認可と認可外(無認可)保育園の違いをわかりやすく解説。保育士が働く長所と短所。

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認可保育園と認可外の違いとは?わかりやすく

保育園で働く保育士の皆様。これから働く保育施設を探すという方。

こんな疑問や悩み、不満はありませんか?
  • 認可保育園って結局なんなの?
  • 認可外保育施設ってどうなの?
  • 認可外保育施設は待遇が悪い?

日本の保育園は、基本的に自治体から認可を受けていて、それらは「認可保育園」「認可保育所」と呼ばれています。もし既に保育園に保育士として働いていたり、これから保育士として働く予定があるのであれば、この認可の仕組みを理解しておいたほうが良いです。

今回は、保育士が知っておくべき日本の保育園の仕組みである、認可保育園ってそもそもななんなのかというということを解説します。

認可外保育園と認可保育園の違いは認可の有無で保育の質やサービスが悪いというわけではありません。認可外保育園もしっかりと見極めれば認可保育園より良い待遇で働くこともできます。

  • これから保育士資格を取得しようと思っている方
  • 保育士資格を持っていても未経験の方
  • 夜勤保育で高時給で仕事やりたいひと
  • 認可保育園より高待遇の保育園で働きたい人
  • 英語や運動など独自のカリキュラムをしたい保育士の方

認可外保育園と聞くと良いイメージがないかもしれませんが、保育士の待遇が良い保育園もたくさんあります。一方で待遇が悪い保育園もあるのでしっかりと見極める必要があります。

この記事の信頼性
私は保育園、幼稚園、認定こども園で勤務した経験があります
認可保育園と認可外保育施設で働いた経験があります
その経験が参考になればと思います

認可保育園ってそもそも何?

認可保育園は自治体から認可されている保育施設のことになります。市区町村が運営している公立保育園や民間企業が運営している私立保育園があります。基本的には0歳から小学校就学前の児童を預かる保育施設になります。

保育園は認可とそれ以外の大きく2種類

日本の保育園の仕組みは、大きく分けると「認可」と「それ以外」の二種類に分けられます。「それ以外」は「認可外」や「無認可」と呼ばれることもあります。

この2つの違いは、もちろん認可されているか、と、認可されていないか、ということになりますが、認可されていないからと言って、なんのルールや縛りもなしに、自由に運営されているというわけではありません。認可外の保育園にも基準やルールが存在します。

子どもを預ける利用者視点で考えると、「認可」と「それ以外」の保育園の大きな違いは、 利用申込先と利用調整の有無 になります。

子どもを預ける利用者が、認可保育園を利用したい場合は、利用申込は市区町村に行います。そして、市区町村は全体の利用希望者を把握したうえで、優先順位付けもとに、利用調整を行います。さらに、利用申込みには、保育を必要とする要件を満たしている「保育の必要性の認定」が必要になります。簡単な例で言うと、両親が共働きであるなどです。

一方で、認可外保育施設に対しては、利用者は直接、保育園に申し込みを行います。保育園によっては、必ずしも「保育の必要性の認定」ではない場合もあります。一般的には、市区町村の利用調整によって保育園に入ることができなかったという場合に、仕事をするために、子を認可外保育施設に入園させるという流れが多いです。また、認可保育園に通いながら、一部の日程や時間帯において、別の認可外保育施設を利用するというような使い方も可能です。

認可されていない保育園は法律違反じゃないの?

これから保育士として働こうか考えている方や、保育園の利用者の方は、認可されていない保育園は法律違反しているってこと?というような疑問をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

結論としては、認可基準を満たしておらず認可されていないからといって、法律違反というわけではありません。これらの保育園は、あくまでも「認可保育園ではない」というだけです。 このような保育園は一般的に「認可外保育施設」とよばれていることが多いです。

それだと、認可外保育施設は何の基準もなく自由に運営されているの?と思うかもしれませんが、そういうわけではありません。実は、この認可外保育施設にも一定の基準が設けられています。何の基準もないと安全ではなくなってしまいますからね。

加えて、昨今では「企業主導型保育事業」「認証保育園」など、認可外保育施設のなかでもバリエーションが増えていたりもします。一概に、認可外保育施設とひとくくりにはできなくはなってきています。

認可保育園と認可外保育施設の違いについては以下の記事でも説明しているので参考にしてみてください。

認可保育園の種類とは?

  • 認可保育園
  • 地域型保育事業(小規模保育事業・家庭的保育事業・事業所内保育事業・居宅訪問型保育事業)
  • 認定こども園

認定こども園に関しては、厳密には保育所とは異なりますが、認可保育園と類似の機能があります。

これらのそれぞれの運営主体は、市区町村である場合と民間法人である場合があります。

認可保育園かどうかを見分ける方法とは?

これから保育所の利用を考えている方や、新たに保育園で働きたいという保育士の方のなかには、例えば、自宅の近所を歩いていて、気になる保育園を見つけたけど認可保育園かどうかわからない、という方や、気になる求人情報があったけど認可保育園なのかどうかわからないという方もいらっしゃると思います。

一番簡単な方法は、自治体のホームページの保育所リストを確認することです。ほとんどの市区町村で認可保育所リストを公開していると思うので、そちらを確認すれば、認可保育園なのかどうかを確認することができます。

逆に、認可外保育施設のリストを公開している自治体もあれば、そうでない場合もあるので注意が必要になります。

認可保育園は誰が認可している?

認可保育園の認可は都道府県が行っています。地域型保育事業の認可は市区町村が行っています。地域型保育事業は、小規模保育事業・家庭的保育事業・事業所内保育事業・居宅訪問型保育事業になります。

国、都道府県、市区町村、保育士、利用者のそれぞれの認可保育園との関わり方

国、都道府県、市区町村のそれぞれの認可保育園との関わり方をおおまかに説明します。

認可保育園の最低基準を法律として定めています。基準に関しては後述しています。

都道府県

市区町村や民間法人からの認可申請に対応し、保育園の認可の可否を決定しています。

市区町村

地域型保育事業の認可は市区町村が行っています。また、認可保育園が給付の対象とすることを確認(適正な給付の維持のため、施設・事業に対し、指導監督を実施)しています。加えて、公立保育園の管理・運営も行っています。

認可保育園の利用者の利用調整などは、市区町村が実施しています。

保育士

保育士は、認可保育園、域型保育事業(小規模保育事業・家庭的保育事業・事業所内保育事業・居宅訪問型保育事業)、認定こども園において保育士として就業することが可能です。ただし、一部の認定こども園においては、保育士と幼稚園教諭免許状の両方を求められ、保育教諭としての就業になる場合もあります。

市区町村の運営する公立保育園で働く場合は、基本的に各自治体の地方公務員採用試験等を経て、地方公務員としての勤務になります。また、民間の私立保育園で働く場合は、各法人の採用面接等を経ての採用となります。

保育園の利用者(保護者)

保育園の利用者である保護者は、認可保育園に利用申込をする場合は、市区町村に対して利用申込を行います。また、どの保育園に入園したとしても保育料は自治体の基準によって一律で決定し、市区町村に対して支払いを行います。認可保育園の利用は、後述する保育の必要性が認められている場合に限ります。

住んでいる市区町村内に利用申込を行うというのが一般的になりますが、状況によっては、住んでいる市区町村ではない自治体に対して利用申込を行うことができる場合もあります。例えば、勤務地の保育園や近隣の市区町村などに、越境申し込みが可能な場合もあります。

認可保育園の運営費はどこから出ている?

認可保育園の運営費は利用者である保護者が保育料として支払っているのでは?と思うかもしれません。ですが、保護者が支払う保育料は、ほんのごく一部でほとんどの運営費は自治体が負担しています。保育料は保護者の年収によっても変わりますし、無償化されている部分もありますよね。

認可保育所の運営費は、国、都道府県、市区町村はそれぞれ保育所運営費を負担しています。つまり、多くは税金によって負担されているということになります。また、保育士が受け取る給料は、この運営費によって賄われているということになります。

認可保育園の基準は?

保育園の認可条件は国が大元となる「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」として設けています。

  • 設備
    • 乳児向け:乳児室又はほふく室、医務室、調理室及び便所
    • 幼児向け:保育室又は遊戯室、屋外遊戯場(保育所の付近にある屋外遊戯場に代わるべき場所を含む)、調理室及び便所
  • 乳児室の面積
    • 乳児一人につき一・六五平方メートル以上
  • ほふく室の面積
    • 乳児一人につき三・三平方メートル以上
  • 保育室又は遊戯室の面積
    • 幼児一人につき一・九八平方メートル以上
  • 屋外遊戯場の面積
    • 幼児一人につき三・三平方メートル以上
  • 給食
    • 自園調理または委託
  • 保育士の数
    • 乳児おおむね三人につき一人以上、満一歳以上満三歳に満たない幼児おおむね六人につき一人以上、満三歳以上満四歳に満たない幼児おおむね二十人につき一人以上、満四歳以上の幼児おおむね三十人につき一人以上とする。ただし、保育所一につき二人を下ることはできない。

※「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323M40000100063#18より

ちなみに、各保育園はこれらの基準を満たしていれば必ず「認可保育園」として運営ができるわけではありません。都道府県は保育需要に関する現状分析と将来推計などをもとに、認可の可否を決定することになります。例えば、その保育園がある地域は将来的な保育需要が見込めないというような場合は、認可されない可能性もあるということです。

認可保育園を利用するための条件は?

認可保育園を利用することができる方は、父母等の保護者が下記のいずれかに該当している場合です。

保育を必要とする事由 給付認定の有効期間
会社や自宅を問わず、月64時間以上働いているとき 最長、就学前まで
妊娠しているとき、出産の準備や出産後の休養が必要なとき
病気・けがや障害のため保育を必要とするとき 最長、就学前まで
病人や障害者を月64時間以上介護しているとき 最長、就学前まで
自宅や近所の火災などの災害の復旧にあたっているとき 最長、就学前まで
仕事を探しているとき(求職中) 3か月以内
大学や職業訓練校などに月64時間以上通っているとき 通学期間中
虐待や配偶者等からのDV(家庭内暴力)のおそれがあるとき 最長、就学前まで
育児休業を終了し、仕事に復帰するとき 最長、就学前まで

※引用https://www.city.yokohama.lg.jp/kosodate-kyoiku/hoiku-yoji/yochien/yochiriyou/r06yochiriyou.files/r6_riyoannai_shisetsugata.pdf
※横浜市の例になります。

認可保育園は各市区町村が利用調整を行っています。利用を希望する保護者の方は、保育園に直接申し込みをするわけではなく、市区町村に対して利用申込みをします。市区町村は、利用希望者の人数によって必要な利用調整を行います。つまり、希望の保育園に必ず入所できるというわけではありません。

保育園が認可を受けるメリットは?

保育園が認可を受けて運営するメリットは、運営費が支給されるということと、安定的に運営ができるというメリットがあるためです。先程も書いたように運営費は国と自治体が負担してくれます。また、保育園は保育需要に応じて認可されるので、一度認可されてしまえば、むやみやたらに近隣に必要以上に認可保育園が乱立されるということはないため、安定的に定員を確保することが出来ます。

保育士は認可保育園で働いたほうが良い?

先に挙げた「保育園が認可を受けるメリット」があるため、現状においては、日本にある保育施設の種類の中では平均すると認可保育園がもっとも資金面においても安定的で、なおかつ、長期的に安定して運営がされています。そのため、保育士が就業するという点においても、平均的に考えると認可保育園で働いたほうがメリットは多いでしょう。

ただし、あくまでも「平均」の話であって、認可保育園にもブラックな保育園はありますし、認可以外の保育園のなかにも認可保育園より魅力的な保育園はあります。そのため、認可ならどこでも良いということではなく、そのなかでも自分にあったより良い保育園に就職する必要があります。

利用者はなるべく認可保育園に子を預けた方が良い?

利用者の方が悩むのは、なるべく認可保育園に子を預けた方が良いのかということだと思います。

利用者の金銭的な負担面において考えると、大抵の場合は、認可保育園に子を預けたほうが良いことが多いです。認可外保育施設の場合でも、認可同等の補助を受けることができる場合もありますが、そもそもの保育料の設定によって、認可保育園に入るよりも負担が高額になってしまうことが多いです。

それ以外の保育の質の面においては、認可だから安心、認可外だから不安と、一概に言えることはありません。ですが、一部の地域型保育事業を除く、認可保育園は職員の配置基準の100%は保育士である必要が求められますが、認可外保育施設は、それよりも緩い基準になっていることもあります。もちろん、実際の運営状況は各施設次第になるので、認可外保育施設にお子さんを預けるという場合は、有資格者の割合を確認したほうが良いでしょう。

保育内容や教育面においては、一部の認可外保育施設には、特色がある場合もあります。例えば、インターナショナルプリスクールのような英語教育に力を入れているような保育施設や体操等に力を入れているスポーツ保育施設は、認可外保育施設として運営されていることが多いです。これは、認可保育園として運営すると、認可保育園としてのルールの縛りによって自由な運営がしにくくなってしまうためです。

以上のことから、一概に、利用者はなるべく認可保育園に子を預けた方が良いとは言えませんが、特にこだわりが無いという方は、基本的には認可保育園に子を預けるという選択になるのが無難と言えるかもしれません。

認可保育園と認可外保育園の違い

保育園は大きく「認可保育園」と「認可外保育園」があります。

認可保育園は国、都道府県、市区町村から運営費が出ていますが、認可外保育施設は一部(東京都認証保育所、市区町村の認定保育所、企業主導型保育事業)などを除いて、基本的に保護者からのの保育料で運営されています。

保育料は認可保育園はこどもを預ける保護者の所得によって、市区町村ごとに一律で決められます。それに対して、認可外保育園は運営者が自由に保育料を設定しています。

入園に関しては、認可保育園は保護者が市区町村に対して申し込み、定員を上回る場合は、市区町村が選考や調整を行います。それに対して、認可外保育施設は直接施設に申し込み、選考基準なども施設が自由に設定できます。

入園基準 運営費 保育料
認可保育園 所得などの条件で優先順位が決定 公費 市区町村が一律で設定
認可外保育園 施設が自由に設定 基本的に保育料 施設が自由に設定

認可保育園は国の基準を満たし市区町村に認可されている保育園ですが、認可外保育園にも認可保育園より緩いですが、運営の基準が存在します。

働く保育士に関係する部分は、認可外保育施設でも様々な違いがあるので次の部分で紹介します。

認可外保育園で働くメリット・デメリットは?

認可外保育園で働くメリット・デメリットについて紹介します。

未経験・保育士資格が無くても採用されやすい

認可外保育園は認可保育園と比べて保育士の配置基準が厳格ではないです。常勤の保育従事者の半数以上が保育士資格の保有者であれば良いという場合が多いので、認可保育園と比べると保育士資格が無くても働ける可能性が格段に高くなっています。

もっとも無資格者を採用するかどうかは保育施設の運営者によるところとなります。最終的には保育士資格を取得することが望ましいです。

待遇は園によってさまざま

認可外保育園の保育士の待遇は園によってさまざまです。例えば東京都の認証保育所のようにほとんど認可保育園と変わらない場合もあります。一方でやはり認可保育園と比べると補助金が少ない場合などは待遇が極端に悪い場合もあります。

最近では、認可外保育施設で給与未払いが発生して倒産に至るケースも報告されています。

逆に、企業の事業所内保育園や病院内の保育室であれば、従業員の福利厚生などの目的もあり、運営資金が潤沢な場合もあります。

また、教育に力を入れている保育園で、独自のカリキュラムで保育料を高く設定している場合などは、従業員の待遇も良い場合があります。

独自のカリキュラムを行っている保育園がある

認可外保育施設には独自のカリキュラムを行っている保育園が多数あります。例えば、英語に力を入れている保育園、運動に力を入れている保育園などです。

例えば英語が得意な保育士であれば、認可保育園よりも高待遇で働くことができる可能性が高いです。

施設側も保育料も独自に設定できるので、教育に力をいれた保護者の方のお子さんなどが入園する場合があります。

認可の基準に収まらない幅広いサービスを提供できることが認可外保育施設のメリットでもあります。

夜勤などの多様な勤務体系

認可外保育施設には、病院の院内保育室やベビールームなど宿泊を伴った保育を提供している保育施設があります。24時間体制の保育施設も存在します。

病院など、医師や看護師が24時間体制で働いている場合は、その子どもを預けられるというメリットがあります。

夜勤などは体力的には大変ですが時給が高くなるので、体力に自身があり短時間でたくさん稼ぎたいという人にもおすすめです。

保育士の資格保持者の保育者の割合が少ない場合がある

認可外保育施設は、保育士の資格保持者の保育者の割合が認可保育園と比べても少ない場合があります。認可保育園は、保育士の配置基準、いわゆる、対人数の部分は100%保育士資格保持者である必要があります。実際に多くの認可保育園は保育者のほとんどは保育士資格保持者で、余剰分の人員のみ、保育補助のような形で無資格者がいる場合が多いです。

認可保育園と比べて保育士の配置基準が厳格では無いので、保育士資格を持っていない方も同僚として働く場合があります。どうしても保育士の資格を持った保育スキルの高い人の負担が多くなる傾向があるようです。保育士資格を持っている人の場合は、働く認可外保育施設がどのような基準で保育士と無資格者を採用しているかを確認したほうがよいかもしれません。

一方、認可外保育士施設の場合は、基本的には、配置基準の50%以上が保育士資格保持者であれば良いことになっています。つまり、最大で保育者の二人に一人は無資格者で良いということになっています。もちろん、施設によっては、保育士資格保持者のみしか採用していないという場合もあります。

保育士資格を持っていない保育者が保育園に対して、必ずしも良くない影響をもたらすというわけではありませんが、保育士資格をきちんと持っていて、経験もスキルもある保育士が同僚にいたほうが、全体の保育士の質の面ではもちろん、保育士ひとりひとりの負担や働きやすさの面でも良いということは言えるでしょう。

保育園が得られる補助金の額が認可と比較して少ない

認可外保育施設は、保育園が得られる補助金の額が認可と比較して少ない傾向があります。

認可外保育施設のなかでも、各自治体が条件によって認証している「認証保育所」や国の「企業主導型保育事業」のように、認可とは別の認証・認定を受けて補助金を貰っている保育園もありますが、全体といして平均すると認可保育園と比較しても得られる補助金の金額は少なくなります。

認可外保育施設はそのかわりに、高い保育料を設定して保護者から利用料を貰うという仕組みになっています。

先程も書いたように、ただ保育料が認可と比べても高いだけで、保育の内容や質、教育なども認可以下ということであれば、待機児童のような保育園に入ることが出来なかった保護者しか利用を希望する人はいなくなってしまいます。

また、当然ですが、運営費が足りない部分のしわ寄せは、職員の人件費にを削られるということになります。そのため給料は認可の保育園と比較しても安い傾向があります。また、良くない場合では、サービス残業や持ち帰りの仕事のなども発生するリスクが高まります。

将来的に閉鎖の可能性もある

認可外保育施設は、認可保育園と比較しても将来的に閉鎖の可能性が高いということは間違いないです。認可外保育施設はあくまでも、自主的に運営している保育園です。運営の資金繰りなどが悪化した場合には、閉鎖に繋がってしまうこともあります。

特に、認可外保育施設は認可保育園と比べても、保護者の方が払う保育料は高い傾向があるため、待機児童が減っていくと、利用者が少なくなる傾向があります。

また、働く保育士自体も、先程書いたように保育園が得られる補助金の額が認可と比較して少ないため、保育士の待遇も比較すると低くなる傾向があります。そのため、保育士の離職などが同時期におこると、本来受け入れられる定員の園児を受け入れられなくなってしまうというようなリスクがあります。

実際に、認可外保育施設が突然閉鎖してしまって、預けている保護者や働いている保育士が困ってしまうということも起きています。

認可外保育施設の種類は?

実は認可外保育施設にもたくさんの種類が存在します。

都道府県・市区町村の認証・認定保育施設

一部の都道府県・市区町村には認可外保育施設を認定した保育施設があります。

東京都の認証保育所

東京都の認証保育所は、認可外保育施設のうち東京都の設定した基準を満たして認証されたものです。原則として、3歳未満児の場合80,000円、3歳以上児77,000円を超えない料金設定となっています。

以下はすべての東京都の認証保育所で共通している条件になります。認証保育所として認められると、自治体による運営費の補助を受けることができます。

  • 0歳児の保育を実施
  • 13時間の開所
  • 東京都が認証
  • 定員は6~120名
  • 常勤職員の保育士等の保有者は6割以上

認証保育所には将来的に認可保育施設への移行を検討しているものも多くあります。

横浜市の横浜保育室

横浜保育室は、認可外保育室のうち横浜市が儲けた独自の基準を満たし、市から助成を受けている施設になります。3歳未満のお子さんの保育料は、58,100円を上限に施設が独自に設定しています。

以下はすべての横浜保育室に共通している条件になります。

  • 0歳から3歳未満
  • 全施設で施設内調理の給食を実施
  • 3歳未満のお子さんおおむね4人に1人、保育従事者を確保

園の床面積や保育士の配置基準などで認可の基準を満たせない場合に横浜保育室として保育園を開園するケースも増えています。

川崎市の認定保育園

川崎市認定保育園は、認可外保育施設のうち川崎市の独自の基準を満たし認定を受けている施設になります。

以下はすべての川崎市認定保育園に共通している条件になります。

  • 定員10人以上
  • 給食提供が推奨
  • 平日の日中11時間以上の開所
  • 保育従事者中2/3または1/2以上が有資格者

さいたま市のナーサリールーム

さいたま市のナーサリールームはさいたま市の基準を満たし市から認定を受けた定員が20人以上の施設になっています。

  • 定員が20人以上
  • 年齢0歳児~5歳児

千葉市保育ルーム

千葉市保育ルームは千葉市のの基準を満たし市から認定を受けた施設になります。

  • 1年以上の運営実績を有する
  • 定員は10人以上
  • 給食を実施

堺市の認証保育所

堺市の認証保育所は市が独自の基準を設けて認証した保育所になります。

浜松市の認証保育所

浜松市認証保育所は、認可外保育施設のうち、市が定める基準をクリアする施設を市が独自に認証している施設になります。

相模原市の認定保育室

相模原市認定保育室は、認可外保育施設のうち、市が定める基準をクリアする施設を市が独自に認証している施設になります。

  • 定員10人滋養
  • 1日11時間以上
  • 保育士資格等を有する常勤の施設長を置くこと
  • 保育従事者の2分の1以上は、保育士又は看護師の資格を有する者を置くこと
  • 保育室の面積は、児童1人当たり1.98平方メートル以上確保されていること
  • 消火用具、非常口その他非常災害に必要な設備が設けられていること

ベビーホテル

ベビーホテルは認可外保育施設のなかでも一時保育で宿泊を伴った保育サービスを提供している施設になります。

  • 午後8時以降の保育
  • 宿泊を伴う保育
  • 一時預かりが半数以上

事業所内保育施設

事業所内保育施設は認可外保育施設のうち、企業が事業所内に設置した保育施設になります。市区町村から認可を受けている認可保育園の事業所内保育事業もあるので、両者は異なるものになります。

企業主導型保育事業

企業が設置する認可外保育施設のうち、国の基準を満たしたものを企業主導型保育事業として認定しています。詳細については下記の記事を参照してください。

病院内保育施設

病院が夜勤などの多様な働き方をする従業員のために設置している保育施設になります。24時間体制で保育を行っている場合が多いです。

私も病院内の保育室で勤務した経験があります。

認可外保育施設で働くのは辞めたほうが良い?

保育士が働くことができる施設はたくさんありますが、大きく分類すると認可された保育園(認定こども園や小規模保育事業)とそうではない保育園の2つの種類に分けることができると思います。

それであれば、認可をされていない認可外保育施設で保育士は働くのは辞めたほうが良いのでは、という疑問が生じている方もいらっしゃると思います。

結論としては、保育士が働くのは辞めたほうが良い認可外保育施設もあれば、そうでない保育施設もあります。これらについては後ほど解説します。

認可外保育施設といっても種類は様々

まずは、一口に認可外保育施設と言っても、実は様々な種類があります。それらについて簡単に説明していきます。

将来的に認可化を目指す認可外保育施設

認可外保育施設のなかには、将来的には認可化を目指している保育園も多いです。土地や建物、人員などの関係で、いきなり認可の基準を満たして開園するということは難しいという場合に、まずは認可外保育施設として運営して、認可化を目指すという形です。

自治体から認証を受けて運営している認可外保育施設

認可保育園の基準は国によって定められていますが、その基準をなんらかの事情で満たすことができないという保育園もあります。例えば、保育室が少し狭かったり、園庭がなかったりなどです。

そのような保育園であっても、自治体が認可とは別の基準を設けて認証し、補助金等を交付している場合があります。主に、待機児童が多く発生しているエリアで行われています。

例えば、東京都の認証保育所、横浜市の横浜保育室、さいたま市のナーサリールームなどです。とてもややこしいですが、これらは、認可保育園ではない、認可外保育施設になります。ですが、認証を受けることによって、自治体から補助金を貰って運営をしています。

独自の色を持つ認可外保育施設

独自の色を持つ認可外保育施設もあります。

  • スポーツ
  • 英語
  • 教育

などに力を入れている保育園です。これらの保育園は、保育士とは別に専任の講師などを雇用している場合もあります。保護者の方が支払う保育料に関しても、認可保育園と比較してもかなり高額な金額が設定されている場合もあります。

企業主導型保育事業

企業主導型保育事業は、国が認可保育園とは別に独自の基準を設けて認証している保育事業になります。認可ではないので、大枠としては認可外保育施設ということになります。企業主導型保育事業は、主に、従業員を雇用する様々な企業が社員のお子さんを預かって保育を行う施設になります。

認可外保育施設でありながら、認可並みの補助金をを得られるという特徴があります。

保育士が働くのを避けた方が良いかもしれない認可外保育施設の種類とは?

保育士が働くのを避けた方が良いかもしれない認可外保育施設の種類は、

特色がない普通の認可外保育施設

です。

スポーツや英語などの教育に力を入れているわけでもなく、モンテッソーリなどの人気の高い独自の教育手法などを取り入れているわけでもない、特色のない普通の認可外保育施設のことです。

このような認可外保育施設は、保育士の有資格者がわざわざ選んで働くということは辞めたほうが良いと言えます。理由についてはのちほど紹介します。

逆に言うと、特色がある魅力的な認可外保育施設や認可並みに補助金を受け取れる企業主導型保育事業は、保育士の就職の選択肢の一つとしては悪くないとも言えます。

認可外保育施設での就業はこんな方におすすめ

認可外保育施設での就業はこんな方におすすめです。

  • これから保育士資格を取得しようと思っている方
  • 保育士資格を持っていても未経験の方
  • 夜勤保育で高時給で仕事やりたいひと
  • 英語や運動など独自のカリキュラムをしたい保育士の方

認可外だからといって条件が悪いとは一概にいえないので、しっかりと求人を見極めて応募する必要があります。

無資格や未経験の方の求人探しはほいく畑がおすすめです。

認可外保育施設の求人を探したい方は保育士の転職エージェントの利用もおすすめです。

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保育士の就職や転職の選択肢に含める価値がある認可外保育施設の種類とは?

ここからは、先程とは逆で保育士の就職や転職の選択肢に含める価値がある認可外保育施設の種類について紹介します。

大手企業が直接運営する企業主導型保育事業

みなさんも聞いたことがある 大手の企業が企業主導型保育事業を直接運営しているケースがあります。企業主導型保育事業は主に2種類の運営方法があり、一つは外部の保育園会社に運営を委託するというケースで、もう一つは、企業そのものが直接運営をするという場合です。

前者の場合は、良くも悪くも、保育士の待遇や働きやすさはその保育園会社次第ということになるので、それであれば、その保育園会社が運営する認可保育園で働いた方が、待遇面でも働きやすさの面でも良いかもしれません。

後者の場合は、大手企業が自らの会社の社員として、保育士等の職員を雇用して保育園を運営します。大手企業の社員と同様の福利厚生を受けられる場合があります。また、大手企業の企業主導型保育事業は、あくまでも、社員の福利厚生の意味合いが強く、そこまで黒字で運営するということにこだわらないこともあります。そうなると、設備や施設、保育士の待遇面でも、安全面などの重視した、多少の採算を度外視した設定になっていることもあります。

そういった点で、大手企業が直接運営する企業主導型保育事業は保育士の就職や転職の選択肢に含める価値があるといえます。

保護者からの人気が高い、英語やスポーツ、教育などの特定の分野に力を入れている認可外保育施設

保護者の方が高い保育料を払ってでもその保育園に預けたいと思われている認可外保育施設もおすすめです。

このような保育園は、保育士の待遇面でも、認可保育園並かそれ以上の待遇が設定されている場合もあります。もちろん、そのかわり、保育士としてもそれなりのスキルなどが求められることがあります。英語が話せたり、モンテッソーリ教育に精通していたりなどです。

保護者からの人気高ければ、潰れるリスクも少なくなりますし、補助金以外の保育料での収入が安定していれば、むしろ認可保育園よりも、健全な運営ができているという場合もあります。

最終的には個々の保育園の内容を比較しよう

ここまで、特色がない普通の認可外保育施設で保育士が働くのは辞めた方が良いということを書きましたが、

認可保育園であれば安心、認可外はだめ と一概に言い切れるわけではありません。認可保育園にも当然ですが、ブラック保育園はありますし、認可外保育施設でも待遇も働きやすさも、保育園としての魅力もある保育園はたくさんあります。

そのため、これから就職や転職を考える保育士の方は、最終的には、認可か認可外かということだけではなく、個々の保育園の内容についてしっかりと比較検討することをおすすめします。