これから保育園などの保育施設に就職、転職を考えているという方。
ブラックな保育園も多くて事前に保育園の良し悪しを見極めたいという方もいらっしゃると思います。でもどんなことを面接等の際に聞けばよいかわからないという方もいらっしゃると思います。
今回は、保育士が就職や転職する際に、事前に保育園側に聞いておくべきことを総まとめにしました。面接時の逆質問リストとなっているので、質問の候補としてご活用ください。
複数回の面接経験があります
その経験が参考になればと思います
仕事内容面で就職前に保育園に聞いておくべきこと、面接時に質問すべきこと
まずは保育園での仕事内容に関することで、保育士が就職前に保育園に聞いておくべきこと、面接時に質問リストするべきことを紹介します。
担任するクラス、役割について
新しい保育園で働く時に気になることの一つが、どのクラスの担任になるのかということですよね。何歳児を担当するかによって仕事の内容は異なりますし、歌やピアノなど事前に予習しておきたいこともありますよね。
もちろん、面接時の段階では決まっていないということもありますが、どのクラスに配属される可能性が高いか知っておくだけでも入職に向けての心持ちは違ってくると思います。また、自分の今までの経験から、得意なクラスやあまり経験したことがない年齢のクラスなどもあると思うので、入職後の参考にもなります。
保育内容について
保育の進め方も自分にあうあわないというのが必ず出てきます。合わない保育園での仕事は苦痛なものになってしまうこともあります。わかり易い例でいうと、きちんとしたカリキュラムが用意されていてそれに合わせて保育をすすめるのか、もしくは自由に遊ばせるような形なのかというようなことです。また、最近ではモンテッソーリ教育など異なる教育手法を取り入れている保育園もあります。
それらの保育内容が自分にあうかどうか、保育園の保育理念などと合わせて整合性が取れているのかどうかについてもチェックできると良いと思います。
行事について
保育園が行事にどれくらい力を入れているかというのは、保育士にとってのやりがいや負担に大きく直結する部分になります。行事に力を入れている保育園はそれだけやりがいがありますが、残業なども増加する傾向があります。事前に保育園のホームページなどで年間行事などが確認できることもあるので、気になる部分をチェックしておくのも良いと思います。
ピアノの負担など
ピアノが得意という方は問題ないですが、あまり得意ではないという方はピアノの負担についても確認しましょう。厳しい保育園だと楽譜を見ずに引かなければいけないこともあったり、発表会などでそれなりのクオリティの演奏を毎年要求されることもあります。仕事が終わった後に、毎晩練習をしなければいけないということも起きるので、きちんと負担度合いについて確認しましょう。
研修について
良い保育園であれば、業務として外部の研修等を受講できる場合もあります。外部の研修は保育士が自分のキャリアやスキルを向上させる機会になります。研修を受ける時間は、当然ですが、給料も支払われます。
特に保育士等キャリアアップ研修は、保育士の将来的な給料にも大きく関わる制度になるので、受講することができないということは将来的なキャリアアップを考える上で大きなマイナスになります。保育士等キャリアアップ研修は日本全国どこの保育園でも通用する研修制度になるので、その保育園を転職した後にも影響を与えてしまうことになります。
また、研修を受講することができないというのは、現場に保育士が足りていないためという場合もあるので、保育園での仕事の負担を確認するという意味でも要注意です。保育士の配置人数に余裕を持っている保育園ではないと、そもそも研修に行く時間が取れないので、ブラック保育園を見極めることができる一つの要素になります。
給与待遇面で就職前に保育園に聞いておくべきこと、面接時に質問すべきこと
続いて保育園での給与待遇に関することで、保育士が就職前に保育園に聞いておくべきこと、面接時に質問するべきことを紹介します。
入職時の給与について
やっぱり働く上で大事なことは給料についてですよね。保育園によって転職者の経験をどのように給料に反映するかに違いがあります。入職時にいままでのどのような経験が反映・評価がされてその給料が提示されたのかしっかり確認しましょう。また、チャンスがあれば給料の交渉をすることも大切です。
昇給について
保育士の給与待遇面で意外と見落としがちなのが、昇給についてです。入職時の給料が良くても、昇給額が少ないと他の保育園で働いていた場合と比較して給料の差が大きく開いてしまうことになります。昇給は、金額はもちろん、どのような基準で昇給するのかということもとても大切です。
昇給の基準が厳しければなかなか昇給できないですし、基準などはあまりなく皆均等に昇給するという保育園もあります。こちらは一見公平で良いと思うかもしれませんが、頑張っていない人も昇給できてしまうので、不公平とも言えるかもしれません。頑張っている人ほど損をするシステムではあるので、人間関係のギクシャクを生む原因にもなります。ただし、園長の一存で昇給額などが決まってしまうというのも、公平な評価が機能していないと、理不尽な思いをする場面も出てくるので難しいところではあります。
賞与について
賞与は保育士の給料のなかでも差が付く部分になります。賞与2ヶ月分と4ヶ月分では年収にも大きな開きが出てきます。月給が高くても、賞与が少ないと最終的な年収も低くなります。
また、気をつけなければいけないのが、この「○ヶ月分」というのが月給のどの部分にかかるのかということです。後述する処遇改善費や手当なども含めた月給の○ヶ月分なのか、月給から手当等を抜いた基本給の部分の○ヶ月分なのかによっても支給金額は大きく異なります。また、賞与は園によっては、評価などで金額が変わることもあります。
○ヶ月分という数字だけにとらわれずにきちんとした最終的な金額を把握しましょう。
処遇改善について
昨今では保育士の給与改善のために、国や各自治体が保育士の給与を改善する処遇改善を行っています。実はこの処遇改善ですが、保育園で保育士として働けば自動的に満額支払わられるわけでは有りません。保育園が国や自治体が求める条件を満たして申請をすることではじめてその恩恵にあずかることができます。
つまり、なんらかの事情で保育園が条件を満たすことができなかったり、面倒臭がって手続きをおろそかにした場合は、保育士の手元にそれらのお金が届かいないことがあります。そのような保育園は、他と比べても保育士の待遇が低い保育園になります。加えて、国や自治体が支払う処遇改善費は他の保育園の運営費と合わせて保育園に支給されることが多いです。保育園がそれらの費用をどのように保育士に対して支払うのかは、保育園ごとに自由に決めることができます。
毎月の給料に加えることもあれば、賞与のようにまとめて一括で支払われることもあります。処遇改善費は別で支払ってくれるだろうと思っていたら、既に給与に含まれていたなんてこともあります。なかには保育士に支払われるべき処遇改善費を園長等の経営者がネコババしているというケースもあるようです。どのような内訳でどのように支払われているのかをきちんと確認しましょう。
役職について
保育園にどのような役職がありどのような役割があるのかということを知ることはとても大切です。保育園が組織としてきちんと機能しているということは、保育士の働きやすさなどにも直結します。
また、今後その保育園で長く働こうと思っている場合は、将来的に就く可能性がある役職のことは把握しておくべきです。どのような基準で役職につくことができるのか、役職についたら給与面でどのような変化があるのかも確認しましょう。
苦労して働いた結果「主任」になったけど、手当は雀の涙しかなかったというケースもあります。責任や仕事だけが増えて保育士としての就業の満足度が下がってしまうこともあるので注意しましょう。
各種手当について
保育士の給料は、各種手当てが含まれる割合も多いです。後々聞いていた話と違うと食い違いが起きやすい部分でもあります。
各種手当とは例えば以下のようなものです。
- 担任手当
- 資格手当
- 扶養手当
- 主任手当
- 皆勤手当
- 住宅手当
- 引越手当
- 通勤手当
例えば、通勤手当は交通費を全額貰えると思っていたら、上限の金額がある場合もあります。住宅手当などにも支給の条件があるかもしれません。
また、見た目の月給が良いなと思っていても、手当がたくさんついているだけということもあります。それぞれの手当の内容と条件などもきちんと確認しましょう。
保育士宿舎借り上げ制度について
賃貸を借りて住もうと考えている場合は、保育士宿舎借り上げ制度が使えるかどうかを確認しましょう。保育士宿舎借り上げ制度は自治体からの補助によって自己負担額も少なく賃貸を借りることができる制度です。
制度を利用するには、市区町村などの自治体が実施していること・保育園が制度を実施していて利用枠に空きがある必要があります。そのため、利用できるかどうかは保育園に確認をする必要があります。
休日・休暇面で就職前に保育園に聞いておくべきこと、面接時に質問すべきこと
続いて保育園での休日・休暇に関することで、保育士が就職前に保育園に聞いておくべきこと、面接時に質問するべきことを紹介します。
土日出勤について
認可保育園は基本的に土曜日に開園しているので、保育士は基本的に変則的な勤務になります。多くは土曜日に出勤をする保育士に対して他の平日に振替休日を付与している保育園が多いです。まれに振替休日等がない保育園もあるので、その場合は休日出勤の手当が支給されるはずです。適切な休暇は保育士の体力面に大きく関わるのできちんと確認を取りましょう。
夏季休暇について
夏季休暇は法律等で義務付けられているわけではないので、ある保育園と無い保育園があります。ある場合は何日間の休暇が取れるのか、連続して取ることができるのか等を確認しましょう。また、夏季休暇ありの保育園でも、有給休暇を消化して夏季休暇をとるという保育園もあるので注意しましょう。
年末年始休暇について
年末年始は開園していない保育園が多いですが、その日程は自治体や保育園によってまちまちです。実家に帰省等をしたい人もいると思うので、何日間の休みがあるかどうかを確認しましょう。まれに休日・年末年始保育を実施している保育園は出勤する必要が出てくるので注意しましょう。
有給休暇について
正職員でフルタイムで働く場合は、有給休暇の付与は入社半年後に10日間付与、そして年5日間の消化が最低基準になります。保育園によってはそれを上回る基準で付与してくれることもあります。有給休暇は付与日数も大切ですが、有給消化率も大切です。どんなに数多く付与されても消化ができなければ意味が無いためです。どれくらいの割合で消化できているかどうかを確認しましょう。
シフトについて
保育園は基本的にはシフト制になっていると思いますが、その運用の仕方はそれぞれの保育園で異なります。
- 休みの希望は出せるのか
- 早番遅番等のローテーションはどうなっているのか
というような気になる情報は事前に保育園側に確認をしましょう。想定外の働き方になってしまうことを未善に防ぐことができます。
福利厚生制度面で就職前に保育園に聞いておくべきこと、面接時に質問すべきこと
続いて保育園での福利厚生制度に関することで、保育士が就職前に保育園に聞いておくべきこと、面接時に質問するべきことを紹介します。
どんな福利厚生制度があるか
福利厚生制度は、企業や会社に義務付けられているものではないので、そもそもどのような制度があるかどうかはその保育園次第になります。なので、まずはどんな制度があるかどうかを聞く必要があります。
福利厚生の制度はあればあるだけ良いと思うかもしれませんが、制度がある分は必ず保育園が費用負担をしているということになります。そのため、必ずしもたくさんあれば良いということではありません。その分、給料が削られているとも考えることができます。
また、企業や会社に義務付けられている制度(有給休暇や産休育休等)と保育園が用意している福利厚生を混同しないように注意しましょう。
利用実態はどうなっているか
福利厚生において、一番大切なことは、制度があること自体ではなく実際に利用ができるかどうかです。もし、気になる制度が会った場合は、実際にどれくらいの人が過去に利用できていたかということを確認しましょう。
仕事量に関することで就職前に保育園に聞いておくべきこと、面接時に質問すべきこと
続いて保育園での仕事量に関することで、保育士が就職前に保育園に聞いておくべきこと、面接時に質問するべきことを紹介します。
就業時間について
就業時間については、聞くまでもなく求人情報などに明示されていると思います。就業時間は8時間勤務に1時間休憩が普通でしょと思っている方もいると思いますが、実は、必ずしもそうとは限りません。私も7時間30分勤務の保育園の求人を見たことがあります。30分の違いでも毎日積み重なると保育士の負担は大きく異なります。実は保育園によって差がある部分になるので見落とさないようにしましょう。
休憩時間について
保育士の就業のなかで、疲労や満足度に大きく影響を与えるのが、休憩時間についてです。残念ながら実質的に休憩を取ることができない保育園などもあります。書類仕事をしなければいけなかったり、子どもから目を離すことができない状態の場合です。保育士は休憩時間中にどのように過ごしているかは事前に確認しましょう。
残業時間について
多い少ないというようなあいまいな表現ではなく、毎月平均するとどれくらいの残業時間があるのかということを確認しましょう。また、残業代がきちんと貰えるのかという点についても確認しましょう。
持ち帰りの仕事について
保育士の仕事における負担や就業の満足度を大きく悪化させるのが持ち帰りの仕事がある場合です。持ち帰りの仕事があると、就業後も家で体を休めることができずに体調を崩す原因になります。持ち帰りの仕事の残業代が支払われないのであれば、金銭的にも不利益が多いです。必ず持ち帰りの仕事がない保育園を選びましょう。
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