これから就職をする、転職をする保育士の皆様。就職活動をしている学生の方。
- 保育士の仕事はブラックが多いと聞いて不安。
- 求人情報には嘘も多いんじゃないの?
保育士の求人票の見方、面接時の確認点、嘘を見抜く方法をあらためてまとめました。
ブラック保育園も喉から手が出るほど新卒を採用したいと思っていると思うので本当に気をつけてください。最初がブラックだと高確率で保育士に戻れない精神や体になってしまうかもしれないです。
— 保育士さえこ@ブラック脱出済 (@hoikushisaeko) July 24, 2019
複数回の転職経験があります
その経験が参考になればと思います
保育士の求人票の見方
保育士の求人票の見方を紹介します。以下はハローワークでの項目の例になります。
※ ハローワークより
雇用形態
雇用形態は、基本的には正社員、パート、派遣に分かれます。まれにある契約社員は、産休育休の代替などで期間を定めて雇用される場合が多いです。
パートの求人があれば同じ転職サイトで正社員の求人もある場合があるので、パートの求人しかないという場合でも問い合わせてみる価値があります。逆もしかりです。
パート
派遣社員
雇用期間
正社員は基本的に雇用期間の定めがありません。
パートに関しては期間が定められている場合が多いですが、「更新あり」という場合は勤務に問題なければ継続して雇用してもらうことができます。
派遣社員は、雇用期間が定められている場合が多いです。基本的には長くて3年間になります。ただし派遣元の会社とは継続して契約することができます。(違う保育園に派遣される)
契約社員に関しても、雇用期間の定めがある場合が多いですが、「更新あり」という場合は勤務に問題なければ継続して雇用してもらうことができます。
就業時間
保育士の場合は早番・遅番があるので、7:00から20:00ぐらいまでと幅広くなっている場合が多いです。基本的にシフト制での勤務になります。
労働時間は拘束9時間の8時間労働が一般的です。まれに労働時間が7時間30分などの場合があります。その場合は月換算で10時間ぐらい労働時間が少なくなるので、労働者にはメリットが大きいです。
休憩時間
休憩時間はパートや正社員などの雇用形態に関係なく定められています。
8時間勤務なら60分の休憩があるのが一般的です。本来、8時間丁度の勤務であれば休憩時間は45分で良いですが、8時間勤務で残業が発生した場合は追加で15分休憩を取らなければいけないので60分としているところが多いです。
8時間未満なら45分の休憩があるのが一般的です。
- 休憩はちゃんと取得できていますか?
時間外勤務・残業について
この数字はあくまでも参考程度なのであてにはならないです。閑散期の残業が少ない時間を例として書いている場合もあります。
面接チェックポイント
残業はどれくらいしていて残業代は出ていますか? -> なしと言い切る場合は少し怖い(保育園で残業無いことなんてある?)
- 残業はどれくらいしていて残業代は出ていますか? -> なしと言い切る場合は少し怖い(保育園で残業無いことなんてある?)
月給
月給の構成は一般的に以下のようになっています。
- 月給 = 基本給 + 各種手当
基本給は求人によって〇〇万円〜〇〇万円と幅をもたせている場合があります。新卒や未経験の方は基本的には記載値の下限値になると思います。
- 処遇改善はどこにいくら含まれているか?
- 処遇改善はどのような支給方法か? -> 処遇改善の支給方法や金額は園によって異なります。
保育士の給与には国や自治体の処遇改善費が上乗せで支給されていることがあるので、その内訳を確認しましょう。
- 保育士の月給は手当がてんこ盛りで基本給はとても少ない
賞与
賞与はいわゆるボーナスについてです。保育業界の場合、4ヶ月分以上だと多い部類になると思います。
「年2回3ヶ月」という場合は、給料の3ヶ月分の金額、年二回に分けて支払われます。
注意点としては賞与が「月給」にかかるのか「基本給」にかかるのかという点です。これによって支給額が変わってきます。多くの求人では明示されていないので面接でしっかり確認しましょう。
- 初年度は賞与は何ヶ月分貰えるか?(初年度は満額でない場合が多いです。)
- 賞与ありとだけ書かれている求人が多い => 大抵は賞与が少ない
- 賞与が多いと思ったら基本給が少ないので実はそんなに貰えない
休日
週休二日制と完全週休2日制は違うので注意が必要です。完全週休2日制を選ぶべきです。
認可保育園は土曜日もやっているので、保育士はシフト制がほとんどになります。日曜祝日に加えて月~土で一日休むという形になります。
- 月に何回土曜に出勤があるか?
- 土曜日・休日出勤の代休があるか?
- 代休がない場合は休日出勤の手当が出るか? -> 手当が出ない場合はとても損します。
休暇
休暇については、祝日と年末年始休暇は最低限欲しいところだと思います。
プラスアルファで夏季休暇があると良いです。有給休暇とは別に5日間ぐらい貰えたら保育園としてはかなり条件の良い求人だと思います。ただし、夏季休暇を有給で取得してもらうという場合もあります。その場合は、自分の有給休暇が減っているだけなので、お得とは言い難いです。
たまにゴールデンウィークと書いてあるところがありますが、GWは祝日なので、わざわざ書くことではないと個人的には思います。
- 夏季休暇はあるか?
- 夏季休暇は連続でとれるか?
- 夏季休暇は有給とは別で取得できるか?
- 年末年始休暇は何日間?(保育園によっては開園の場合も有り)
有給休暇
正社員であれば、初年度は入社半年後に10日間付与というのが最低条件になります。これを下回ることは法律上は基本的にないはずです。
良い保育園であればこれ以上の水準で付与してくれる場合もあります。例えば、入社日にすぐに数日間の有給をくれる場合は良心的です。付与がない場合は、入社半年間は病気などになったら欠勤扱いになります。欠勤になるということは給料が支払われないということです。
有給の取得率を公開している場合は信じて良いと思いますが、取得率が高かった年のものを参考として出している場合があるので過度に信じるのは禁物です。
- 有給休暇は何日ぐらい消化できていますか?
年間休日日数
完全週休2日制で祝日、年末年始が休みだと年間休日は120日前後になるのが一般的です。ただし、年間休日の日数は年度によって異なるので注意が必要です。
有給休暇は年間休日日数に含めないですが、まれに含めている求人があるので注意してください。
加入保険について
正社員なら基本的に、雇用 労災 健康 厚生はそれぞれ加入必須です。パートの場合は労働時間等の条件によって異なるので要確認です。
通勤手当
上限が決められていることがありますが、よほど遠方で高額でなければ全額支給されるのが普通です。
車通勤の場合はガソリン代や駐車場代の補助がある場合もあります。
その他の面接のチェックポイントについて
その他の面接のチェックポイントについて紹介します。
給食について
保育士も給食を食べれるのか、それともお弁当を持参する必要があるのかで結構負担が変わってくると思います。給食は保育士は無料の場合はもありますし、数百円程度の自己負担がある場合もあります。
退職金制度について
長く働きたいと思っている方は、特に退職金制度についてもしっかり確認することをおすすめします。同じ保育士の仕事でも、退職金制度の内容によって支給される金額が大きく変わります。保育士の退職金に関しては以下の記事でも紹介しています。
昇給について
保育士の転職において、意外と見落としがちなのが昇給に関してです。最初の給与は高いけど全然昇給しないという場合もあるので確認することをおすすめします。勤続年数が長ければ長くなるほど差が出てしまう部分でもあります。昇給金額と昇給の基準についてしっかり確認しましょう。
加入の健康保険組合について
加入することになる健康保険組合についても意外と見落としがちな部分です。例えば、学校法人で私学共済だったら他よりお得かもしれません。毎月給料から天引きされる保険料にも組合によって実は差があります。補助金等の面でお得になる場合もあるので、迷った場合は考慮にいれる必要があると思います。
住宅手当(家賃補助)はあるか?
住宅手当の支給は保育園によって様々です。例えば「単身のみ」や「賃貸の名義人」などの条件がある場合があるので面接時に確認が必要です。
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宿舎借り上げ制度は使えるか?
首都圏や大都市近県では市区町村が宿舎借り上げ制度を実施しています。基本的に月額8万2千円までの宿舎を自己負担をほとんどなく借りることができます。
実施の有無や詳細は市区町村や保育園によって異なるので、面接時にしっかり確認する必要があります。
通勤に関して
通勤に関しては特に車や自転車での通勤を考えている方は以下のような点は確認しておくと良いと思います。
- マイカー通勤は可能か?
- 駐車場はあるか?
- 駐車場代の補助はあるか?
- 自転車通勤は可能か、駐輪場はあるか?
各種制度の実績について
福利厚生など制度が整っていても実際に利用できないと意味がありません。制度の有無はもちろん実際にどれくらいの人が利用しているかについて利用実績を確認しましょう。
- 産休育休制度の取得実績はあるか?
- 介護休業の取得実績はあるか?
- 看護休業の取得実績はあるか?
面接時に嘘を見抜く方法
面接時に結局たくさん質問をして聞いても、実際に入職したら話が違ったということも保育業界ではあるあるだと思います。
質問を聞くのは質問の内容を知るためというのはもちろんです。人は嘘をつくことになにかしら抵抗があるので、必ずたくさん質問をしていくなかで、嘘をついている場合は違和感を感じる部分が出てくると思います。
とにかくたくさんの質問をして違和感を見つけ出すのが重要です。そんなにたくさん聞いたら自分の利益のことばっかり保育士だと思われて落とされるのではないかと
どうしてもガツガツ質問ができないという方の場合は、保育士の転職サイトの活用もおすすめです。
保育士の転職エージェントを利用すればそもそも面接の前にたくさんの質問を保育園に代わりにしてくれるので、自分の希望条件に一致しない求人の面接には行く必要すらありません。
さらに、内定をもらったあとは基本的な勤務条件に関しては書面でも提示してもらうこともできる場合があるので、入職後の齟齬を減らすことが可能です。
- マイナビ保育士
|全国の正社員・パート保育士の求人に対応しています。登録するとネット上での検索などでは見つからない非公開の人気のある高待遇の求人情報も得られます。 まずは求人情報を知りたいだけという方でもOKです!
- ヒトシア保育| ※全国の正社員・派遣・パート保育士の求人に対応しています。登録しないと得ることができない非公開の求人もたくさんあります。 求人数も多いのでとにかくたくさんの情報を得たいという人にもおすすめです。
- ジョブメドレー保育士
| 全国対応でネット上から求人応募が可能です。すぐに転職するつもりはなくても、とりあえず登録して求人を見ることができます。自分のペースで転職をしたい人におすすめです(^^)
※ 紹介できる求人などに差があるため転職サイトは複数社に同時登録して併用がおすすめです。就職転職活動が不安な方はまずは簡単な相談目的での登録でも大丈夫です。
※ 保育士の転職サイトは新卒の方や未経験の保育士の方、資格取得見込みの方でも利用可能です。
面接で嘘をつかれたことがわかった場合の対処法
入職後に嘘が発覚するというのが一番避けたいことです。残念ながら入職後に嘘が発覚しても泣き寝入りすることがほとんどになってしまいます。
転職の際に転職エージェントを利用していればコンサルタントが対応してくれる場合もあります。そのためにも保育園、求職者、転職エージェントの3者でしっかりと勤務条件を事前に共有しておくことが重要です。
サービス残業などの明らかな法令違反は労働基準監督署への相談をおすすめします。
最終的には、退職の意志を示すということも重要です。ブラック保育園に長く働いていても損するだけです。なるべく早めに決断して年度途中であっても退職するべきだと私は思っています。
まとめ
面接時などに確認しておくべき必須事項は以下になります。
- 初年度は賞与は何ヶ月分貰えるか?
- 残業はどれくらいしていて残業代は出ていますか?
- 処遇改善はどこにいくら含まれているか?
- 処遇改善はどのような支給方法か?
- 月に何回土曜に出勤があるか?
- 土曜日・休日出勤の代休があるか?
- 代休がない場合は休日出勤の手当が出るか?
- 夏季休暇はあるか?
- 夏季休暇は連続でとれるか?
- 夏季休暇は有給とは別で取得できるか?
- 年末年始休暇は何日間?
- 給食について
- 退職金制度について
- 昇給について
- 加入の健康保険組合について
- 住宅手当/宿舎借り上げ制度について
保育士の転職活動の重要なポイントは以下です。
- とにかくたくさん質問をすることで嘘を見抜く
- 保育士の転職エージェントを活用する
- 勤務条件に関しては内定後に書面に残してもらえれば尚ベスト
そもそも法令違反をしているブラック保育園が求職者を騙すのは造作も無いことです。残念ながら入職後に嘘が発覚しても泣き寝入りするのがほとんどです。入職前に違和感を見つけて嘘がないかどうかを見抜くしかないです。嘘を嘘と見抜けないとまともな人生を送れないのが保育士の世界です。#保育士 https://t.co/yH701DpNpc
— 保育士さえこ@ブラック脱出済 (@hoikushisaeko) August 3, 2019
残念ながら入職後に嘘が発覚しても泣き寝入りすることがほとんどになってしまいます。そもそもサービス残業などの法令違反をしている保育園が求職者ひとりを騙すなんて朝飯前です。
とにかく保育士の転職活動においては、入職前にたくさんの情報を収集して違和感を見つけて嘘がないかどうかを見抜くということが重要です。
保育士が働く保育園を選ぶという立場なので、気負わず行動していきましょう。