量も増える可能性があるということです。
保育士転職エージェントを活用する
また、これまで紹介したチェックすべきポイントと合わせて保育士転職エージェントを活用するというのもおすすめです。
保育士転職エージェントは、通常ネットで調べて情報だけではわからないことなどを知っている場合もあります。保育園の内情、園長の性格、人間関係などです。また、保育士転職エージェントを活用すると、自分では聞きにくいことなどを、担当になった方が保育園に直接聞いてくれるというメリットがあります。これから面接を受けるという場合は、いきなり給与やボーナスのことを根掘り葉掘り聞きにくいという場合もあると思うので、おすすめになります。
- マイナビ保育士|全国の正社員・パート保育士の求人に対応しています。登録するとネット上での検索などでは見つからない非公開の人気のある高待遇の求人情報も得られます。 まずは求人情報を知りたいだけという方でもOKです!
- ジョブメドレー保育士
| 全国対応でネット上から求人応募が可能です。すぐに転職するつもりはなくても、とりあえず登録して求人を見ることができます。自分のペースで転職をしたい人におすすめです(^^)
- ヒトシア保育| ※全国の正社員・派遣・パート保育士の求人に対応しています。登録しないと得ることができない非公開の求人もたくさんあります。 求人数も多いのでとにかくたくさんの情報を得たいという人にもおすすめです。
※ 紹介できる求人などに差があるため転職サイトは複数社に同時登録して併用がおすすめです。就職転職活動が不安な方はまずは簡単な相談目的での登録でも大丈夫です。
※ 保育士の転職サイトは新卒の方や未経験の保育士の方、資格取得見込みの方でも利用可能です。
まとめ:保育士が転職をして悪い意味で想像と違ったこと。ギャップの原因と転職前にチェックしておくべきこと
今回は、保育士が転職をして悪い意味で想像と違ったこと、ギャップの原因と転職前にチェックしておくべきことについて紹介しました。
人間関係が合わなかった
人間関係が合わなかったというのは、保育士が転職をして悪い意味で想像と違ったことに多いと言えます。ワイワイした雰囲気の職場なのか、ドライな雰囲気の職場なのかによっても、あうあわないは変わってくると思います。
難しいのは、雇用される保育士側は、同僚となる一人ひとりの職員と面接ができるわけでもないですし、見学でも、人間関係は雰囲気くらいしかわからないという点です。就職してみたら、若手が多いかった、ベテランが多かったなどの年齢層や経験におけるイメージの違いなどがある場合もあります。
実際に働きはじめて見ないとわかりにくいのが、人間関係になるので、想像していたことよりも悪い意味で違っていたということが起きやすいです。
よくある保育士が転職をして悪い意味で想像と違ったこととして、以下のような内容を紹介しました。
- 残業が思ったよりもあった
- 休みが少ない、取りにくい
- 持ち帰りの仕事・サービス残業があった
- 休憩が取れなかった
- 保育理念・方針・考え方があわない
- 給与が思ったよりも少なかった
- 利用できると思った制度・福利厚生が使えない
保育士が転職をして悪い意味で想像と違ったというようなギャップをうまないために、保育士が転職前にチェックしておくべきこととして以下の内容を紹介しました。
- 具体的な実績値や数値を確認する
- 保育園のホームページやブログの情報
- シフト、休暇の条件をきちんと把握する
- 賞与の金額と支給条件
- 昇給の金額と条件
- 実際に保育士が働いている様子をみる(見学)
- 保護者、保育士からの保育園の評判など
- 保育士転職エージェントを活用する
これから転職をするという方は参考にしていただけたら幸いです。