私も保育園・幼稚園で転職を複数回経験していますが、退職について最初はよくわかっていなかったです。
今回の投稿では、保育士が勤めている保育園を退職する際のよくある疑問点をマニュアルとしてまとめました。そもそもいつごろ退職をすればよいのか、転職活動を始めるタイミング、円満退職の是非、保育園への伝え方など退職にまつわることをまとめています。
これから退職をするという方は参考にしていただけたら幸いです。
円満退職をした経験もあれば、円満でない退職をした経験があります
年度末に退職した経験、年度末以外に退職した経験があります
その経験が参考になればと思います
保育士のベストな転職と退職の時期は?
冒頭でも少し書きましたが、保育士のベストな転職活動の開始時期は「辞めたいと思った時」で、「退職したい時」に退職するということです。
少し厳密に言うと、辞めたい時にすぐ辞めれば良いということではなく、
- 辞めたいと思ったときから転職活動をはじめる
- 希望の条件を満たす保育園・幼稚園から内定を貰う
- 入職日にあわせて退職日を決める
という手順で転職・退職を進めていくのが良いです。
保育士のベストな転職活動の開始時期は「辞めたいと思った時」
保育士のベストな転職活動の開始時期は「辞めたいと思った時」で、そして「退職したい時」に退職するべき理由を説明します。
保育士の求人が出だすのは11月頃から
保育士の求人が世の中に出だすのはおおよそ11月頃からです。
保育園は基本的に年度ごとの運営になるため、早ければこのころに保育園・幼稚園では次年度末の退職希望者が出始めます。そのため、次年度の募集を出しはじめるのがこの頃になります。
基本的には保育士の募集は要員が満たされるまで求人を出し続けることになります。つまり、採用者が決定するまでということです。
そのため、人気の求人は早い段階で埋まってしまうことが多く、求人募集は終了してしまうということになります。保育士は、良い人であればたくさん採用すればよいというわけではないのが施設側の悩ましく難しい部分です。
3月末まで保育士の求人が残っているのは、人手が足りない場合であったり、急遽、欠員が出てしまった場合が多いです。保育園や幼稚園に勤める方も、皆が早い段階で今年度末に辞めると施設側に言うわけではないので、3月ギリギリに求人がでる場合ももちろんあります。
これらのことを考えると、 求人を探し出すのは早ければ早いほうが良い です。そのほうが多くの求人を選択肢に入れることができるためです。常識の範囲内で内定の自体も可能なので、早い段階で内定を貰っておいても問題はありません。
退職を考えだしたら早い段階でたくさんの求人を見ておくことで、自分の転職後の想定年収や勤務地の候補などを把握しやすくなります。また、希望のエリアにどのような保育施設があるかどうかも理解することが可能です。
4月以外の入職時期の保育士の求人は多い
保育士の求人が出だすのは11月頃からと言いましたが、こと保育士に関して言えば通年で採用を行なっている保育園が増えてきています。
そのため、保育士の求人に関して言えば4月以外時期からでも入職ができる場合が多いです。また、求人上は4月入職と謳っていても、人手不足なので早めに入職できる場合もあります。
今の環境が耐えられないのであれば、3月末の退職に向けてという縛りを設けずに、良い保育園から内定を貰ってから入職時期を交渉するということもできます。
早めに入職することができるようであれば、現職も早めに退職をすればよいです。後述していますが、ボーナスなどの関係からも3月末の退職は保育士側が損をすることが多いというデメリットもあります。
保育士は年度末に辞めると損をする
実はいうと保育士は年度末に退職をすると損をすることが多いです。これは、ボーナスの支給時期が夏と冬である場合が多いためです。
例外はありますが一般的にボーナスは、1~6月に働いた分を6月に貰い、7~12月に働いた分を12月に貰うことが多いです。4月入職の場合に6月のボーナスが規程の半分を支給する会社が多いのはそのためです。
そのため4月入職の場合は、4~6月しか働いていないため規程の半分しか働いていないので、ボーナスも半分となっていると思います。
そして年度末に退職した場合は、当然6月に支給されるボーナスはもらうことができません。
保育士が4月に入職して年度末に退職すると、一年間働いているにも関わらず夏のボーナスがもらえない形になります。
理想はボーナスを受け取ってからの退職
保育士が金銭的に理想の退職をする時期はボーナスを受け取った直後になります。
例えば、12月や6月がボーナスの支給時期の場合12月末、6月末に退職するとボーナスを貰うことができて良いです。ボーナスの支給は、支給日にその法人に在籍しているという条件の場合が多いです。
ボーナスの支給タイミングと年度末のタイミングがなかなかあわないかもしれませんが、可能であればボーナスの受給後に退職することが良いです。
逆に考えると年度末で退職して転職をすると、次回のボーナスは満額もらえない場合が多いのでやや損することになってしまいます。
ボーナス直後の退職は一般企業では結構頻繁にあること
ボーナス貰ってすぐ辞めるということは一般企業では割とよくあることのようです。
基本的に企業のボーナス(賞与)は支給日に会社に所属していることが条件の場合が多いです。例えば12月10日がボーナスの支給日とすると、12月1日に会社を退職した人はボーナスがもらえないことになります。
故に、退職日をボーナス支給日にしてボーナスを貰ったと同時に辞める人が多いです。そのため一般的にボーナスの支給が多い6月や12月に向けて転職希望者も増加します。
もっとホワイトな企業であれば、ボーナス支給日まで残っている有給休暇を消化して辞めるという人も多いです。それだけで、数十万から百万単位で収入が変わるので当然と言えば当然になります。
保育園に退職を伝えるタイミングは?
まずは、保育園に退職を伝えるタイミングについて紹介します。
退職日の2週間以上前に伝えるのが基本
法律上の話をすると、正職員やパートであれば退職希望日の2週間以上前に伝える必要があります。
よく保育園などでは、退職の「2ヶ月前には伝える」「半年前に伝える」などの独自のルールがあることはありますが、これはあくまでも園側の希望であって法律上絶対守らなくてはいけないというわけではありません。
仮に、就業規則などにそのように書かれていたとしても、就業規則と労働関係の法律であれば労働者に有利な方が適用されるので、退職希望日の2週間以上前に伝えれば問題ないということになります。
退職日の2週間以上前に、退職の意思を示していれば、あとから損害賠償を請求されたりすることは絶対にないので、安心してください。
退職は意志が示せていれば良い
ちなみに、退職に関しては意志が示せていれば問題ないです。
よくドラマなどで、退職届をビリビリ破いて考え直せというシーンがありますが、必ずしも退職届が受理されている必要はありません。
退職の意志が管理職の人に示されていれば良いです。なので、退職届を受け取ってくれないということがあっても辞めるとしっかり伝えてあれば問題ないです。
なるべく円満に辞めたい
私は、今がブラック保育園で苦しんでいる状況なのであれば、円満退職は必要ないと思っています。
つまり、退職日の2週間程度前に退職届を園長に出して、残りの2週間は感情を殺して勤務を終えるというので問題ないと思っています。ですが、実際には「多少ブラックだけど、少しはお世話になったし」「園長は嫌いだけど、同僚の保育士は良い人だし」「子どものこともあるし」などの様々な思いがあると思います。
できることなら円満に辞めたいと思う方も多いと思います。そういった場合は保育園の独自のルールにある程度従う必要があります。まずは、近い同僚に相談してみたり、過去に退職した人のやり方を参考にして退職を伝える時期などを考える必要があります。
悩むのは確実に辞めるかどうか決まっていない場合
結婚や引っ越し、子育てなどの大義名分のある退職であれば、決まり次第、園長などに伝えれば良いです。これらの理由であれば、伝えやすいですし、理解してくれる園長も多いです。
しかし、転職での退職ということになると、半年以上前に伝えるというのはなかなか難しいと思います。まだ転職先も決まっていませんし、退職すると伝えたあとに、次の就職先が決まらなかったら無職になってしまいます。
良い保育園の求人があって採用されたら転職しよう、という考えだと、まだ来年もその保育園で勤務を続ける可能性もあります。このような場合は、やはり完璧な円満退社は諦めて、転職先が決まってから伝えるということで問題ないと思います。
最悪なのは辞めることができない負のループ
先程あげたような場合で円満に辞めたいと考えるあまりに、なかなか退職をするという意思を示すことができずに、一年が経ってしまうというのが保育士によくある退職ができない負のループになります。
最悪なのはこの負のループに陥ってしまって、辞めたいけど我慢してずるずる続けてしまうということです。私もブラックな幼稚園教諭時代に、半年前には退職を伝えなければならず、この負のループに陥ってしまい、なかなかうまく抜け出せませんでした。
コツは転職活動を始めてしまうこと
このような場合に有効なのは、「転職活動を始めてしまうこと」です。
とりあえず、退職を伝えるタイミングや伝え方などは気にせず、まずは転職活動を始めてしまいましょう。複数の保育園から内定を貰って一つに絞り、最終的には入職日まで決めてしまうと良いです。
そこまで来たらもうあとは退職するということは必ず伝えなければいけない状況になります。そういう状況に追い込まれると、案外、人は今まで悩んでいたことが嘘のようにうまく行動できることもあります。
保育園への退職の伝え方は?
続いて保育園に退職の意思をどのように伝えたら良いのかを解説します。
園長の空いていそうな時間に事前にアポを取っておく
最初に退職を伝える際は、園長の空いていそうな時間に事前にアポを取っておくと良いです。いきなり引き止めて話をしだすと相手もびっくりしてしまう可能性が高いです。
「〇〇日の○時頃に相談があるんですけど」
という感じで事前にアポを取っておくと良いです。この時点では退職という言葉は出さないこと、園長と二人きりになれる状態を作るというのがポイントです。
事前に準備するもの
- 最終出勤日
- 有給休暇の消化について
- 退職理由
最初に退職の意思を伝える時点では、退職届などはまだ用意する必要はありません。用意しておいても良いのですが、退職届は指定のフォーマットがある可能性もあるので、無駄になってしまう可能性が高いです。
退職を伝えた後に、この後に必要な書類を聞いてから提出すれば問題ないです。
最終出勤日とうは自分で決めておいてください。月末がキリが良いです。
有給休暇はきっちり消化すべき
有給休暇も可能であれば、きっちり消化して退職するべきです。退職の際は、あれこれ理由をつけて消化させないようにする可能性もあるので、早め早めに有給を消化しておくと良いと思います。
有給休暇は保育士の給料から考えると1日1万円以上の価値はあると思います。有給休暇が20日以上残っている場合は、金額に換算して20万円くらい損していることになります。
一般のホワイト企業であれば、転職時に有給をすべて消化してまるまる一ヶ月休みにするという人も多くいます。
有給休暇の消化がうまくできない場合は、退職代行を利用するという手段もあります。最終手段ではありますが、有効な方法になっています。
退職理由については、無難なものを用意しておくと良いです。
無難なものというのは、
- 結婚
- 引っ越し
のようなものになります。不可抗力的な理由があるとすんなりと退職を受け入れて貰うことができると思います。
ここで、現在の保育園の不満などをぶつけても良いのですが、その後も少なからず勤務は続くので、そこは相手(園長の性格)や状況を見て判断しましょう。
また、保育園側で改善できるような内容だ引き止められる可能性も高くなります。後述していますが、引き止められた場合の返しも考えておく必要があります。
他の同僚の保育士のために伝えたいという思いもあると思いますが、そこはまずは退職の意思をきっちり示すということを優先しましょう。
【注意】悩んでいる感じを出すと引き止められます
注意点としては、この時に悩んでいる感じを出すと引き止められる可能性が高くなります。
「退職したいんですが」「退職を考えているんですが」というような曖昧な形ではなく、「突然で申し訳ございませんんが、○日で退職させていただきます。」
という形で言い切るようにしたほうが良いです。
引き止めに合った際の対応を考えておく
退職を切り出した際に、あれこれ理由を聞かれたり、引き止めにあうこともあると思います。
退職の意志が固い場合は、引き止めに合ってもしっかりと退職の意思が強いということを伝えましょう。
どのような引き止めにあうかを事前にシミュレーションしておくと良いです。もう次の転職先が決まっている場合はそれも伝えると良いと思います。
退職届の書き方は?
退職届は、保育園からの指定があればそのフォーマットを利用してください。
それがない場合は、ネットで検索して一般的なフォーマットを利用するのが確実です。
前述しましたが、退職を伝えるタイミングでは用意する必要はないので、伝えた後にどのような書類が必要かどうかを園長などに確認しましよう。
なぜ保育士の年度末の退職がタブーと思われているのか
まず、なぜ保育士の年度末の退職がタブーと思われがちなのかという点をまず説明します。
そもそも退職時期は3月の年度末というのが保育士の間でも一般的になってしまっている
そもそも退職時期は3月の年度末というのが保育士の間でも一般的になってしまっています。これはあくまでも、労働者である保育士が施設側に忖度している形になります。
転職するということは労働者の自由なので従う義務はありませんが、退職は年度末にしてほしいと保育園の園長に言われる事が多く、そのような考え方が根付いている人も多いです。年度末での退職が常識・当然のように思われている傾向があります。
代わりの保育士が採用できない
保育士は年度末で辞めることが通例になっているが故に、退職者が出た場合の代わりの保育士を年度途中で採用することが難しいということがあります。
保育園は、費用はかかりますが、派遣保育士を雇ったり、保育士転職サイトなどを活用して、年度途中に採用できる保育士を探す必要が出てしまします。
採用ができない場合は、保育士が足りない状態になってしまい、保育園の運営に影響が出てしまいます。
他の保育士に迷惑がかかる
これに関しては、年度途中かどうかはあまり関係はないですが、もし退職者が出て、代わりの保育士を採用できなかった場合、必要な保育士が不足することになります。
認可保育園は保育士が不足したからと言って、急に園児の定員削ることは不可能なので、必然的に今雇用されている保育士に負担が行くことになります。保育士の残業時間を増やしたり、出勤回数を増やしたりする必要が出てしまいます。
なので、結果的に他の保育士に迷惑がかかるという状況が生じてしまいます。
担任が途中で変わってしまう
担任が途中で変わるということは少なからず、慣れていた環境が変わるので、保育園に通う子ども達にとっても影響があります。
また、担任が途中で変わるということは、保護者にとっても不安要素になるかもしれません。なにか保育園で問題があったのかなという懸念を抱く人も出るかもしれません。
特に昨今は、認可保育園でも保育士の一斉退職などで運営に支障が出てしまうケースも出てきているので、保護者にとっても保育士の入れ替わりは気になる要素になります。
実際に年度末以外の時期の退職は可能なのか?
年度末以外の時期に保育士が退職することはもちろん可能です。期間を定めていない正職員の保育士の方であれば、2週間から一ヶ月前に退職の意思を示して退職することが可能です。
私自身も年度途中で退職した経験もありますし、年度途中に退職ができないとうことはありません。ただ、保育園としても、前述の理由から年度途中に保育士が退職するということはよくない面が多く、辞めてほしくないという場合がほとんどだと思います。
ブラックな保育園であれば、なにか理由をつけて保育士が退職をできないように仕向けるということはあると思います。現実には、園長や周囲の圧力などもあり、実質的に退職に踏み切れない保育士の方も多いと思います。
保育士が辞める時に円満退職をする方法
ここからは、保育士が辞める時の円満退職をする方法について解説しています。保育士が円満退職をするメリットやデメリット、逆に、退職が円満ではない場合のメリットやデメリットも解説しています。
先に少し結論を書いておくと、円満退職をすることに保育士側が得られるメリットはほとんどありません。私は、必ずしも円満退職する必要はないと思っています。円満退職をするということは、保育園側の希望や要求を受け入れるということが前提になるためです。それが、自分より保育園の利益を優先するということに繋がります。
なるべく円満に退職を進めたいという気持ちは痛いほどわかりますが、保育園や同僚に気を使ってしまうあまり、退職するタイミングを逃してしまって自分の人生や今後の計画などが狂ってしまうことだってあると思います。
保育園や個人の状況によって退職時の反応は大きく違うと思いますし、そもそも退職するということを伝えた時点で今まで悪くなかった関係も悪化してしまうこともあります。そのため、なぜ円満退職をしたいのかということを良く考えて、自分の希望と保育園の希望を考慮して、そのために必要なことをするのが良いと思います。
最悪なのは、円満に退職することを重視しようとするあまり、退職をなかなか切り出せずに、ずるずると続けてしまうということです。そういう場合は、思い切って転職活動を始めてしまい、次の職場を決めて、辞めるしかできない状況に自分を追い込むのも一つの手段になります。
そもそも円満退職ってどういう状態?
本題に入る前に、円満退職ってそもそもどういう状態なのかということを理解しておく必要があります。
円満退職とは、関係者全員が穏やかな気持ちで退職をすることを指します。保育園の場合は、園長、先輩・後輩の保育士、同僚の保育士、そして子どもや保護者の方などの関係者が穏やかな気持ちで明るく退職者を送り出してくれ、自分自身も前向きな気持で退職をすることができる状態を指すことになります。
一方で円満でない退職とは、
保育園の場合は、「年度末までは退職は許さない!」「これまでお世話になったのに裏切るのか!」というような状況になってくると円満ではないという退職といえます。
正直なところ、保育園で働く保育士は円満ではない退職になるケースが多いでしょう。
本題に入る前になぜ円満退職をする必要があるのか?
この記事にたどり着いたということは、円満退職をしたいと考えていると思います。本題の保育士が円満退職をする方法を紹介する前に、「なぜ円満退職をする必要があるのか?」ということを今一度、ご自身のなかで整理する必要があると思います。
円満退職をしたいということには、理由があるはずです。
おそらく、
- 保育園に迷惑をかけたくない
- 同僚に迷惑をかけたくない
- 文句を言われたくない
- 良好な関係でいたい
漠然とこのような考えをもっている方が多いと思います。
ここで立ち止まって良く考えてほしいのは、本当にこれらのことは、ご自身が望んでいることなのかということです。なんとなく、保育園の空気感や圧などに負けていて、「円満にしなきゃ」と思ってしまっていはいないでしょうか。
この後、保育士が円満退職をするメリットやデメリット、 保育士の退職が円満ではない場合のメリットやデメリットを紹介しますが、
本当に円満退職のデメリットを受け入れてまで、円満退職をする必要があるのかということは良く考えたほうが、自分自身の幸せにつながると思います。
保育士が円満退職をするメリットやデメリット
保育士が円満退職をする場合のメリットやデメリットを紹介します。
残りの勤務期間に気持ちよく働くことができる
円満退職をすることができれば、残りの勤務期間は気持ちよく働くことができると思います。少なくとも、円満でない退職の場合は、残りの勤務期間はかなり憂鬱なものになってしまうと思います。退職することにおいて人間関係が悪化してしまうので、その状態で残りの期間を働くことになるためです。
ただし、そもそもの保育園を辞めたい理由が人間関係や労働環境などのネガティブな側面が原因であれば、いくら円満退職であるからと言って残りの期間に気持ちよく働けるとは限らないでしょう。
同僚の保育士や園長などとの関係性を維持できるかも
円満退職をすれば、同僚の保育士や園長などとの関係性を退職後も維持できる可能性があります。現在の同僚の保育士や園長などとの関係性が良いものであれば、極力、迷惑をかけずに退職をすることで、その関係性を維持することができる可能性があります。退職後も別の保育園で保育士を続けるのであれば良い相談相手にもなると思います。
もちろん、仲良かったという間柄でも退職したら、疎遠になってしまうということはよくあるので、お互いに過度な期待は禁物です。
機会があれば再び同じ園で働けるかも
近隣に保育園など、保育士が働くことができる場所が少ない場合などで、就業の可能性を残しておきたい場合もあると思います。別の職種に挑戦してみて、失敗したら戻ってきたいなども同様のケースになります。
このようなケースはかなりまれなケースになると思いますが、なにか事情がある場合などで、将来的にまた同じ保育園で働く可能性を残しておきたい場合は、円満に退職する必要があります。円満に退職をしておけば、復帰したくなった時に、優先的に採用してくれる可能性が高くなります。逆に、円満でない退職の場合は、園長も「どの面下げて面接にきたんだ」という感情になりますし、自分自身もそもそも復帰したいなんて思わないと思います。
ただし、円満に辞めたからといって復帰が保証されるわけではなない点には注意が必要です。保育園には必要な保育士の人数が決まっているので、その時び空きがなければそもそも復帰は難しいでしょう。
辞める時期やタイミングを逃してしまうかも
円満退職を意識しすぎると、「今は忙しい時期だから」「保育士が足りていないから」などの迷惑がかかるという理由で退職するタイミングを逃してしまうことがあります。その結果、毎年、来年こそは辞めるぞと思ってもなかなか辞めることができずにずるずると続けてしまうこともあると思います。
辞める時期が定まらないということは転職活動にも支障が出てきます。保育士の転職は、おおよその入職日がわかっていないと先に進まないです。なかには保育士が不足していて、なるべく早く働ける保育士を優先的に採用する保育園もあります。
そんななかで、いつ退職するかわからないということは大きな障害になってしまいます。面接をする保育園としても、退職日がわからないと採用しにくくなってしまいます。
退職の時期やタイミングを逃してしまうパターンで良くないのが、退職時期が決まらないので退職してから転職活動に着手することになってしまうことです。退職後は収入がなくなってしまうので、焦った転職活動になってしまい、ブラック保育園を転職先に選んでしまう可能性も高くなってしまいます。
保育士の退職が円満ではない場合のメリットやデメリット
前項とは反対に、保育士の退職が円満ではない場合のメリットやデメリットを紹介します。
残りの勤務期間中に働きにくくなる
少なくとも2週間から1ヶ月程度は、退職を伝えた後も勤務が待っていると思います。円満退職がうまく行かないと、残りの勤務期間はとても働きにくく憂鬱になってしまうと思います。あまり良くない園長や主任保育士であれば、あからさまに冷たく接されることもあるかもしれません。そもそも力の強い園長や主任の態度や考えは、他の職員にも伝搬するので、働きにくさを感じる場面が増えてしまうでしょう。
好きな時期に退職することができる
保育園で勤務する保育士だと、どうしても後任の関係上、退職の延期をお願いされたり、引き止められたりする可能性が高いです。年度末以外の時期であれば、年度末までは働いてほしいと言われることもあると思います。円満退職を考えなければ、好きな時期に退職に踏み切ることができると思います。逆に、円満退職をするためには、これらの要求をある程度飲む必要がでてきます。
保育士が円満退職をする方法
保育士が円満退職をする方法を紹介します。ここではいくつかの方法を紹介しますが、基本的には保育園側の要求や要望を満たして辞めるということが円満退職の基本になります。
保育園や個人の状況によって退職時の反応は大きく違う
まずはじめに注意しておかなければいけないことは、保育園や個人の状況によって退職時の反応は大きく違うということです。つまり、円満退職の条件も状況によって異なってくるということです。
保育園や個人の状況によって、前向きに送り出してくれることもあれば、ネチネチと嫌味を言われることもあると思います。それらの反応は、これまでの自分自信の働き方や園長の性格、園の考え方によって異なります。
なので、ここに書かれている方法を実践すれば、必ず円満退職できるとは限りませんし、逆に、なにも考えなくても案外すんなりと退職を受け入れてもらうことができ、円満退職ができるかもしれません。
なるべく円満に進めようとして行ったことが逆に裏目に出てしまうということもあります。実際に、退職をすすめる際は、個人の状況も踏まえて、退職の手続きをすすめるのが良いと思います。
なるべく早い段階で退職の意思を知らせる
なるべく早い段階で退職の意思を伝えるということも円満退職の秘訣の一つになります。保育園は基本的に保育士が一人欠けた場合、もうひとり保育士を採用する必要が出てきます。
保育士に欠員が出てしまうと、他の保育士へしわ寄せがいってしまったり、最悪の場合、次年度に受け入れる定員数を減らさなければいけなくなってしまいます。
早く退職することを知っておくことで、採用を前もって行うことができるので、急な保育士の欠員を防ぐことができます。
また、例えば、前々から「将来は海外の保育園や幼稚園で働きたい」というような自分自身の将来的な展望などを話しておくことで、園長などにいずれは退職するかもしれないという布石を打っておくということも効果的です。そうすることで、退職時の保育園に対する動揺などを和らげることはできます。
年度末、もしくは、代替の保育士の採用が決まってから辞める
円満退職をするのであれば、年度末での退職をするのが無難です。保育士は年度末で退職する人が多いので、代替となる次の保育士を採用しやすいためです。逆に年度末でないと「なんどそんな中途半端な時期に・・」と思われてしまいます。
前向き、もしくは、不可抗力的な退職理由を伝える
転職を考えている保育士で保育園にネガティブな印象を持って転職を考えていることも多いと思います。
- 給料に不満がある
- 休みに不満がある
- 人間関係に不満がある
などがネガティブな印象です。これらが原因で退職を決意することになったとしても、退職を伝える際に、正直に言ってしまうと
本心ではこのような理由があったとしても、
- 別の業種にチャレンジしたい
- 海外で就職したい
また、不可抗力的な退職理由も、無駄な軋轢を生みにくいのでおすすめできます。
- 引っ越さなければいけない
- 家族の介護で実家に戻らなければいけない
中途半端な理由を伝えてしまうと、退職を引き止められてしまうこともあるので注意しましよう。
残っている有給休暇をむやみに消化しない
有給休暇が残っている場合は、退職時にまとめて消化しようとすると保育園に嫌がられてしまうことも多いです。保育園としては、余計なお金がかかってしまうためです。
もちろん、有給休暇の利用は労働者の権利ではあるので、退職時でも利用することは可能です。ですが、円満退職を考えた場合は、有給休暇の消化は控えざるを得ないかもしれません。
先に同僚に伝えるのは要注意
園長ではなく、先に同僚に退職のことを伝えるということには少し注意をしたほうが良いです。退職するということが漏れ伝わってしまう可能性があるためです。漏れ伝わってしまうと、あまり良くない印象を抱かれてしまうこともあります。
よほど仲が良く、良い関係を築けている場合を除き、園長よりも先に同僚の保育士に退職するということを伝えるのは要注意かもしれません。
実は日頃の行いが最も重要!
実は、円満退職において、最も重要なことは「日頃の行い」です。正直、辞める直前にどんなあがきをしたとしても、普段の仕事ぶりによってすべてが変わってきてしまいます。
普段から、保育園において、きちんした仕事を行い、必要な人物だと思われている人であれば周囲の人も「退職するのか、残念、でも今までありがとう」という気持ちに自然となります。
逆に普段から、人の文句や悪口を言ったり、サボっているような人だと、下手したら、辞めてくれてラッキーぐらいに思われてしまう可能性もあります。
結局のところ、人間関係は日頃の行いの積み重ねなので、退職を考えていなかったとしても、普段から、保育園や同僚にとって価値ある人物でいるということがとても大切になります。
必ずしも円満退職する必要はない
ここまで保育士が円満退職をする方法を書きました。既にお気づきかもしれませんが、円満退職をすることに保育士側が得られるメリットはほとんどありません。それ以上に退職するタイミングを逃してしまったり、金銭的なデメリットのほうが大きいです。
円満退職をするということは、保育園側の希望や要求を受け入れるということが前提になります。それはすなわち、自分より保育園の利益を優先するということです。そのわかりやすい一例が残存している有給休暇の消化などです。残っている有給休暇を消化しなければ、保育園はその分金銭的に得をします。その代わりに、保育士は金銭的に損をすることになります。このように、円満退職をするためには、少なからず自分を犠牲にして保育園側の希望を叶えなければいけません。
なんらかの事情があってまた同じ保育園に就職する可能性があるのであれば、たしかに円満に退職する必要があるかもしれません。でも、引っ越しをして、もう近隣からいなくなるという場合やそもそもの関係性もあまり良くなく、退職後に連絡を取り合う可能性などがないのであれば、自分を犠牲にしてまで円満退職にこだわる必要はないといえます。
例えば、仲の良い同僚とは友達としての関係性を維持したいというのであれば、保育園の園長とは円満ではなくても同僚の保育士とは円満に退職することだって不可能では有りません。
なので、なぜ円満退職をする必要があるのかというのをしっかり考えて、自分にとって必要なことをすべきだと思います。
そもそも退職するという時点で円満ではなくなってしまうことも多い
保育士の退職は それを伝えた時点で 既に円満ではななくなってしまうケースも多いです。退職をするという時点で、今まで教育してあげたのに・裏切られたと感じる園長も少なくないです。保育園や園長も様々で考え方も様々なので、どんなに丁寧に退職の意思を伝えても、前向きに送り出してくれるとは限りません。
そうなってしまったら、円満に退職するということを意識しすぎても、無意味になってしまうこともあります。なので、保育士が退職する際は、最低限の礼儀などの示しつつ、自分自身にとって最善の選択を取れるように退職を進めていくのが良いと思います。
どうしても円満に辞めたいのであれば退職理由を工夫すれば良い
園長や同僚が意地悪く、退職を伝えてからの残りの期間も働くというのがどうしても辛いという方の場合は退職理由を工夫すると良いと思います。
- 家族が病気で実家に帰らなきゃいけない
- 結婚で引っ越す
- 旦那の転勤
などなど、とにかく自分の意思ではなくて不可抗力で退職せざるを得なくなったということにすれば良いです。のちのち嘘がバレたとしても、その頃には無関係な赤の他人なので気にする必要もないです。
また、最近では退職代行というサービスをあります。これのメリットとしては残っている有給休暇もしっかり消化できるという点です。
有給休暇がたくさん残っていれば、退職届けを出したあとに園長や同僚に顔をあわせる必要もなくなります。
有給の分の給料も貰えるので、退職代行にかかる費用もまかなえることがほとんどです。
まとめ:保育士が辞める時に円満退職をする方法
保育士が円満退職をするということは、保育園側の要求や要望をある程度満たした上で辞めるということになります。そして、それは少なからず自分自身の希望などを我慢する必要が出てきます。もちろん状況によっては何もせずとも、すんなり退職が進んで円満退職となることもあります。
逆に、どんなに円満退職を心がけようとしても、保育園がどうしても退職してほしくないという場合は、どうあがいても円満退職にはならないこともあります。つまり、自分がいくら円満退職をしようとしても無駄ということになります。
なので、保育士が円満退職をしたいという場合は、なぜ円満退職をする必要があるのかというのをしっかり考えて、自分にとって必要なことをすべきだと思います。
保育士が転職・退職をするための基本的な考え方
ベストなタイミングで保育士が転職・退職をするための基本的な考え方を紹介します。
保育士の年度末以外の時期の退職がタブーになっているのはほとんど保育園側の都合のみ
保育士の本人のことを考えて、年度途中に退職するなと言っているわけではありません。保育士の年度末以外の時期の退職がタブーになっているのは保育園側の都合がほとんどです。働いている保育士の事情はや都合はほとんど関係がありません。
高い給料を払うことができれば新しい保育士は集まりますし、そうすれば、年度途中で辞めた保育士の穴埋めをすることも可能です。それができないので、結果的に他の保育士にしわ寄せがいくことになってしまいます。
退職した後の保育園で起きる問題の責任は辞めた保育士にはない
そもそも保育園などの(会社や企業)は人が入れ替わることが前提で成り立っています。それに対応するのは、保育園の責務です。一般的な会社であれば、誰かが辞めるということは当然リスクとして想定していて、そのために必要な手立てをあらかじめおこなっていることが多いです。例えば、ある特定の作業がある特定の人しかできないという場合は、その人が退職してしまうと仕事が回らなくないってしまいます。それを避けるために、その人しかできない作業を他の人に教えて属人化を防ぐというようなことを予め行います。そうしておくことで特定の人が退職しても、会社が回るようにしています。
退職の意思を示した後の残りの勤務期間に、適切な引き継ぎ等を行えば、辞めた後のことは、辞める保育士が考えることではありません。
「迷惑かけたくないから年度末に退職する」で得られるものはほとんどない
年度末まで働くことで得られるものは「保育園(園長)からの信頼」「同僚からの信頼」「保護者からの信頼」などが考えられると思います。このどれらも、退職してしまったらほとんど価値がないものになります。
もちろん、自身が保育士として年間を通して働きぬくことで得られる経験などは少なからずあると思います。ただ、それは転職を考えている場合に、転職後の保育園で得られるスキルや知識などより価値が高いものとは限りません。
それどころか、転職を考えているということは少なからず今の保育園に不満がある状況だと思います。転職をして、自分によってより良い保育園、自分が納得する環境でより長く保育士として働いたほうが、良い経験ができる可能性も高いかもしれません。
また、経験年数や評価などは、昇給などに関係してくると思います。年度末まで働いた場合は、その分、次に働く保育園での期間が短くなってしまいます。(早く次の保育園で働き始めれば、その分、早く昇給できるかもしれないということです。)
年度末の退職は賞与などの支給にも影響がある
退職の時期は、賞与の支給にも影響があります。年度末の退職は、転職する保育士にとってほとんど損をしてしまうケースが多いです。
例えば、賞与の支給が6月・12月の2回とすると、4月に退職した場合に最後に受けることができるのは、前年の12月の賞与になると思います。そして、次の保育園での6月の賞与は就労期間が短いので、満額貰えない場合が多いと思います。
逆に、12月末に退職をし翌年1月に新しい保育園に入職した場合は、12月の賞与を貰いつつ、次の保育園で6月の賞与を満額もらえることになると思います。
このように、年度末の退職は賞与の面でも影響があるという点にも注意すべきです。
転職活動を始めることは伝えないほうが無難
転職活動を始めるということを幼稚園や保育園に伝える必要はありません。伝えるといろいろな妨害や普段の仕事で不利益を被る可能性もあるので、こっそり始めるのが無難です。
例えば「もう少ししたら給料をあげられる」など、あの手この手で引き止められることは想定しておいたほうが良いです。
ちなみにハローワークや転職サイトを使っても転職活動をしていることがバレることはないので、その点は安心してください。
退職の意思は1ヶ月程度前に伝えれば良い
一般的には、退職の意思は2〜3ヶ月前にすべきという話がありますが、私は1ヶ月前でも良いと思っています。
退職の意思を伝えてからもいつも通り働かなくては行けないので、気まずい雰囲気で働くのは嫌ですよね。
ちなみに法律的には、正社員の場合は2週間前までに退職の意思を告げれば問題ないようです。
意思を告げるというのがポイントで、例えば退職届などを提出して目の前で破かれて断られたとしても意思が伝わっていればそれで問題ないということです。
あらかじめ転職に備えておこう
転職活動をしたら保育園にバレてしまうのではと思う人もいるかもしれませんが、それは有り得ないです。
転職エージェントが、転職しようとしている保育士が働いている保育園に「あの人が登録していますよ」なんてどんなに仲が良くでも言ってはいけないタブーです。
それで保育士が保育園に転職活動は辞めるように言われてしまったら、保育士からの信頼も失ってしまい、転職エージェントにとってはまったく得がない行動だからです。
このままだと精神面や体力面で危ないかもしれないと思ったら、まずは転職エージェントに登録して転職活動を開始してみると良いと思います。担当の方は色々と相談にものってくれます。
現在は保育士不足で引き手数多なので、4月入職とかでなくても登録してみると意外にすぐに好条件な転職先が見つかるかもしれません。
- マイナビ保育士|全国の正社員・パート保育士の求人に対応しています。登録するとネット上での検索などでは見つからない非公開の人気のある高待遇の求人情報も得られます。 まずは求人情報を知りたいだけという方でもOKです!
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※ 保育士の転職サイトは新卒の方や未経験の保育士の方、資格取得見込みの方でも利用可能です。
保育士の転職は精神的にも肉体的にも余裕がある時に行なうべき
保育士の転職は精神的にも肉体的にも余裕がある時に行なうべきだと思っています。
精神的・肉体的に余裕が無いと、
- 転職活動に費やせる体力も時間もなくなってしまう
- 冷静な判断能力が奪われてしまう
からです。
そして既に精神的にも肉体的にも余裕がなくなっている場合は、いち早く転職活動を始めるべきです。
保育士の精神的・肉体的に余裕がない状態は?
- 残業・持ち帰りの残業が多い
毎日残業続きで趣味やプライベートな時間に費やせる時間が少ないとストレスも溜まってくると思います。
個人差はあると思いますが、毎日の睡眠時間が少ないと、幸福度も下がってしまうと言われています。とある研究では毎日の睡眠時間は8時間が理想と言われています。
せめてお金だけでも稼げていれば精神的には安定するかもしれませんが、とくに持ち帰りの場合は残業代は支払われないのが普通だと思います。
このような状態は精神的にも肉体的にも疲労感が強くなってくる原因になります。
- 休日出勤などで休暇が少ない
保育園は土日も開園しているところがあると思いますが、毎週のように休日出勤を強いられている保育士の方も多いです。
みんなが休みの時に、自分が仕事をしていると自己肯定感も失われてしまい精神的も弱ってしまうこともあると思います。
- 低待遇で少ない給料
低待遇で給料が少ないと精神的にも余裕がなくなってきます。将来の不安も増すばかりです。老後3000万円なんて、保育士にとっては夢のまた夢だと思います。
愚痴みたいになってしまいましたが、給料が少ないと精神的にも余裕がなくなります。ある程度貯金などがあれば、仮に今すぐ退職しても貯金で食べつなぐことができると思います。
逆に貯金がないと、次の転職先が見つからないと辞めることもできないので、負のループに陥りやすいです。
- 人間関係に悩んでいる
人間関係の悩みも保育士にストレスがかかる大きな要因です。
特に園長や主任などの所謂上司にあたる人との人間関係に悩んでしまう方は多いです。パワハラ・モラハラ・イジメは自分に非がなくても起こりうることです。
「適応障害」や「うつ病」になってしまう方も少なくないです。そのまま休職してしまったり、退職せざるを得なくなってしまう方もいます。
人間関係の悩みは精神面に非常に大きく影響を与えます。
転職活動に費やせる体力も時間もなくなってしまう
精神的・肉体的に余裕がないと保育士が転職活動に費やせる時間や体力もなくなってしまいます。
毎日、残業や持ち帰り残業が多い場合は家に帰ってからも仕事をするので、その後に保育士の求人を探したり、履歴書や職務経歴書を書く必要があります。
結局時間がなくて転職活動ができずに、「来年こそは辞めよう」と毎年思っていて数年が立ってしまっている人も多いのではないでしょうか?
そうなってくると「 負のループ 」です。減らしたいはずの残業に縛られてしまって、転職活動ができずに時間がたっていきどんどん搾取され続けてしまいます。
ブラック保育園から抜け出せない人はこのような負のループにはまってしまっている人が少なくないと思います。
冷静な判断能力が奪われてしまう
精神的・肉体的に余裕がないと、冷静な判断能力が奪われてしまいます。
私も経験がありますが、精神的・肉体的に余裕がないと「 今を抜け出せれば良い 」と考えてしまいがちです。
そのような思考で保育士が転職活動をすると ブラック保育園からブラック保育園に転職してしまう人が多い です。
ブラック保育園は「残業少ない」「人間関係が良い」「アットホームな職場」などと甘い謳い文句で、保育士を集めようとします。
冷静な判断能力があれば「残業少ない」って一体何時間残業しているんだろう?「アットホームな職場」ってどういう状態? と本質的な部分に疑問を持つことができます。
とにかく今を抜け出せれば良いという思考だと、とりあえず転職しようという思考になってしまいます。
もちろん、現状でそれほど追い込まれている人にとってはそれは正しい行動だと思います。とりあえず次もブラック保育園かもしれないけど、このままここで働いているとおかしくなるという正しい防衛反応です。
ここで言いたいのはそうなる前に、転職活動を行ってできるだけホワイトな保育園へ転職できるようにしたいという話です。
既に精神的・肉体的まずい状態だと思ったら
とは言っても既に精神的・肉体的にも余裕がない!!という人も多いと思います。
既にそうなってしまっているのであれば、とにかく現状を抜け出すために今すぐ転職をすべきです。
一番まずいのは、そのまま我慢し続けて保育園にいけなくなってしまい病気になってしまうことです。そうなる前に、先に退職をしてしまってから転職活動を始めるのも悪い選択では無いと思います。
今は保育士不足なので、保育士資格があれば多少のブランクなどはまったく気にする必要はないです。
辞める時に園長に保育園の退職の許可を取る必要があるって本当?
やっと園長から退職の許可がおりました〜!来年度には退職できそうです!
こんな保育士のつぶやきなどをネットでみたことがありますが、辞める時に園長に退職の許可を取る必要がある保育園があるようです。そもそも本当にそのように、保育士が退職する際には、誰かの許可が必要なものなのでしょうか。この記事では、その点について解説しています。
先に結論から言うと、保育士が辞める時に必ずしも園長に保育園の退職の許可を取る必要はありません。退職の意思を園長に示す必要はありますが、その結果、退職の可否を決めるのは園長ではありません。園長が退職を認めず、保育士を長く働かせたいというのはブラック保育園の手口になるので、注意しましょう。
退職時に許可を求めるのはブラック保育園のよくある手法
保育士の退職時に許可を求めるのは、ブラック保育園によくある手法です。退職時にハードルを設けることで、辞めさせないようにするという思惑があります。
例えば、次の保育士が雇用できるまでは退職をさせないというような保育園も実態としてあるようです。
特に、昨今は保育士の採用も簡単ではないため、今いる保育士をできるだけ長く働かせようとしたいという思惑があります。これはブラックに限らず保育園全般に当てはまりますが、ホワイトな保育園は、保育士の働きやすさなどで保育士に長く働いてもらうとします。一方でブラック保育園にはそのような能力はないので、なるべく退職をしにくくするというほうに力を注ぎます。
後述しますが、直近すぎる退職を除いた場合は、退職の可否や有無は労働者である保育士本人に決定権があります。
ブラック保育園は退職しにくい状況を意図的に作っている
ブラック保育園は保育士が退職すると困るので、退職しにくい状況を意図的に作っています。昨今は保育士を新しく採用するものなかなか難しいですからね。
私が勤めていたブラック幼稚園では、退職をする際に、まず園長ではなく先輩に相談をする必要がありました。そして、そこで理由などを確認され、オッケーであれば園長に伝えるという流れができていました。
それが慣例となっていて、なかなか退職を申し出にくいという状況ができていました。退職を申し出ても理由によっては、園長に話す前にうやむやになってしまうこともありました。
もちろん、今考えれば、別に従う必要はなかったですが、そのような空気が出来上がっていて、退職をしにくい環境になっていました。
ブラック保育園は、意図的にこのように保育士が退職をしにくい状況を作り出していることが多いです。
保育士が退職を希望する際に誰かの許可は不要
保育士が退職を希望する際に誰かの許可などは不要です。保育士に限った話ではなりませんが、好きな時期に退職をするということは労働者に認められた権利になります。
なので、保育士が退職をする際に、いちいち園長などに許可をとるという必要はそもそもまったく必要のないことです。相談などをするのは良いですが、最終的な決定権はあくまでも労働者本人の保育士にあります。
保育園が保育士の退職を引き止めるのは自由ですが、強制的に退職を阻止するということはしてはいけないです。ましてや、退職の希望を伝えても、退職を認めない・手続きをしてくれないということはあってはいけないことになります。
保育士は退職の時期の調整も不要
保育士の退職の時期に関しても、必ずしも園長などの希望に沿った時期にする必要はありません。保育士は、来年度までは働いてほしいと言われることは多いと思いますが、それに応じるか応じないかも保育士本人の自由です。
精神的な理由でこのまま勤務するということが厳しい状況であったり、既に次の転職先と入職日が決まっているような場合であれば、無理をして退職の時期調整に応じる必要はありません。
ちなみに、期間の定めのない保育士の正職員の退職であれば、法律上は2週間前までに申し出ればよいということになっています。
「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。」
民法ではこのように定められています。なので、保育園は2週間以上先の日を指定して退職を申し出た場合は、退職を受け入れる必要があります。
あまりにも直近すぎる(2周間以内程度)退職であれば、退職日の調整ぐらいは応じるべきかもしれませんが、退職の時期の決定権に関してもちろん保育士本人にあります。
さらに加えると、保育園が認めさえすれば、翌日などの直近での退職も可能ということになります。
保育園の就業規則に退職は1ヶ月以上前に申し出るように書かれている?
保育園によっては就業規則等「退職する場合は○カ月前に申し出ること」と書かれていることがあると思います。例えば1ヶ月前や半年前などです。
この就業規則をたてに、退職を認めようとしない保育園があるかもしれませんが、この場合も、基本的には民法の規定が優先されるという考えが多く、2週間以上前の申し出であれば、退職が認められるという考えが一般的です。
もし、このような就業規則をたてに退職を認めようとしない場合は、労働基準監督署や労働関係の法律に詳しい法律事務所などに相談するか、退職代行などの利用も検討すべきかもしれません。
保育士の退職は意思を示せばよい
退職の意思表示は必ずしも書面である必要はなく口頭でも成立します。ただし、トラブルになるケースも多いので、退職届を書面で提出し退職の意思をしっかり示すことも大切です。
もし、園長が退職届を受け取ってくれない場合などは、メールなどの証跡が残る形も合わせて退職の意思を示すと良いかもしれません。
それでも退職しにくい保育士の心理
退職は労働者の自由なのはわかっているけど、それでもやっぱり退職しにくい保育士の心理は私もよくわかります。保育園の保育士の退職は、同僚の保育士はもちろん、預かっている子どもへの影響もあるためなかなか決断が難しいですよね。
でも、やっぱりいちばん大切なのは、これからの自分の人生だと私は思います。正直なところ、保育士一人が辞めたくらいで在園児に大きな悪影響なんてないと私を思うようにしています。そんなことはただの思い上がりだと思っています。実際に退職しても新しい保育士はそのうち雇用されますし、クラス運営も誰かがカバーして成立させるはずです。
思い悩んでしまう方は、退職に関する考え方を変えてみるのも良いかもしれません。
迷惑をかけたくないは間違い
自分が退職したら、同僚の保育士などの誰かに迷惑がかかると思ってしまってなかなか退職に踏み切れないということもあると思います。特に年度途中などであれば、ひとり保育士が辞めたとすると、その埋め合わせが必要で、その分の負担は確かに他の同僚の保育士などに回ることがあります。
ただし、そもそもそのような迷惑がかかっている状態を放置しているのは保育園側の責任であり、辞めた保育士の責任ではありません。例えば、保育士が一人辞めてしまっていても代わりの保育士を雇用できていないないというような状況の責任は保育園にあります。
他の保育士に迷惑をかけたくないから辞めないというのは、自分の首を締めるだけで、保育園側の思うつぼになってしまいます。
保育園の子どもがかわいそう?
保育士が退職を考えた際に一番の足かせになってしまうのが、保育園の子どもがかわいそうという感情だと思います。保育園へにかかる迷惑は気にしないけど、やっぱり子どもの存在は気になるという方は多いかもしれません。特に特定のクラスの担任になっていた場合は、年度途中などで辞めてしまうと、途中で担任が入れ替わることになってしまいます。慣れている環境が変わるのは、たしかに子どもには影響が出てくる部分になると思います。
ただ、担任が変わることが子どもによって必ずしも悪い影響があるとも言えませんし、担任として引き継げることを残りの勤務期間できちんと行えば良いと思います。退職した後のことは、保育園が責任を持って対処すべきことになると思います。
もし、退職の意思を告げた時に、園長などから「子どもが可愛そうだと思わないの?」と言われたのであれば、「残りの勤務期間に責任を持って後任者に引き継ぎます。子どもが可愛そうにならないように保育園の園長として対処してください。」と伝えると良いと思います。
退職後はどうせ疎遠になる
保育士には保育園での人間関係を気にして退職を躊躇してしまっている人も多いと思います。ですが、退職後はどのにみち疎遠になるので、そこまで人間関係を気にする必要は無いと思います。
ちょっと人間関係がこじれたとしても、退職までの数週間を我慢すれば良いだけです。むしろ、本当に仲が良い同僚であれば、なにか保育園に不満があって退職をするのであれば、きっと応援してくれるはずです。
転職先を決めてしまうのも一つの手段
どうしても退職を踏み出せないという方は、先に転職先の保育園を決めてしまうというのも一つの手段だと思います。
転職先の保育園を決めて、先に入職日も決めてしまいます。あとは、今の保育園が何を言ってこようとも、その入職日までには退職せざるを得ないです。そうしないと次に働く保育園に迷惑がかかってしまうことになります。
このように、転職先を決めてしまえば、たとえ意思が弱い人でも退職に踏み切らざるを得ない状況に自分を追い込むことが可能です。
まとめ:辞める時に園長に保育園の退職の許可を取る必要があるって本当?
退職の許可を園長に取るという考えはそもそも間違っている考え方です。保育士は辞める時に園長に保育園の退職の許可を取る必要はありません。
ブラック保育園は退職しにくい状況を意図的に作っているので、それに惑わされずに退職をするかしないかは自分自身で判断しましょう。
退職と退職日は自分の意思で決めて、それを園長に伝えるだけというのが保育士に限らず、労働者のとるべき行動になります。
園長や周囲の保育士の顔色を伺ってしまってなかなか退職ができないというのは、自分が不幸になるだけなので、絶対にしないようにしましょう。
保育士退職のよくある疑問
年度末以外の時期に退職する保育士のよくある気になるポイントを解説しています。
そもそも次に働く保育園の求人があるか?
たしかに保育園の保育士の求人は4月入職が圧倒的に多いです。これは年度末で退職する保育士が多いためです。ですが、最近では、慢性的に保育士が不足している保育園も多く、年度途中での募集がある保育園も少なくないです。4月ではなく秋などに新規オープンする保育園も多いので、そのタイミングで保育士の求人も増加します。また、保育園で働く保育士が年度途中で産休などに入る場合もあるので、年度途中での募集も十分に考えられます。
なので、そこまで次に働く保育園のことを心配する必要はないと思います。もちろん、退職後に転職活動をはじめる場合は、念の為、数ヶ月分くらいの生活資金は残しておいたほうが良いでしょう。
ただし、地域によって、あまり周囲に保育園がないなどの場合は、年度末以外のタイミングでの退職をすると求人が少ない場合もあります。その場合は、引っ越しをして別のエリアでの就業を考えるか、最低でも次に働く保育園を決めてからの退職がおすすめです。
次の保育園の面接での印象が悪くなる?
年度末以外の年度途中で退職をすると、次に面接を受ける保育園での印象が悪くなってしまうということを危惧する方もいると思います。実際に、年度途中で退職をしているという時点で不採用にする場合もあるかもしれませんが、それは稀なケースだと思います。
しっかりと退職した理由などを説明することができて、他の部分で保育士として好印象を与えるということが大切です。これは、年度末以外の年度途中での退職に限らず、大切なことだと思います。それができれば、年度途中での退職の印象悪化をそれほど気にする必要はないと思います。
こちらも気になるようであれば、転職先を決めてから退職をすればよいです。
残りの勤務期間が憂鬱になってしまう?
年度途中に退職する場合の懸念点のひとつが、残りの勤務期間が憂鬱になってしまうのではということだと思います。園長や同僚が「年度途中の退職なんて無責任過ぎる」という考え方を持っていると、残りの勤務のことを考えると、退職に踏み切れないという方も多いと思います。
私の経験では、辞めると決めた後はむしろ、肩の力が抜けた状態で仕事ができるので、退職を告げた後の勤務期間はむしろそこまで憂鬱ではなかったです。これは、本人の考え方や周囲の状況などによって異なると思います。
この点が心配な場合は、上手く同僚や園長から反感を買わないように、退職理由などでカバーするのが良いと思います。自分の意思ではなく、不可抗力的に退職せざるをえなくなってしまったという伝え方をしましょう。
担任している子どもたちがかわいそう
この点に関しては、私は園長を含め残った職員の責務になると私は思っています。なので、辞める本人としては、退職日まである程度の期間(1ヶ月程度)をとって次の担任にしっかりと引き継ぎを行うことが最低限できることだと思います。
先程も書いたように、退職した後の保育園の問題の責任は辞めた保育士にはないので、残りの勤務期間でできることをして退職をすれば良いと思います。
まとめ
私は保育士・幼稚園教諭は「辞めたい時に辞めるべき」だと思っています。現状に不満があるまま我慢して続けることは良いことでは無いと思っています。それで体調を崩してしまっては本末転倒だと思います。
いまが死ぬほどきつければすぐに転職ましょう。今では保育士は全国的に不足していて求人もたくさんあります。そこで我慢して働くのは時間の無駄だと思います。円満退職も必要ないです。円満にしたいなら退職しないべきだと思っています。
もちろん、園長や同僚の保育士に迷惑をかけたくないのであれば、可能であれば年度末まで働くのが良いと思います。今後も園長や元同僚の保育士と良好な関係で過ごしたいのであれば、自分を犠牲にして年度末まで働くのが良いです。年度末で退職して次年度から別の保育園で働くということにもメリットはあります。それは、保育士の求人の多くは4月入職が多く他の保育園の求人もたくさんあるということです。
一般論として、求人はたくさんあるなかから選んだほうが良い転職ができる場合が多いです。逆にどうしてもすぐ辞めたいし、今後は園長も元同僚も無関係という場合であれば、ボーナス支給後でもいつでも好きな時に辞めて良いと思います。例えば12月ボーナスを貰って、1月から別の保育園で働けば、次年度の6月にはその保育園でのボーナスを満額貰えることになります。
先程も言いましたが、年度末で辞めて4月に別の保育園で働くと6月のボーナスは満額支給はされないです。法律的な観点でも、一ヶ月前程度に退職の意志を示せばなんにも問題はありません。
辞めてからの保育園のことを考えるのは、辞めた保育士ではなくて、保育園の園長のすべきことです。最低限として一ヶ月前程度に退職の意志を示すことだけしておけば、本人の意志でいつ辞めても良いと思います。